近年IT化が進んだことで、プログラミングに興味を持つ方やプログラミングの知識が必要だと感じる方が増加しています。
一方で、「数学が苦手だからプログラミングは自分には向いてない」「プログラミングの参考書を買ってみたが、難しいからやめた」などの声をよく耳にします。
しかしプログラミングは、一部の才能のある人にしかできないような難しいものではありません。
ここでは、なぜプログラミングを難しく感じてしまうのかを説明し、実際のプログラミングはどのようなものかを紹介します。
プログラミングを正しく理解することで、プログラミング=難しいというイメージを払しょくし、プログラミング学習の第一歩を踏み出しましょう。
プログラミングが難しいと感じる理由
まずは、なぜプログラミングを難しいと感じてしまうのか、その原因を明らかにすることが大切です。
スポーツや楽器を上達させるとき、自分のできないところや苦手なところを明らかにして、そこを練習するはずです。
同じように、どうして自分がプログラミングを難しいと感じるのかを明らかにし、プログラミングを学ぶために自分はどうするべきかを考えていきましょう。
高度な知識が必要という誤解
プログラミングには、数学の知識や高度な専門知識が必要といったイメージがついています。
そのため、プログラミングをやったことのない方や数学が苦手な方は、プログラミングが難しいだろうと考えてしまいます。
しかし、これらのイメージは正しくないことが多いです。
なぜなら、一部の仕事を除けば数学の知識や高度な専門知識がなくてもできる仕事がほとんどですし、文系でプログラマーやエンジニアになる方も多いからです。
このイメージで、自分にはプログラミングは難しいと判断して学習を始められずにいた方は、実際にプログラミングを始めてみましょう。
プログラミング言語の種類が多い
プログラミングを学び始めるときに、最初に困るのがどのプログラミング言語を選ぶかだと思います。
プログラミング言語は200種類以上あるといわれ、初心者におすすめのプログラミング言語で調べても、10種類以上の言語が紹介されることが多いです。
選択肢の多さは、その分野を難しいと感じる原因となります。
例えば、あなたは何か資格を取ろうと思って、本屋さんでどの資格にしようか、複数の参考書を見比べているとします。
しかし、見ているうちにどれも自分には難しいと感じてきて、結局資格はあきらめたというような経験をしたことはありませんか?
これと同じで、言語の種類の多さはプログラミングを始めたい人に対してプログラミングを難しいものだと感じさせ、始めづらくしているでしょう。
逆に、プログラミングで何をしたいかを決めている人は、それに合わせてプログラミング言語を選べます。
このため、プログラミング言語選びで悩んでいる方は、まずプログラミングで何をしたいかを決めるべきだと思います。
また、それでも困ってしまうという方は、プログラミング言語はそれぞれ共通しているところもあるので、この後紹介する言語から一つ選んで、とりあえず始めてみることをおすすめします。
大量のエラーに心が折れる
みなさんの中に、プログラミングは黒い画面にひたすら文字をタイピングすることと思っている方はいませんか?
この印象は間違いではないです。
しかし、この印象だけ持っている人は実際プログラミングを始めて、大量のエラーがでたときにプログラミングは難しいと感じるでしょう。
プログラミングは、大量のエラーの処理と分からないことは自分で調べて対処するという地味な作業が必要です。
プログラミング歴が長い人でもエラーは発生しますし、エラー処理のために一度立ち止まって、ネットで調べたり他のエンジニアに聞いたりしています。
ましてや初心者の方だと、画面に文字を打ち込む作業よりもエラー処理の作業時間のほうが長くなるということも当たり前にあります。
このため、プログラミングを始める際は、大量のエラーが出ることは当たり前で、自分で調べながら対処していけばよいという認識を持ちましょう。
短期間で身に付くと思われている
「数か月でエンジニアになれました!」や「独学でプログラマになれました」というような声をよく耳にするようになりました。
このため、誰でも短期間でプログラミングスキルを習得できると考えられ、勉強してもプログラミングが上達しない方はプログラミングを難しく感じてしまいます。
たしかに短期間でプログラミングスキルを身に付けることはできます。
しかし、だからと言って全員が短期間でプログラミングを身に付けられると思ってはいけません。
短期間で仕事ができる程度のプログラミングスキルを身に付けられる人は、プログラミング学習にかけられる時間が長かったり、スクールに通って現役エンジニアの助けを得たりしているはずです。
また、小さいころからパソコンに触れてきたり、暗記の効率がよくてプログラミング言語の覚えが早いことも影響してるでしょう。
しかし、プログラミングはインプットとアウトプットを繰り返しながら、勉強することで必ず身に付けられます。
どんなに時間がかかっても、自分にはプログラミングは難しいとあきらめないでください。
それでももし、自分がプログラミングに向いているのか、勉強法は正しいのかなど不安に感じる点がある場合は、プログラミングスクールの無料のカウンセリングや無料体験を受けるといいでしょう。
自分のレベルに合ってない言語を勉強している
プログラミング言語の種類が多いことは紹介しましたが、その中でも難易度がそれぞれ違います。
難易度は、プログラミング言語の知識が複雑になることやプログラミングをするための新たな環境構築が必要になるかなどで判断されます。
このため、初心者がいきなり難易度の高い言語を勉強しようとすると、プログラミングの知識が浅いために理解できず、プログラミングを難しいと感じるでしょう。
また、参考書でプログラミングを独学しようと考える方は、難易度の高い言語に挑戦すると、教えてくれる相手がいないために参考書は読むけど手は動かせないという状態に陥りやすいです。
まずは難易度の低い言語でプログラミングの知識をつけるか、自分の学びたい言語に詳しい人にいつでも聞ける状態を作りましょう。
プログラミングの理解が大切
プログラミングを難しいと感じる理由を紹介しましたが、これらの多くはプログラミングを正しく理解していないことが原因です。
これは逆にいえば、正しく理解することで、プログラミングを始める心理的ハードルを下げることができるということです。
そこで、皆さんにプログラミングは気軽に始められると感じてもらえるように、プログラミングは実際どういうもので、どのような能力が必要なのかを紹介していこうと思います。
プログラミングとは何かを知ろう
プログラミングはまずひたすらタイピングして、うまくいかない場合は自分一人でどこがエラーで、どう直すかを考えなければならないと思っていませんか?
しかしプログラミングをするときは、学校の試験と違って自分で分からないところはネットや本を使って調べることができます。
エラーが発生した時も、どこの部分が間違っているのかは表示されるので、そこをネットや本で調べれば解決できます。
また、プログラミング言語に関する知識をすべて詰め込むのは厳しいため、多くの人は開発などの実務をこなしていく際に調べて、その都度必要となる知識を身に着けていきます。
つまり、未経験者も初心者もベテランも自分ひとりの力でプログラミングをする必要はなく、プログラミングを完璧にしなくても、調べながらで仕事はやり遂げられるのです。
プログラミングに必要な能力
論理的思考能力
論理的思考能力とは、様々な情報を取捨選択して、それを自分で筋道立てる能力のことです。
プログラミングはプログラムの完成に向け、自分で必要な処理を選び、組み合わせていく作業です。
そのため、プログラミングを行うプログラマーやエンジニアには論理的思考能力が必要となるのです。
また、この能力は数学的な考え方に似ており、数学が得意な人はこの能力が高いことが多いです。
そのため、プログラミングは理系の分野だと勘違いされやすいですが、実際はプログラミングに数学の知識が必須というわけでなく、文系でもプログラミングはできるので安心してください(分野によって数学的知識が必要な場合もあります)。
英語力
英語力といっても、複雑な文法の知識や長文を速く読む力ではなく、簡単な単語力のことです。
プログラミング言語の中には、英単語の意味と同じ意味で使われている言葉があります。
また、エラーが発生したときに出てくるエラーについての表示も英語のことが多いです。
このため、プログラミングをやるうえで、英語力があるとプログラミング言語が覚えやすく、エラーの対処も早くなります。
しかし、プログラミング用の英単語帳などはないのでこれといった学習法もないので、プログラミングを実際にやっている間に出てきた単語を覚えていきましょう。
粘り強さ・継続する力
プログラミングは、大量のエラーを処理することが必要という説明をしました。
また、プログラミングの技術は日々新しくなっていくために、自分で勉強し続けなければいけません。
そのために、プログラミング学習者にはエラーを処理し続ける粘り強さと、プログラミングが仕事になってからもプログラミングを学習し続ける継続力が必要です。
この2つの能力は他の能力よりも軽視されやすい能力ですが、エラーの多さに挫折したり、学習する意欲を失ったりしてプログラミングをあきらめる人は多いです。
皆さんは、この2つの能力を意識してプログラミング学習を進めてください。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は、プログラミングには直接関係しませんが、プログラミングを使った仕事には必要となります。
プログラマーやエンジニアは、一人で黙々とプログラミングをするイメージですが、じつはそうではありません。
プログラマーやエンジニアは、依頼人の要望通りにプログラムを完成させる必要があるため、依頼人とのコミュニ―ケーションは欠かせません。
また、大きな案件になると、プログラマーやエンジニア同士でチームを組むことがありますので、チーム内でのコミュニケーションは必須です。
このように、プログラミングを使う職業に就くと、コミュニケーション能力が必要となります。
初心者におすすめの言語と勉強法
プログラミングの理解が深まったところで、実際にプログラミングを始めたいと思った方もいるのではないでしょうか?
そこでここでは、初心者におすすめの言語と勉強法を紹介します。
プログラミングを始める際の参考にしてください。
おすすめの言語
ここでは、初心者におすすめの学習しやすい言語を紹介します。
その言語で何ができるのか、どんな仕事で使われているのかも紹介しますので、自分の目標を達成するための参考にしてください。
HTML/CSS
HTMLとCSSは厳密にいうとプログラミング言語では無く、HTMLはマークアップ言語で、CSSはスタイルシート言語と呼ばれます。しかし、両方ともプログラミング言語として扱われることも多いので紹介します。
HTMLはどこを見出しにするかやどこを段落にするかなどの、webサイトの骨組みを作る言語です。
CSSは文字や背景の色、要素のレイアウトなどを変更する言語で、webサイトの装飾を担当しています。
HTMLとCSSはwebサイト制作には欠かせない言語で、webサイトの我々が普段見ている部分を作ります。
そのため、よりよいwebサイトを作るためにデザインなどの勉強も必要となり、少し初心者には難しい印象を持たれますが、HTMLとCSS自体は非常に学習しやすい言語です。
また、この言語は他の言語とも関係しているので、この言語を学べば他の言語も学習しやすくなるでしょう。
webデザイナーやwebコーダーにはHTMLとCSSの知識が必要です
Python
Pythonは、Googleなどのwebサービスや人工知能の分野、機械学習の開発に用いられるプログラミング言語です。
日本では求人数はまだ多くは無いのですが、今注目の言語の一つです。
コード量が少なく、文法も簡単で開発ソフトも豊富なため、他の言語と比べると初心者でも学びやすい言語となっています。
またPythonの参考書やPythonが学べるサイトもあるので、独学でも学びやすい環境が用意されています。
しかし、AIや機械学習をPythonで扱うときは数学的な知識が必要となることもあるので注意してください。
Pythonを使う職業にはAIエンジニアやデータサイエンティストがあります。
Ruby
Rubyは日本生まれのプログラミング言語で、日本語のドキュメントも豊富なので、日本人には学びやすい言語でしょう。
また他の言語と比べて、文法が簡単で書くコード量も少ないので、初心者でも覚えやすくてミスも起きにくいです。
さらに、Ruby on Railsというフレームワークを使うことで、簡単にwebアプリを開発することができます。
Rubyは開発スピードや安定性に優れているため、インフラ・システム開発でも採用されています。
Rubyを身に付けることで、webサイトの作成や機械学習の開発もできるようになります。
JavaScript
JavaScriptを身に付けることで、HTMLとCSSだけでは作成できない動きのあるwebサイトを作れます。
例えば、HTMLとCSSだけでは写真がそのまま表示されるところが、JavaScriptを使うとその写真をスライドさせることができたりします。
JavaScriptは人気が高いので、求人数が多いのが特徴です。
また、学ぶ手段もたくさんあるので初心者でも始めやすい言語といえます。
JavaScriptを使う職業には、webサイトのフロントエンドエンジニアやアプリケーションエンジニアがあります。
おすすめの勉強法
プログラミングを実際に始めようとしている方もいると思いますが、プログラミングを学習する方法は色々あります。
そこで、ここでは初心者におすすめの学習方法を紹介します。
参考書
参考書は、初心者向けから経験者向けまでのレベル別や言語などの種類別に色々なものが販売されているのが特徴です。
また、参考書は手元にあればいつでも勉強できますし、図解やイラストが多いものであれば、プログラムの完成の手順なども詳しく載っていることが多いので分かりやすいです。
このため、独学で本格的にプログラミングを始めたい方やプログラミングに割ける時間が少ない方におすすめです。
参考書はプログラミングを学ぶ方法の中でも気軽に始められる方なので、初心者の方には図解やイラストの多い参考書を使って学習するのがおすすめです。
プログラミングスクール
プログラミングスクールでは、現役エンジニアとやり取りができるので、質問ができたり、プログラミングが実務ではどう使われるかを聞いたりできます。
また、教材が準備されゴールも決められているため、独学よりもモチベーションを保ちやすいです。
さらに、就職や転職をサポートしてくれるスクールもあるので、スクールで得た知識を仕事につなげられます。
このため、独学では自分のプログラミングに自信が持てない方やなりたい職業が決まっている方にはおすすめです。
学習サイト
学習サイトには有料のものもありますが、無料で使えるサイトや一部は無料で使えるサイトもあります。
このため、プログラミングを学ぶ方法の中でも気軽に始められる勉強法です。
また、色々なプログラミング言語の学習サイトが用意されているので、気になる言語を少し無料で試してから言語を選んでもいいでしょう。
まだプログラミングをやったことのない方や気になる言語がある方にはおすすめです。
以下は初心者におすすめの学習サイトです。
Progate
Progateはプログラミング初心者でもプログラミングの基礎を身に着けられる学習サイトです。
スライド学習を採用しているので、自分のペースで学習でき、復習しやすいのが特徴です。
また、HTML・CSSやJavaScriptなどのたくさんのプログラミング言語のレッスンが用意されていて、ブラウザ上でコードを書いて確認もできるので環境構築なしでそれらをすぐに受講できます。
すべてが無料というわけではないですが、無料のレッスンもあるので、それでProgateが自分に合っているかを確かめてみてはいかがでしょうか。
ホームページ:Progate
ドットインストール
ドットインストールは、3分以内の授業動画を見てプログラミングが学べる学習サイトです。
このため、電車での通勤時間などの隙間時間に動画を見て学べるので、普段仕事や学校で忙しい方にはおすすめです。
こちらも、初心者用の入門のコースや目標に合わせたプログラミング言語のコースなどの様々なコースが用意されています。
すべてが無料で受けられるわけではないですが、無料のコースもあるため、興味を持った方はぜひ試してみてください。
ホームページ:ドットインストール
まとめ
今回はプログラミングを難しいと感じる理由を紹介し、実際のプログラミングがどういうものかについて説明してきました。
プログラミングを難しいと感じるときは、プログラミングを正しく理解していないことが多いです。
プログラミングを正しく理解して、自分に合ったプログラミング言語や勉強の仕方を選ぶことができれば、プログラミングは学習しやすいと思います。
この記事を参考にぜひプログラミング学習を始めてみてください。
本記事が、皆さんのプログラミング学習の第一歩を手助けになれば幸いです。