働き方が自由になってきている今「副業エンジニアになって収入を増やしたい」そのように考える人も多いのではないでしょうか。しかし「未経験でもなれるの?」や「どうやって案件を見つけるの?」など疑問が多くて踏み切れない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、未経験から副業エンジニアになる方法を紹介しています。ほかにも副業の探し方や副業エンジニアのメリット・デメリットについても解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
副業エンジニアとは?
そもそも副業エンジニアとは何か、専業エンジニアやフリーランスとの違い、案件例について解説します。
専業エンジニアやフリーランスエンジニアとの違い
副業エンジニアと専業エンジニア、フリーランスエンジニアには働き方に明確な違いがあります。
副業エンジニアとは会社に属しながらも、本業以外の仕事で収入を得るエンジニアを指します。副業は兼業・サイドビジネスとも呼ばれ、雇用形態は業務委託やアルバイトなど様々です。副業解禁の流れが進む中、副業エンジニアの数も増えています。
専業エンジニアとは、エンジニア業を専門とするエンジニアを指します。基本的に会社に所属していて、会社から与えられた仕事をこなします。
フリーランスとは、会社に一切所属せず自分自身の能力で仕事をこなすエンジニアを指します。自由に働ける一方、仕事を獲得できなければ収入を得られません。
副業エンジニアと専業エンジニアの違いは、自分で仕事を探す必要があるかどうかです。専業エンジニアとフリーランスの違いは、企業に属しているかどうかです。このように副業エンジニアは企業に属しながら自分で仕事を探すため、専業エンジニアとフリーランスのどちらの特徴も持つ働き方となっています。
副業エンジニアの案件例
副業エンジニアはどのような案件をこなすのでしょうか。ここでは副業エンジニアの、案件例を4つ紹介します。
Webシステムのコーディング
Webシステムとは、Web上で動作するアプリケーションを動かすために必要なシステムです。このWebシステムをコーディング、つまりプログラムする仕事です。
Webシステムのコーディング案件は、複雑に入り組んだロジックを組む必要があります。高度なスキルが求められるため、高単価である場合が多いです。そのため、エンジニアとしてある程度のスキルや知識が身についてから、案件を受注することをおすすめします。
Webアプリの開発
WebアプリとはYouTubeやGmailといった、Web上で動作するアプリケーションです。
Webアプリの案件単価は「30万円~100万円」ほどと、アプリの規模によって異なります。基本的にはアプリの規模が大きくなればなるほど、高単価になることが多いです。
Webアプリ開発では、自作のアプリをリリースする稼ぎ方もあります。アプリを作成して公開して、広告料やアプリ内課金から利益を得ます。継続的に利益を得られるため、うまくいけば莫大な金額を稼ぐことも可能です。
ランディングページやホームページの構築
ランディングページやホームページ作りは、難易度も低く副業初心者にもおすすめです。
ランディングページとは、商品やサービスの購入や問い合わせに特化したWebページを指します。案件相場は「1万円~10万円」ほどと、幅広いです。
ホームページとは、Webページの集合体を指します。ランディングページよりも作成しなければならないWebページが多く、案件単価も高くなります。初心者でも1件当たり「5万~30万円」稼ぐことも可能で、人気の副業です。
IT関連のライティング
ITに関するライティングで稼ぐ方法もあります。ライティングは紙媒体とWeb媒体に分けられますが、副業の場合Webライティングの案件が多いです。
ライティングの内容は、プログラミング初心者向けの内容からITの最新事情の解説など様々です。報酬帯も「1文字1円」や「1記事3万円」など幅広く、副業でも月に5万円ほど稼ぐこともできます。コーディングをする必要がないためエンジニア色は弱めですが、ITに関する知識をアウトプットできるため人気の副業です。
副業エンジニアのメリット・デメリット
副業エンジニアにはメリット・デメリットがあります。いい面も悪い面も納得したうえで、副業エンジニアを始めるようにしましょう。
ここでは、副業エンジニアのメリット・デメリットを解説します。
副業エンジニアのメリット
副業エンジニアのメリットを6つ解説します。
案件数が豊富
エンジニア向けの副業は、ほかの副業と比べても案件数が豊富です。
デジタル化が進みエンジニア不足が問題視されている今、自社のエンジニアだけでは人手が足りない企業は多くあります。そのため案件を外注していることも多く、比較的簡単に案件を見つけられます。
またインターネットの普及とともに、案件も比較的簡単に見つけられるようになっています。副業エンジニアが案件を探す方法は、後ほど詳しく解説します。
案件の単価が高い
エンジニア向けの副業の案件の単価は、高めに設定されている場合が多いです。
副業エンジニアの案件は、プログラミングを扱うものがほとんどです。プログラミングは誰にでもできるわけではなく、スキルを持った人でなければこなせません。そのため単価が高く、副業であってもしっかりと稼ぐことが可能です。
完全リモートの案件が多い
副業エンジニアの仕事は、完全リモートで受けられる案件が多いです。自宅から仕事をすることができるため、貴重な時間を無駄にせずにすみます。
また、リモートであれば他人の目を気にせず自由に働けます。「本業では人間関係に気を使っているから、副業では自由にしたい」という人にも、副業エンジニアはおすすめです。
土日稼働でも受けられる案件が多い
エンジニアの副業は、土日稼働だけでも受けられるものが多いです。
例えばランディングページの作成であれば、1日だけでも十分完成させられます。ほかにも自作のWebアプリであれば、時間を気にせずマイペースに作成可能です。
「副業は土日のどちらかにして他の日はしっかりと休む」というように、稼働時間を決めることでメリハリをつけた生活を送ることもできます。このように副業エンジニアであっても、ライフワークバランスを形成することが可能です。
人脈が広がる
副業エンジニアとして働くことで、会社以外の人との繋がりができます。また様々な案件を通して、人脈を広げることも可能です。
人脈を広げることで、キャリア形成に大きなメリットがあります。例えば今いる会社を転職するとなった際に、形成した人脈の中から声がかかるかもしれません。
ほかにも会社外の人と関わることで新たなアイディアが生まれ、本業がうまくいく可能性もあります。それによって評価があがり、キャリアアップへと繋がることも考えられるのです。
同じ会社の人ばかりと触れ合っていると、様々なチャンスを逃す可能性があります。社外の人脈作りで、キャリアが良い方向へ動き出すことも副業エンジニアとして働くメリットです。
フリーランスエンジニアを目指せる
副業エンジニアを続けることで、フリーランスエンジニアを目指すことも可能です。
副業エンジニアとして何件も案件を受けていると、スキルが向上していきます。作業スピードが速くなったり、請け負える範囲が広がったり、副業を始めた頃とは比べ物にならないほどエンジニアとして成長できます。
そしてスキルが上がれば、報酬も増えていきます。報酬が増えてから独立すれば、安定した収入を持ったままフリーランスエンジニアになることが可能です。そのためフリーランスエンジニアを目指す人は、副業エンジニアから始めるのも一つの手です。
副業エンジニアのデメリット
副業エンジニアのデメリット4つを紹介します。
自由な時間が減る
副業エンジニアとして活動することで、プライベートの自由時間が減ります。
会社に属しながら副業する場合、稼働時間は会社の就業後か休日に限られてしまいます。そうすると、今まで休めていた時間が減ってしまうのです。
自由な時間があまりにも不足していると、心身共に不調をきたす恐れもあります。副業と本業、自由な時間の配分を考えて、ワークライフバランスを実現させることが副業のポイントです。
体調管理が大変になる
副業のしすぎで過重労働になり、体調を崩す方は多いです。
会社で働いている分には、毎月の残業時間を管理したり休日を設定したりと、ある程度は会社が従業員の体調を気遣ってくれます。しかし副業に関しては会社が管理してくれるはずもなく、体調を崩しても全て自己責任となってしまうのです。
体に無理のない範囲で仕事をするためにも、セルフマネジメントを徹底する必要があります。
本業がおろそかになる可能性がある
副業を頑張りすぎて、本業がおろそかになる可能性も考えられます。本業がおろそかになるパターンは2つです。
1つ目は副業を頑張りすぎて過重労働になり、心身に影響を及ぼすパターンです。本業に身が入らず、生産性が下がります。最悪の場合は体調を崩して、本業も副業もできなくなる場合もあります。
2つ目は副業の方が本業よりも楽しくなるパターンです。本業に対する気持ちがなくなってしまい、本業がおろそかになります。この場合は、副業を本業に変えてみても良いかもしれません。
副業エンジニアに必要なスキル
副業エンジニアに必要なスキルを、6つ紹介します。
プログラミングスキル
副業エンジニアにとって、プログラミングスキルは必要不可欠です。副業の案件の多くで、プログラミングを行います。
プログラミングスキルを習得する方法はいくつかあります。その中でもIT未経験者におすすめの方法は「プログラミングスクールに通う」です。
プログラミングスクールであれば、プロの講師が学習を徹底的にサポートしてくれます。またスクールのカリキュラムに沿って学習を進めることで、数ヶ月という短期間で副業できるほどのスキルを身につけることが可能です。効率的に時間を使えるため、本業で忙しい人におすすめの学習方法です。
Web制作に関する知識やスキル
副業エンジニアの案件例の章で挙げたとおり、副業エンジニアの案件には「Web系の開発」が多いです。そのためWeb制作に関する知識やスキルを身に付けることで、副業エンジニアとして活躍しやすくなります。
Web開発に用いられることの多いHTMLやCSS、PHPといったプログラミングスキルのほか、UIやUX、SEOについても学習しておきましょう。
マネジメント能力
マネジメント能力がなければ、副業エンジニアとして長く活動することは難しいでしょう。
先述したとおり、副業エンジニアのデメリットとして自由な時間が減る、体調管理が大変になる、本業がおろそかになる可能性がある、の3つが挙げられます。これらは全て、徹底したセルフマネジメントで解決できます。
副業でセルフマネジメントを怠って、自分の処理能力を超える案件を受けてしまう人は多くいます。自分のスキルや稼働できる時間などを鑑みて、無理のない範囲で副業エンジニアとして活躍しましょう。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力の高い副業エンジニアは、クライアントから重宝されます。
一言でコミュニケーション能力といっても、実態は様々な能力が複合的に合わさったものです。その中でも特に、理解力・提案力・交渉力が必要です。
理解力があれば、クライアントが求めているものを瞬時に判断できます。提案力と交渉力は、自分の提案や意見を伝えるうえで重要です。このように相手の意図を理解した上で、自分の意見を伝えてすり合わせていく能力がコミュニケーション能力の本質といえます。
論理的思考能力
論理的思考能力があれば、稼げる副業エンジニアになれます。
論理的思考能力とは、物事を順序立てて考える力です。より効率の良いプログラムを組む方法や、より可読性の高いプログラムを組む方法など、論理的思考能力が高ければ品質の高いプログラムが組めます。こういったプログラムが組めればエンジニアとしての市場価値が上がり、より高単価な案件を獲得できます。
ほかにも論理的思考能力があることで、道筋を立てて話せるようになり発言に説得力が増します。そうするとクライアントに自分の意見を提示しやすくなり、副業エンジニアとして働きやすくなります。このように副業エンジニアが、論理的思考能力を身につけるメリットは多いです。
問題解決力
副業エンジニアをしていると、様々な問題が発生します。プログラミングのエラーが解消しないといった技術的な問題のほかに、クライアントとの連絡が取れなくなったといった技術に関係ない問題も起こる可能性があります。それらを解決するための、問題解決能力が副業エンジニアには必須です。
会社の仕事であれば、問題が起きたら同僚に相談できます。しかし副業エンジニアになると、様々な問題を自分で解決しなければなりません。業務で起こるあらゆる可能性を考えて、先手を打っておくことも重要です。
未経験が副業エンジニアになる方法
IT業界未経験者が、副業エンジニアになる方法は3つあります。それぞれの方法について、詳しく解説します。
独学でITスキルを身に付ける
参考書や学習サイト、動画サイトなどを駆使することで、独学でITスキルを身に付けることもできます。
独学でITスキルを身に付けるメリットは、費用を抑えられること、自分のペースでITスキルを身に付けられることです。参考書であれば数千円、学習サイトや動画サイトであれば無料で学習することもできます。自分のペースで学習を進められるため、仕事が忙しいという方でも隙間時間でITスキルを身に付けることが可能です。
独学でITスキルを身に付けるデメリットは、疑問を解決しにくいこと、挫折しやすいことです。独学で学習すると、様々な疑問点を自力で解決していかなければなりません。IT未経験者がこれらを解決するためには、時間も精神力も必要です。そのため疑問を解決することを諦めて、挫折する人も多くいます。
プログラミングスクールに通う
プログラミングスクールに通うことで、プロの講師の指導の元、ITスキルを身に付けられます。
プログラミングスクールに通うメリットは、短期間で効率的にITスキルを身に付けられることです。プログラミングスクールが用意したカリキュラムに沿って学習をすすめることで、数か月の短期間であっても、副業ができるレベルのスキルを身に付けられます。
プログラミングスクールに通うデメリットは、費用がかかることです。プログラミングスクールやコースによっても異なりますが、副業ができるレベルに達するまで50万円ほど必要となる場合が多いです。
ただし、この受講料は副業で十分回収することができます。例えば毎月5万円の副業収入を得られれば、1年かからずにプログラミングスクールの受講料を回収できます。そのため、プログラミングスクールの受講料は必要経費と割り切ってしまっても良いのかもしれません。
IT企業に就職してみる
IT企業に就職してみることで、実践的なスキルを即座に身に付けることができます。さらにITスキルを身に付けながら、給料も貰うことが可能です。
しかしこの方法を選択すると、今のキャリアを一旦捨てる必要があります。今の企業を辞めてIT企業に就職する場合は、ライフプランをしっかりと立ててからチャレンジすることをおすすめします。
副業エンジニアを始める際の注意点
副業エンジニアを始めることで、トラブルに巻き込まれてしまう場合もあります。「こんなはずじゃなかったのに」とならないように、副業エンジニアを始める際の注意点を知っておきましょう。
副業可能か会社に確認する
副業が可能かどうか、必ず会社に確認してから副業を始めましょう。副業を許可する会社は増加傾向にありますが、今でも副業禁止の会社もあります。また副業ができても、事前申告が必要な場合もあるため注意が必要です。
副業が可能かどうかは、起業規則に明記されています。会社とのトラブルを避けるためにも、必ず確認しておきましょう。
確定申告に注意する
副業での所得が年間20万円を超える場合、確定申告を行う必要があります。会社員であると年末調整を会社が行ってくれますが、それとは別に確定申告書を作成しなければなりません。
確定申告は毎年2月〜3月ごろに行います。確定申告をしないと、無申告加算税や延滞税が課される場合もあるため忘れずに行いましょう。
スキルシートやポートフォリオを作成しておく
副業で案件を獲得するために、スキルシートやポートフォリオを作成しておきます。こういったものがあると、自分のスキルを証明しやすくなります。
副業エンジニアを始めたばかりで、案件を獲得できずに悩む人は多いです。案件を獲得できない原因として、実績がないということが挙げられます。確かに発注主の立場で考えると、実績がない人に仕事を任せるのは怖いですよね。
あらかじめスキルシートやポートフォリオを作成しておくことで、スキルを証明しやすくなります。スキルアップに伴い、適宜スキルシートやポートフォリオをアップデートしていくことも重要です。
生活や本業に支障をきたさないようにする
副業を頑張りすぎて、生活や本業に支障をきたさないように気をつけましょう。
副業で徹夜して本業の仕事中に眠くなったり、副業のしすぎでプライベートの時間がなくなったり、副業がマイナスに働いてしまうことも多いです。副業はあくまで副業です。副業に追われて体を壊すことのないように、セルフマネジメントを徹底しましょう。
作業時間と収入のバランスが適切か判断する
作業時間と収入のバランスは適切か、判断することも重要です。
例えばランディングページの制作の案件を、1万円で請け負ったとします。そのランディングページ制作に20時間かかった場合、時給500円の計算になります。これだったらアルバイトを探した方が断然稼げますよね。
発注者の中には、低単価でエンジニアを酷使する悪徳業者もいます。受注者のスキルによるところもありますが、報酬が低いと感じたら断ることも必要です。
副業エンジニアの案件の見つけ方
副業エンジニアはどのように案件を見つけているのか、代表的な方法を4つ紹介します。
エージェントを利用する
エージェントを利用することで、自分に合った案件を紹介してもらえます。自分のスキルや希望する条件をエージェントに伝えると、その条件にマッチする案件をエージェントが探し出してくれます。自分で案件を探す手間が省けるため、普段は本業で忙しい方におすすめの方法です。
エージェントが紹介する案件は、クラウドソーシングサイトの案件よりも価格が高い傾向にあります。そのため、ある程度のスキルがついたらエージェントを頼ることをおすすめします。
クラウドソーシングサイトを利用する
クラウドソーシングサイトとは、不特定多数の人に向けて仕事を発注する業務形態を指します。業務委託するためアウトソーシングの形態の一種で、仕事を発注したい個人や企業と仕事を受注したい人のマッチングサイトともいえます。
クラウドソーシングサイトの利点は、簡単に利用できることです。マッチングさえすれば、即日でも仕事を始められます。さらに発注書や請求書を作る必要もないため、副業のハードルをグッと下げられます。
SNSを利用する
TwitterなどのSNSを利用することで、仕事を見つける手もあります。SNS上には、多くの仕事募集の投稿があります。例えばtwitterで「#エンジニア募集」と調べれば、多くの投稿がヒットします。
ほかにもエンジニアとしての活動を投稿することで、エンジニアを募集する人から声がかかる場合もあります。人脈作りにも役立つため、副業エンジニアになったらSNSを始めることをおすすめします。
知り合い経由で紹介してもらう
副業エンジニアとして活動していることを周りに言っておくことで、案件を紹介してもらえる可能性があります。
知り合い経由の紹介であれば、安全な案件の場合が多いです。報酬が支払われないなどの詐欺に合う可能性が低く、比較的安心して案件を請け負えます。
まとめ
副業エンジニアとは、会社に属しながらも本業以外の仕事で収入を得るエンジニアです。副業エンジニアには土日稼働でしっかりと稼げたり、人脈が広がったりとメリットがあります。
副業エンジニアにとって、プログラミングスキルは必須です。未経験者がプログラミングを学習する方法はいくつかありますが、おすすめは効率的にスキルを身に付けられる「プログラミングスクール」です。
インターネットが普及した現在、副業エンジニアが案件を見つける方法はたくさんあり、稼ぎやすい環境が整っています。年収アップやスキルアップに興味がある方は、副業エンジニアを目指してみてはいかがでしょうか。