エンジニアはスキルの塊──IT分野別必須スキル一覧

エンジニアはスキルの塊プログラミング

「スキルが欲しい」。これはすべてのエンジニアの願いです。

スキルに対して対価が支払われるのがエンジニアの世界ですから、高いスキルをたくさん身につけるに越したことはありません。

けれども、あれもこれもと手を広げて中途半端になるのはよくありません。自分に必要なものから、優先順位をつけて学んでいって専門性を高めましょう。

この記事では、あらゆるエンジニアに共通して必要なスキル、そして分野別に必要となるスキルについて概観します。スキルアップ計画の参考にしてみてください。

エンジニアに必要なスキル

あらゆる仕事と同じように、エンジニアにも様々なスキルが必要です。

現在、コンピューターは我々の生活の隅々まで入り込んでいて、その用途は様々です。それらすべての用途について、背後にはシステムを作ったエンジニアたちがいるわけです。

コンピュータの使われ方はあまりにも幅広いので、1人のエンジニアがすべてを把握することは不可能です。ですからITの世界はいろいろな分野に分かれていて、それぞれに専門のエンジニアがいます。

従って、エンジニアに必要なスキルといっても分野ごとに違いがあります。もっと言えば、エンジニア一人一人が、違ったスキルを持っています。

しかし、どの分野のエンジニアであっても、コンピューターに関わっている点では共通しています。よって、ハードやソフトについてはある程度の知識が必要です。

また、コミュニケーション能力など、技術以外のスキルにも、分野に関係なく必要なものがあります。

ここではまず、そういった分野をまたいで必要となってくるスキルの数々を紹介します。

技術的スキル

エンジニアとは「技術者」のことですから、当然、技術に詳しいことが期待されます。ITエンジニアの場合は、コンピューター周りのこと、すなわちハードウエアやソフトウエアについて、仕組みを理解していることが求められます。

「コンピューター屋」として恥ずかしくない技術・知識を身につけましょう。具体的には、以下のようなことを勉強していくことになります。

プログラミング

まず、何はともあれプログラミングです。今や小学校でも必修となっているこの技術を、エンジニアを名乗る人ができないではすまされません。エンジニアを目指すなら、まずはプログラミングを学ぶのが第一歩になるでしょう。

ソフトウエア開発に携わる「プログラマー」ならば、プログラミング言語に精通し、コーディング技術に優れていなければなりません。複数の言語を使いこなせることも重要です。

中には、サーバー構築などを仕事とする「インフラエンジニア」と呼ばれる職種もあり、そういう人達はプログラミング自体が仕事というわけではありません。よって必ずしもコーディングが得意である必要はありません。

ただし、インフラエンジニアであっても、例えばサーバーにトラブルがあってログを調べなければならないときなどに、プログラミングが役に立ちます。スクリプトを一行書けば一瞬で調べ終わるようなことをいちいち目視で調べたりしていては、どれだけ時間がかかるか分りません。

とにかく、ITエンジニアであるからには、誰しもプログラミングはできるようになりたいものです。

コンピューターの知識

エンジニアは日々コンピューターに関わる仕事ですから、ハードとしてのコンピューターについても知っておく必要があります。

パソコンがどういう部品から成り立っていて、それぞれがどのような役割を果たしているのか、という大まかなところは知っていて当然です。それに加えて、CPUがどういう仕組みで動いているのか、メモリーがどんなふうにデータを読み込んでいるのか、ストレージがどうやってデータを保存しているのか、などについても詳しく知っておきたいところです。

組み込みエンジニアでもない限り、ハードウエアの深いところにまで直接働きかけることはあまりありませんが、それでもハードの知識は役に立ちます。意味不明なバグだと思っていたものが、CPUやメモリーの仕組みを知っていればすんなり解決できるものだった、ということも多々あるのです。ハードの知識は、成果物の品質にも影響する重要事項です。

また、エンジニアにとってコンピューターは大事な仕事道具でもあります。自分の使用マシンが不調になったとき、原因が思い当たる、さらに修理もできるようであれば、心強いことでしょう。

ハードウエアはものすごいスピードで進歩しますから、一度学んだら終わり、というわけにはいきません。Webサイトをパソコンでもスマホでも表示できるようにするのが当たり前の今ならば、スマホの内部構造にも興味を持つべきでしょう。

OSの知識

コンピューターを動かすのに不可欠な、OSに関する知識も必要です。

設定のしかたなどの「使い方」に類するものに留まらず、どのようにハードウエアを動かし、管理しているのか、という内部的な仕組みについても把握しておいたほうがよいでしょう。

OSには、パソコン用ならWidsow、OS X、Chrome OS、Linuxなどがあります。スマホ用ならAndroidやiOSがあります。これらについては、一通り教養として知っておくほうがよいでしょう。

特定のプラットフォームだけで動くソフトウエアを開発するなら、そのOSに関しては特に詳しくなる必要があります。バージョン間の違いなどについても理解しなければなりません。

OSは、ハードウエアとアプリケーションの間に立つもので、開発者の友達ともいえる存在です。けれども、人間が作り出したものでOSより複雑なものは滅多にありませんから、すべてを理解するのは非常に困難です。とりあえずざっくりと全体的なことを学び、細かい部分は自分の仕事に関係しそうなところを中心に学ぶ、という方向がいいのではないでしょうか。

OSはハードウエアと不可分のものですから、OSを勉強すれば自然とハードについても詳しくなっていくという副次的な効果も期待できます。

非技術的スキル

エンジニアの仕事は、技術的な側面だけで成り立っているわけではありません。まったくの1人でやる仕事というのは希で、普通は複数の人が関わっています。そこで、エンジニアには「人と一緒に働く能力」が求められます。

もし、自分1人だけに仕事を依頼されたとしても、そこには依頼人と自分という、少なくとも2人の人間が関わることになります。

このように、エンジニアという仕事は、世間一般で思われているよりも人との関わりが多い仕事と言うことができるでしょう。

以下には「コミュニケーション」「ライティング」「英語力」と3つの非技術的スキルを挙げましたが、いずれも何らかの意味で「人とわかり合うためのスキル」です。

コミュニケーション

エンジニアにとって、コミュニケーションの大事さはいくら強調してもしすぎることはありません。コミュニケーション能力は、エンジニアが技術面以外のスキルで身につけるべきものの筆頭と言えます。

ここでいうコミュニケーションは、「相互理解」のことであって、例えば営業職や接客業に求められるタイプのものとは少し違います。「相手に自分の言うことを理解させる」ことと「相手の言うことをよく理解する」ことが、エンジニアにとっては重要なのです。

「表現力」のようなものはさほど重要ではありません。声のトーンに気を配り、身振り手振りを交えながら相手の心に訴えかける、という芝居がかった技術はとりあえず必要ないのです。

そういうことよりも、「この人に、この言い方でうまく伝わるだろうか」ということを常に考えながら話し、相手の話のどこが大事なのかを常に注意しながら聞くということが必要なのです。相手の言うことで理解できない点や曖昧な点があったら的確に質問をする、「質問力」も重要です。

こういうことができる人が、「一緒に働きやすい人」とみなされ、高評価を得るのです。

ただし、より上流工程へ向かい、マネージャー的な立場を目指すのなら、より高度なコミュニケーションスキルが必要です。クライアントをはじめ、開発チーム内外の多くの人と関わることになるからです。一職人に留まるか、監督になれるかの境目が、コミュニケーション能力の違いにあるわけです。

ライティング

ライティング、すなわち文章を書く能力も、エンジニアには欠かせません。開発業務をしていると、仕様書などのプログラムに付随する文書やコード中に埋め込むコメントやバージョン管理システムのコミットログなど、文章を書く機会はたくさんあります。チーム内の連絡手段として、何らかのテキストをやりとりすることも頻繁にあるでしょう。

それらの文章をどう書くかで、チーム全体の効率が大きく変わってくることもあります。コードの品質と同時に、文章の品質を上げる努力をしましょう。

名文である必要はまったくありません。面白い必要もありません。大事なのは「分りやすい」こと、この一点です。

分りやすい文章を書くコツは、コミュニケーションと同じく、伝わるかどうかを常に意識して書くということです。それは一般に、一対一の直接的なコミュニケーションよりも難度が高くなります。その理由は、ひとつには相手の反応を見ながら表現を変える、ということができないからです。

また、その文章が複数の人の目に触れるならば、より慎重に分りやすい表現を選ぶ必要があります。ユーザーマニュアルなど、技術者以外に読まれるものならなおさらです。

ある事柄が、すでにみんなに共有されていると思い込んでいるためにわかりにくい文章になってしまう、というのはありがちなミスです。せめて「自分にしか分らない」ような文章にならないように、考えましょう。

文章を書くのは苦手、というエンジニアもたくさんいるようです。そういう方は、何かしら文章指南の書籍を読んでみるとよいでしょう。その手の本はたくさん出ていますが、1冊だけ選ぶとしたら、『理科系の作文技術』(木下是雄・著、中公新書)を強く推薦します。

英語力

エンジニアにとって、英語力もかなり重要なスキルです。その理由は以下のようなものです。

一つ目の理由は、ほとんどのプログラミング言語が英語を元にして作られているということです。「if」や「while」など、言語仕様に埋め込まれている語はすべて英語です。また、関数名や変数名なども英語で書くことが求められます。

従って、アルファベットに恐怖心や嫌悪感を抱くようでは、エンジニアになるのは難しいと言わざるを得ません。

プログラミングでは、他人の書いたコードを読むこともしょっちゅうあります。その際、中高生レベルの語彙力があればすんなり理解できるようなところが、そうでないために涙が出るほど長時間かかってしまうということだって起こりえます。

英語力が重要である二つ目の理由は、英語でしか手に入らない情報が膨大にあるからです。特に最先端の情報については、英語のWebサイトや書籍でしか触れられないこともしょっちゅうです。

せめて、自分の専門分野の書籍などは読めるようになることが望ましいでしょう。Webサイトに関しては、自動翻訳の精度がかなり上がっており、簡単な技術文書ならほぼ問題なく理解できるレベルにはなっています。

仕事や技術的な勉強だけでも大変なのに、英語にまで手が回らない、という方も多いでしょう。けれども、ちょっとしたすき間時間に教材の暗唱をするなど、工夫の仕方はいくらでもあるはずです。諦めず、地道な努力を続けてください。

分野別・必須スキル

ここまでは、エンジニアなら分野に関係なく誰もが意識して身につけるべきスキルを紹介しましたが、ここでは各分野のエンジニアがそれぞれ獲得すべきスキルを紹介します。また、それぞれの分野でよく使われるプログラミング言語についても言及します。

Web開発:フロントエンド

Web開発のうち、ユーザーが直接触れる部分を作るフロントエンド開発では、以下のようなスキルが必要です。

  • ブラウザに関する知識
  • UIデザインの知識
  • ネットワークの知識
  • セキュリティーの知識
  • 主な使用言語:HTML&CSS、JavaScript

見た目や使い勝手など、ユーザーの印象やサイトの成否をも左右する重要な工程であるフロントエンドは、様々な仕事の集積で成り立っています。

Webサイトを作るためには、サイト全体の設計から各ページのデザイン、それらを表現するコーディング、さらには画像や文章などのコンテンツの作成まで、多くの仕事があります。それぞれに専門家がいるわけですが、現場によってはエンジニアがそのうちのいくつかをこなす必要があることもあります。

デザイナーと連携してコーディングするときでも、デザイナーと話ができなければ始まりませんから、最低限のデザインの知識は必要でしょう。その他、ブラウザごとの違いやセキュリティー関係など、気を使うべき事柄はたくさんあります。

Web開発:バックエンド

Web開発のうち、主にサーバー側の処理を担当するバックエンドエンジニアには、以下のようなスキルが求められます。

  • サーバーの知識
  • フレームワークの知識
  • データベースの知識
  • ネットワークの知識
  • セキュリティーの知識
  • 主な使用言語:PHP、Ruby、Python、Java

Webアプリケーションはサーバー上で動くものですので、サーバー、特にサーバーソフトウエアについての知識は必須です。現在では、Ruby on Railsなどのフレームワークによって開発するケースが多いので、そちらの知識も必要です。

多くのWebサイトは、データベースにユーザーから送られてきた情報を保存したり、データベースから取り出した情報を表示したりする機能がありますので、データベースについても知っておく必要があります。

また、ユーザー認証などネットワーク系の知識や、セキュリティーに関わる知識も、トラブルを未然に防ぐために重要です。

スマホアプリ

スマートフォンのアプリ開発のために必要なスキルは、以下のようなものです。

  • ネットワークの知識
  • セキュリティーの知識
  • 主な使用言語:Java、Kotlin、Swift、HTML&CSS、JavaScript

スマホアプリにもいろいろな種類があり、そのうちのどれを作るかで必要となるスキルも違ってきます。

Webアプリと呼ばれるタイプならば、一般のWeb開発のフロントエンドやバックエンドのエンジニアと同じようなスキルが必要になります。

スマホ本体にダウンロードしてスマホ上だけで動作が完結する、ネイティブアプリならば、スマホのOSの知識などが必要です。

Webアプリとネイティブアプリの中間的な存在であるハイブリッドアプリに必要なスキルは、Webアプリのそれに準じます。ハイブリッドアプリの開発にはフレームワークが使われるのが一般的なので、それらが使いこなせることも重要です。

パッケージソフト

一般に販売されるパッケージソフトの開発者に必要なスキルは、次のようなものです。

  • ビジネス知識
  • 企画力
  • 主な使用言語:C、C++、Java、C#、VisualBasicなど

開発のどの段階に携わるかで、必要となるスキルは違ってきます。プログラミングだけに関わるのならプログラミング言語その他、普通のITスキルがあれば十分です。

パッケージソフトは「売れる」ことが重要ですから、開発にはアイディア力や企画力が必要です。市場のニーズをくみ取るマーケティング力も重要です。エンジニアでありながらそういった能力がある人は、会社の主力として活躍できるでしょう。ハードルは高いですが、起業してみても面白いかもしれません。

また、作るソフトに関する分野の知識も必要です。例えば会計ソフトなら会計の、動画編集ソフトなら動画編集の経験や知識が生きます。転職組が活躍できるチャンスです。

組み込み

電化製品や工業用機械、自動車などに組み込まれるソフトウエアを開発する組み込みエンジニアに必要なスキルは、以下のようなものです。

  • ハードに関する特に深い知識
  • 電気、機械などの、工学系の知識
  • 主な使用言語:C、C++、Java、アセンブラ

機械を動かすソフトウエアを作るわけですから、当然、機械に強くなければなりません。回路図を見て理解でき、場合によっては回路の設計ができることが要求される場合も想定されます。理系色の強い分野です。

データサイエンティスト

データから情報を引き出す仕事であるデータサイエンティストには、以下のようなスキルが必要です。

  • 統計学、線形代数など、数学の知識
  • データクレンジングなど、データ周りのスキル
  • 機械学習のスキル
  • 主な使用言語:Python、R

プログラミングを駆使して巨大なデータを分析し、統計学の知識を使って有益な情報を導く、極めて知的な仕事である一方、「力仕事」の側面を持つのがデータサイエンティストです。

最初からきれいなデータなどなかなかありません。抜けがあったりミスがあったり、様々に「汚れて」いるデータを、分析できる形にまで整える、「下処理」の工程にこそ、多大な手間がかかります。

分析には機械学習を用いることも多いので、AI関連の知識も重要です。

まとめ

エンジニアに必要な、様々なスキルについて述べてきました。ITの世界はまさに広大無辺です。そのすべてに精通することはどだい無理なので、ある分野に特化したエキスパートを目指しましょう。

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