ゲームを作成してみたい、そのように考えている方も多いのではないでしょうか。自分好みのゲームを作って、それを世界に向けて発表できたら嬉しいですよね。
この記事では、ゲーム作成に必要な基礎知識やプログラミング言語、プログラミングの学習方法について詳しく解説します。
ゲームを作成してみたいという初心者のみなさん、ぜひ参考にしてみてください。
ゲーム作成に必要な基礎知識
ゲーム作成に必要な基礎知識について、ゲーム作成に必要なスキルと必要なものに分けて解説します。
ゲーム作成に必要なスキル
ゲーム作成に必要なスキルは、以下の2つです。
- ゲームエンジンに関するスキル
- プログラミングに関するスキル
ゲームエンジンとは、ゲームを開発するための統合開発環境やソフトウェアのことです。グラフィック描写やコントローラーの処理といった、ゲーム開発における共通した処理を提供してくれます。こういった基礎的な処理をゲームエンジンが行なってくれるため、初心者でも簡単にゲームを作成可能です。
しかしゲームエンジンだけでは、複雑な処理はこなせません。より手の込んだゲームを作るためには、プログラミングスキルが必要です。
ゲームエンジンで作ったゲームの基礎に、プログラミングで複雑な処理を追加します。そうすることで、基礎的な部分のプログラミングは省きながらも、より高度なゲームを作成できるのです。
おすすめのゲームエンジンやプログラミング言語については、後ほど詳しく解説します。
ゲーム作成に必要なもの
ゲーム作成に耐えられるスペックのパソコンを用意する必要があります。ゲームによって異なりますが、ゲームは処理が多いため通常のプログラミングよりも、ハイスペックなパソコンを用意することがおすすめです。
ゲーム作成におすすめするパソコンのスペックは、以下の通りです。
プロセッサー(CPU):「Intel Core i5」程度以上 (※第8世代以降のモデル)
メモリ(RAM):32GB以上
グラフィックス(GPU):グラフィックスはGeForce RTX 2060
ストレージ(容量):SSDで480GB以上
パソコンのスペックが上がれば上がるほど、価格も高くなります。よりパソコンにお金をかけられるなら、上記よりもハイスペックなパソコンを検討してもよいでしょう。逆に予算オーバーなら、メモリやグラフィックスを妥協してもよいかもしれません。
また、ゲーム作成用の開発環境も用意しておきます。後ほど紹介するゲームエンジンのほかに、イラストを描くツールや3DCGを作成するツールがあると便利です。
プログラミングで作れるゲームの種類
プログラミングで作成できるゲームは、多岐に渡ります。ここではプログラミングで作成できるゲーム、5種類を紹介します。
オンラインゲーム
オンラインゲームとは、インターネット上で動作するゲームです。インターネットブラウザの「Google Chrome」や「Internet Explorer」上でプレイします。
オンラインゲームは、作成後に公開する場所が多いことが特徴です。自分のWebサイトなどに公開して、世界中の人にプレイしてもらえます。安定したインターネット環境さえ揃っていればプレイできるため、ユーザーにとっても手軽にトライできるゲームです。
スマホゲーム
スマホゲームとは、スマートフォンで動作するゲームを指します。スマホアプリとして配信することが一般的です。
スマホゲームを作成する際「Android用」と「iOS用」の2種類のゲームがあります。どちらか1種類だけを作成してもよいですが、学習のためにも2つのOSに対応したアプリを制作することがおすすめです。
スマホアプリは個人であっても、アプリストアにリリースできます。ユーザーにダウンロードされれば収入を得ることもできるので、スマホゲーム完成後はリリースしてみてください。
PCゲーム
PCゲームとは、コンピューター上で動作するゲームです。パソコン上にダウンロードしたうえで、プレイします。
PCゲームはコンシューマーゲームと異なり、ライセンス契約等が必要ないため個人販売に向いています。インターネットが発達した今、個人販売もWeb上で簡単に行えるようになりました。
PCゲームは、OSを意識して開発する必要があります。「Windows」か「Mac」に向けて開発することが多いですが、シェア数の多さから、最初は「Windows」向けに開発することがおすすめです。
コンシューマーゲーム
コンシューマーゲームとは、家庭用ゲーム機で動作するゲームです。コンシューマーゲームが動作する代表的なゲーム機として「任天堂のSwitch」や「SONYのPS4」が挙げられます。
コンシューマーゲームであれば、ゲーム機の性能を取り入れたハイクオリティな作品を開発可能です。しかしゲーム会社とのライセンス契約が必要で、初心者や個人が参画するには難しい分野といえます。
VRゲーム
VRゲームとは「Virtual Reality」、つまり仮想現実世界でプレイするゲームです。ユーザーはVRゴーグルを付けて、ゲームをプレイします。まるで現実世界のような、臨場感を味わえることが特徴です。
VRゲームは、ほかのゲームに比べて歴史が浅いです。これから市場が拡大することが予想されるため、現在注目を集めています。
ゲーム作成におすすめなゲームエンジン
先述したとおり、ゲームエンジンを使用することで簡単にゲームを作成できます。ここではゲーム作成におすすめなゲームエンジンを、2つ紹介します。
Unity
Unity Technologiesが開発・販売しているゲームエンジンです。統合開発環境というソフトウェア開発のための統合的なプログラミング環境を内蔵しているため、Unityだけでゲームを開発できます。
Unityで開発できるゲームは、多岐にわたります。PCゲームやスマホゲーム、コンシューマーゲームやVRゲームなど、多くのコンテンツ開発に対応しています。
Unityのアクティブユーザーは全世界で28億人を超えています。学習教材も揃っているため、初心者でも開発しやすいおすすめのゲームエンジンです。
Unreal Engine
Epic Gamesによって開発されたゲームエンジンです。Unityと並んで、世界的に多くのユーザーに支持されています。略して「UE」と呼ばれることも多いです。
Unreal Engineの得意ジャンルは、3Dのアクションゲームです。シューティングやオープンワールドのテンプレートも豊富に揃っています。
Unreal Enginはゲームに限らず、映画や番組の作成などにも活用されています。実際に、ウォルト・ディズニー・カンパニーの映画製作とテーマパークに利用されています。
ゲーム作成におすすめなプログラミング言語
ゲームエンジンで作成したゲームにプログラムを追加することで、より高度なゲームを作成できます。ただし、ゲームエンジンによって使用できるプログラミング言語は異なるため、注意が必要です。
ここではゲーム作成時におすすめのプログラミング言語を、5つ紹介します。
C#
C#(シーシャープ)とは、マイクロソフトが開発したプログラミング言語です。「オブジェクト指向型」のプログラミング言語に分類され、独立性・再利用性・拡張性が高いことが特徴です。
C#は、ゲームエンジンのUnityで多く使用されます。C#では複雑なプログラムでも高速で処理できるため、より高度なゲーム作成に役立ちます。
しかし学習難易度がやや高めなため、初心者にとってはトライしにくい言語かもしれません。
C++
C++(シープラスプラス)とは、C言語に拡張機能を搭載したプログラミング言語です。「++」が付いていることからも、C言語を進化させたプログラミング言語であることが分かります。
C++は、ゲームエンジンのUnreal Engineで多く使われます。処理能力の速さや汎用性の高さなど、C++の高いパフォーマンスでより複雑なゲームを作成できます。
しかしC++もC#と同じく学習難易度がやや高めなため、初心者がマスターするには時間と労力が必要です。
JavaScript
JavaScript(ジャバスクリプト)とは、Webサイトに動きを加えるためのプログラミング言語です。JavaScriptは、HTML・CSSと合わせてWebサイトの開発に用いられることが多いですが、ゲームを作成することもできます。
JavaScriptは、オンラインゲームの開発に向いています。簡単なものであれば、JavaScriptだけでも充分開発可能です。ほかにもゲームエンジンのUnityと組み合わせて、ゲームを開発することもできます。
JavaScriptは学習難易度が低いプログラミング言語です。比較的簡単に学習できるため、初心者にもおすすめです。
PHP
PHP(ピーエイチピー)とは、Webサーバー上で動作するプログラミング言語です。多くのWeb系開発に用いられていて、世界的にも人気があります。
PHPを使用することで、オンラインゲームを開発できます。ゲームエンジンを用いなくても、PHPで比較的簡単にゲームを作成できるため初心者の学習におすすめです。
PHPは難易度が低いプログラミング言語です。PHPを使用した開発案件も数多くあるため、ゲーム以外も開発したいという方に学習をおすすめします。
Swift
Swift(スウィフト)とは、Apple社が発表しているプログラミング言語です。MacやiOSといった開発に用いられることが多いです。
Swiftを使用することで、iPhone用のアプリを作成できます。統合開発環境「Xcode」を使用すれば開発ができるため、Macユーザーにおすすめのプログラミング言語です。コードもシンプルで簡単なため、初心者の方でも無理なく習得できるでしょう。
ゲーム作成に必要なプログラミング言語を学ぶ方法
高度なゲームを作成するには、プログラミング言語の使用が欠かせません。ここでは、ゲーム作成時に必要な、プログラミング言語を学ぶ方法を紹介します。
独学で学習する
参考書やYouTubeなどの動画サイトを活用することで、独学でもプログラミングの学習が可能です。
独学の特徴は、以下のとおりです。
- 学習費用が少ない
- 自分のペースで学習できる
- 疑問を解決するのに労力が必要
- 挫折する可能性が高い
独学の場合、参考書代として数千円程度支払えばプログラミングを学習できます。さらに動画サイトや無料の学習サイトを使用すれば、無料でプログラミング学習することも可能なのです。そして学習ペースも、自分が好きなように進められます。
ただし、独学であれば疑問を自分で解決しなければいけません。初心者が疑問点を自力で解決することは難しく、そこでつまずいて挫折する可能性も高いです。
プログラミングスクールに通う
プログラミングスクールに通うことで、プロの講師に教わりながらプログラミング学習が可能です。
プログラミングスクールの特徴は、以下のとおりです。
- 短期間で実践的な内容が学べる
- スケジュールを柔軟に設定できる
- プログラミングをマスターするには自主学習が必要
プログラミングスクールであれば、カリキュラムに沿って実践的な内容を短期間で学習できます。集中して学習できるため、中だるみする可能性が低いです。また「土日に集中学習する」や「平日夕方から学習する」など、スケジュールを柔軟に設定できて社会人でも無理なくプログラミングを学べます。
しかしプログラミングスクールは短期間でカリキュラムが組まれているため、プログラミングをマスターするには自主学習が必要です。予習・復習をして、積極的にアウトプットすることで確実にプログラミングを身に付けられます。
専門学校に通う
プログラミング専門学校に通うことで、基礎知識から実践的な内容までじっくりとプログラミングスキルを身に付けられます。
専門学校の特徴は、以下のとおりです。
- 基礎知識から実践的な内容まで、じっくりと時間をかけて学べる
- 就職支援など卒業後の進路を相談できる
- 時間と費用が必要
専門学校に通うことで、数年間かけてじっくりとプログラミングを学べます。またIT企業との独自のパイプを持っていることもあり、卒業後の進路を支援してもらえることも多いです。
しかし専門学校に通うには、ほかの学習方法に比べて時間と費用が必要です。数年間、数十万~数百万ほどかかる場合も多く、時間も費用も余裕がある人しかできない学習方法かもしれません。
プログラミング未経験者がゲーム作成時に注意すること
プログラミング未経験者がゲームを作成する際、注意するべきポイントは4つあります。
最初は難しいゲームを作ろうとしない
最初から高度なゲームを作成しようとすると、挫折してしまう可能性があります。最初はゲームエンジン・プログラミングを学ぶことと割り切って、簡単なものから作成することがおすすめです。
もしくは作成したいゲームを何段階にも分けて、自分のスキルと共にアップデートしていくとよいでしょう。自分のスキルアップが感じられるため、モチベーションを保つことができます。
著作権に注意して作成する
著作権侵害をしないように注意する必要があります。ゲームの素材やボイスなど、他人が著作権を持っているものは使用してはいけません。もし著作権侵害したゲームを発表すると、訴えられる可能性があります。
自分で素材を作成するのが難しい場合は、著作権フリーのものを使用したり、ライセンス料金を支払ったりと対策が必要です。
まずは作成することに集中する
最初はゲーム作成に集中しましょう。ボイスやグラフィックなどにこだわりたい、その気持ちも分かりますがとにかく1つ作品を完成させることが重要です。
基本的な動作をする、通常のプレーではエラーが起きない、そこまでは必要最低限の素材で作ってみましょう。素材のアップデートは、ゲーム完成後にいつでも行えます。
疑問を1人で解決しようとしない
初心者がゲームを作成する際、様々な疑問点が湧いてくると思います。そんなときは無理に自分だけで解決しようとせず、ほかの人を頼ることも手です。
自分だけで疑問を解決すると時間がかかる、もしくは解決できずにゲーム作成を挫折してしまう可能性があります。例えばオンラインの勉強会に参加したり、プログラミングスクールで講師に質問したり、疑問を解決する方法はたくさんあります。
まとめ
ゲームを作成するには、ゲームエンジンスキルとプログラミングスキルが必要です。ゲームエンジンとはゲーム作成に必要なパッケージが用意された、統合開発環境やソフトウェアを指します。ゲームエンジンだけでもゲームは作成できますが、より高度なゲームを求めるならばプログラミングスキルは必須です。
ゲーム作成に必要なプログラミングスキルは、独学での学習・プログラミングスクールに通う・専門学校に通う、の3つの方法で習得できます。それぞれメリット・デメリットがあるため、自分にあった方法を選んでみてください。