「最近、プログラミングでミスばかり・・・。」
「プログラミングに適したフォントを選ぶポイントは?」
「おすすめのフォントは?」
プログラミングの学習を始めたばかりの方で、このような悩みを持っていないでしょうか?
私もプログラミングを始めたばかりの頃は、入力した文字が同じように見えてミスばかりしていました。入力したプログラミングコードを見返した時、見分けがつかない文字はありますよね。
結論を言えば、自分が見やすいフォントを見つければ問題はほとんど解決できます。
本記事では、以下の内容を扱っています。
- プログラミングフォントとは?
- プログラミングに適したフォントを選ぶ4つのポイント
- おすすめのフォント
- フォントにこだわる以外にミスを減らす方法
仕事の効率を上げるため、ぜひ内容を参考にしていただければ幸いです。
プログラミングフォントとは?
「そもそも、プログラミングフォントって何?」という方もいるかと思います。
そこで、ここではフォントとは何か・なぜプログラミングフォントを利用するのかについて解説します。
フォントとは
フォントとは、ある特定の表示形式を持つ文字のまとまりのことを指します。例えば、「明朝体」や「ゴシック体」などは聞いたことがあるのではないでしょうか。
厳密には、これら「明朝体」や「ゴシック体」などは”書体”と呼ばれ、この書体を印刷や表現するための手段としてのデータファイルのことを”フォント”と言います。しかし、コンピュータ上ではこれらを同じ意味で使うことが多いので、書体とフォントは同じものと考えて支障はないでしょう。
フォントによってその文字から受け取る印象が変わったり、読みやすさが上がったりするので、デザインの現場でよく使われます。そのため、デザイン性の高いフォントは、商品として売られていることもあります。
プログラミングフォントを利用するメリット
では、プログラミングをするためになぜフォントを意識する必要があるのでしょうか。
その主な理由を紹介します。
ミスに気づきやすくなる
プログラミングでは、少しでもミスがあるとすぐにエラーが起きてしまいます。そのため、ミスを減らす工夫は大切です。
フォントによっては、文字が判別しにくいものがあります。これらのフォントを使用していることは、ミスが増える原因にもなります。文字の判別がしやすいフォントを選ぶことが、ミスを減らすことにつながるのです。
読みやすくなる
プログラミングは文字の記述です。また、プログラミングでは、エラーの原因を探ったり、新たなプログラムを作成したりするために過去の記述を振り返ることがあります。そのため、文字が読みやすいに越したことはありません。
可読性の高いフォントを使うことで、効率よくプログラミンができるのです。
プログラミングに最適なフォントを選ぶポイント4つ
プログラミングのフォントに何を使うかの正解はありません。
とにかく、自分が見やすくて作業しやすいフォントを選ぶことが大切です。
ただ、何も情報がない状態で多くの種類の中からフォントを選ぶのは大変でしょう。
そこで、プログラミングに最適なフォントを選ぶポイントを4つ厳選して紹介していきます。
【ポイント1】似たような文字と混同しないかどうか
フォントの中には、「文字や記号、数字」の見分けが非常に難しくミスにつながってしまうものがあります。プログラミングコードが1文字でも間違っていると正常に動きませんし、中々ミスを発見できないと作業効率が下がってしまいます。
例えば、以下のような文字は見分けがつけづらく間違いにつながりやすいです。
- 数字の「1」、英語の小文字「l」と大文字「I」の区別とShiftキーを押しながら¥を押して入力できるパイプ記号「|」
- 数字の「0」と英語の「o」
- 「t」と「+」
- カタカナの「エ」と漢字の「工」
などのように、よく見れば判別できなくはないのですが、一見すると見分けるのが難しい文字があります。
ミスがあればその分だけ修正に時間がかかるので、フォントを選ぶ際には似たような文字と混同せず、しっかりと見分けが可能なものを選ぶようにしましょう。
【ポイント2】全ての文字幅が一定の等幅フォントを選ぶ
フォントを選ぶ際は、文字幅が一定の「等幅フォント」を選ぶようにしましょう。
文字幅が違うと行頭や行間がバラバラになり、プログラミングコードが読みづらく可読性が低下します。
文字によって自動的に文字の大きさが調整される「プロポーショナルフォント」は、コードが見づらくプログラミングには向かないので使用はおすすめしません。
等幅フォントを使用すれば、きれいに文字がそろい可読性が向上してミスが起りづらくなります。
【ポイント3】文字が見やすいかどうか
フォント中にはおしゃれな装飾をして、インパクトを重視しているものもあります。
装飾が多いことで、文字をしっかり認識できずにミスをしてしまう場合が多いです。
- 線は適度な太さか
- 表示される文字の明るさは適切か
- 装飾は多すぎないか
フォントは可能な限り、シンプルではっきりと文字を認識できるものを選びましょう。
【ポイント4】日本語にも対応している
フォントを選ぶ時は日本語にも対応しているかを確認しましょう。
システム開発の現場では、プログラミングコード以外で日本語を入力する機会も多いです。
例えば、コード内へのコメント追加や、設計書などの資料作成、テストなど。
プログラミングは半角の英数字で入力しますが、日本語の入力も必要です。
プログラマーの主な仕事はコディングですが、それ以外の業務でもミスを少なくして効率を上げることを意識しましょう。
【日本語対応】プログラミングにおすすめのフォントを紹介
これまで紹介したポイントを踏まえて、プログラミングにおすすめのフォントを紹介します。説明を読むだけではなく、実際に自分の目でフォントを見て合うかどうかを判断しましょう。
見やすいフォントを見つけ、効率的な作業につなげていただければ幸いです。
原ノ角ゴシック Code JP(Source Han Code JP)
原ノ角ゴシック Code JPはプログラミング向けに開発された、日本語対応の等幅フォントです。
英字や記号は、文字の形が分かりやすい「Source Code Pro」、日本語の部分は文字バランスが良い「原ノ角ゴシック」を用いているので非常に使いやすいです。
プログラミングコード内にコメントを打つ時やHTMLコーディングにはとくに最適で、多くのプログラマ―やフロントエンジニアが使用しています。
フォントの太さを示す「ウェイト」が7種類も揃っているので、見やすさに合わせて調整も可能です。
Ricty
Rictyは「Linux環境」に適したプログラミング専用の日本語対応フォントで、文字が非常に見やすいのが特徴です。
先に説明した、「l」や「O」など形が似た文字の見分けも容易にでき、他の文字と混同しないように工夫されています。
他の文字コードが拡張可能である、基本的なプログラミングフォント「ASCII(アスキー)」を使用しているので、幅広い環境で使えるのが特徴です。
白源
白源は文字幅(半角1、全角2)の等幅フォントで、文字は力強くしっかりして読みやすいのが特徴です。
全角スペースを表示して見えるようにしたり、調音記号の「ー」と漢数字の「一」を見分けがつくようにするなど、可読性を向上させる工夫が多くプログラミングには最適です。
VLゴシックフォント
VLゴシックフォントは、「M+ OUTLINE FONTS」と「さざなみゴシック」の合成フォントです。
英数字・かな・教育漢字など約4,800文字に対応したフォントで、さざなみゴシックは常用漢字を中心に日本語2500文字の部分に変更を加えて制作したものを使用しています。
Windows、Mac、Linuxなど比較的幅広く利用できることが特徴です。
Myrica
プログラミングに特化したフォントで、複数のフォントデータを統合してより可読性を向上させている特徴があります。
文字自体もベースとしているフォントである「Inconsolata」の読みやすさをしっかり引き継いでいるので使いやすいでしょう。
また、ディスプレイの解像度に合わせて、文字の表示を見やすく調整する仕組みがあり幅広いシーンで活用できます。
Fira Code
Fira Codeは文字幅が等しい等幅フォントで、コード全体を見やすくできるのが特徴です。
プログラミング専用のフォントで、文字を組わせて短縮して表示する合字(リガチャー)を使用することで、とくに関係演算子や論理演算子が見やすいように設計されています。
また、オープンソースなので無償で利用目的を問わずに使用できるのもメリットです。
Cica
Cicaは、開発者がプログラミング用に作成したと発言しているほど、コーディングに向いているフォントになります。
日本語対応の等幅フォントで、数字がとても見やすく、日本語と英語の違いも一目で分かります。プログラミングに最適なフォントを使用することで、プログラミングの効率化を図れます。
Osaka
Osakaは、MacOSには標準搭載されています。
文字の開きが大きいので、とても可読性が高い一方で、とてもお洒落な見た目をしています。Windowsユーザーでもダウンロードすれば使うことができます。
ちなみに、Osakaの名前の由来は大阪で、ジョブスがそれぞれの国の都市名から採用したことに起源があるようです。
Nasuフォント
Nasuフォントは、濁音と半濁音の判別が分かりやすいフォントです。似た文字等の判別がとてもしやすいので、ミスを減らすことが期待されます。
このフォントは、「源ノ角ゴシック」を改変して作成され、判別性は高くなったものの、太さが2種類しかないことには注意が必要です。
ちなみに、名前の由来は戦国武将の那須与一からきていると言われています。
ゆたぽん
プログラミングをしている際に紛らわしい文字である「O」と「0」等の判別がとてもしやすくなっています。
また、日本語を使用していると半角スペースのところを全角スペースで、記述してしまうこともあるでしょう。これらの違いが分かりやすくなっているので、このミスを減らすことができることが期待されます。
プログラミングのフォントにこだわる以外にミスを減らす方法
これまでお伝えしたように、自分に合ったプログラミングのフォントを選ぶことは大切です。ただし人間の目は完璧ではありませんので、それでもミスをする場合はあるでしょう。
ここでは、プログラミングのミスをさらに減らして、効率良く業務を進める方法をお伝えします。
参考にしていただければ、さらにミスが減り効果を実感していただけるでしょう。
エディタにこだわる
フォントにこだわる以外にミスを減らす方法の1つは、プログラミングを入力するエディタソフトを変えてみること。
スペルミスや文法ミスがあると精度よく指摘してくれるエディタがあり非常に便利です。
また、コードの自動補完や予測変換でもミスを防ぐことができるので、選ぶ際の参考にしましょう。
エディタソフトに関しては、こちらの記事を参考にしてみてください。
細かめにレビューをしてもらう
レビューとは簡単に言うと、自分の書いたプログラミングコードに対してフィードバックをもらうことです。
プロジェクトによってレビューをするタイミングが決められている場合がありますが、それ以外でもお願いすれば、問題なく対応してくれるでしょう。
第三者のチェックなので、自分では発見できなかったミスに気づく場合が多いです。
早い段階でミスを発見すればするほど、後から大幅な修正が発生するリスクが減ります。
まとめ
プログラミングのフォント1つにこだわるだけでも、ミスは減り確実に業務効率はアップします。本記事で説明した以下4つのポイントを意識して、自分が見やすいフォントを選んでみてください。
- 似たような文字と混同しないか
- 文字幅が一定のフォントを選ぶ
- 文字が見やすいかどうか
- 日本語にも対応している
コーディングに1つでもミスがあるとシステムは正常に動作せず、修正に余計な時間がかかかります。
プログラマーはいかに効率よく納期までに仕事を完了できるかが重要なので、フォントだからと軽視せずにしっかりと選びましょう。