「フリーランスエンジニアを目指しているが、1年目から稼げるのか不安」このように考えている方も多いのではないでしょうか。
確かにフリーランスエンジニアには給与保障等がないため、不安に感じてしまいますよね。
そんな不安に感じている方へ向けて、本記事では、フリーランスエンジニア1年目の年収を2つのタイプに分けて紹介します。
また、フリーランスエンジニア1年目から稼ぐための方法や1年目に気を付けたいこと、活躍し続けるために必要なことまで詳しく解説していきます。
フリーランスエンジニアとして独立を考えているみなさん、ぜひ参考にしてください。
フリーランスエンジニア1年目の年収
フリーランスエンジニア1年目の年収を、公開していきます。
とはいっても同じ1年目といえど、そのスキルには個人差があるでしょう。
そしてスキルの差によって、年収も大きく変わってきます。
ここでは十分なスキルを持っている場合の年収と、持っていない場合の年収、2つの例に分けて紹介していきます。
【成功例】十分なスキルを持って独立した場合
Aさん 31歳
フリーランスエンジニア1年目の年収:600万円
Aさんはフリーランスエンジニアとして独立する前、オフィス用品の営業を行っていた。
特にエンジニアの勉強をしたことはなく、大学も専攻は文系であった。
しかし、オフィス用品の事業が傾き、会社に依存する生活は危ないと思ったことがきっかけで、フリーランスエンジニアとして独立することを決心。
Aさんは平日は仕事を行い、週末はプログラミングのスクールに1年間通うことを決意。
そして営業職を辞める前3ヶ月は、週末の勉強時間に加え、会社が終わった後も約2時間作業時間を作り、毎日コツコツとWebアプリを作成。
その3ヶ月間で、簡単なWebアプリの設計から開発まで一通り行う。
その後営業職を辞め、フリーランスエンジニアとしてWebアプリの開発を行うことに。
作成したWebアプリをポートフォリオとし、前職で得た営業スキルを活かして営業を行ったところ、1ヶ月目から約45万円のWebアプリケーション作成業務を獲得。
その後も順調に案件を獲得し、1年目の後半は月に60万円の収入を得ることができた。
1年目の結果、年収600万円を達成。
請負型の仕事を中心に受注しているため、会社員時代よりもプライベートな時間を確保しつつ、約150万円程年収が上がった。
【失敗例】十分なスキルがなく独立した場合
Bさん 29歳
フリーランスエンジニア1年目の年収:240万円
フリーランスエンジニアとして独立する以前は、外資系の戦略系コンサルタントとして企業に勤めていた。
コンサルタントのあまりの激務に疲弊し、フリーランスエンジニアとして独立することを決心。
ところが独立決心後も、仕事が忙しくプログラミング学習の時間が取れずにいた。
しかし会社に居続けると、いつまでたっても時間がないままだと思い、Bさんは勢いで会社を退社することを決意。
退社後は有給消化の1ヶ月を使い、プログラミング学習を1から始める。
しかし時間が足りず、1ヶ月で行ったことはプログラミング言語の入門書3冊を写経し、そのまま動かすのみに留まった。
そのままの流れで、フリーランスエンジニアとして営業を開始。
しかしポートフォリオや実務経験を提示できないためか、具体的なスキルを証明できず、最初の2か月間は仕事を受注することができなかった。
「とにかく案件を受注したい」と焦ったBさんは、低単価案件を請け負うことに。
結果、3ヶ月で45万円を得ることができたが、心身とも疲弊。
しかし3ヶ月の激務で実力は上がったため、徐々に案件の単価を上げることに成功。
現在は勉強してスキルアップをしつつ、案件をこなしている。
【結論】スキルを持っていれば1年目から稼げる
Aさんの成功例から分かるように、フリーランスエンジニア1年目であっても、十分なスキルを持っていれば稼ぐことは可能です。
しかしながらBさんは、独立するのに必要なスキルを持っていなかったため、大きく稼ぐことができませんでした。
それどころか、時間を消費し、精神的にすり減らす結果となっていまいます。
せっかく「会社に頼らず生きる」という選択をしたのに、生活がままならなければ、元も子もありませんよね。
そのため、フリーランスエンジニア1年目からしっかり活躍したければ、あらかじめ十分なスキルを身に付けておく必要があります。
フリーランスエンジニア1年目から稼ぐために独立前に行っておくべきこと
フリーランスエンジニアとして、1年目から活躍するために、スキルを身に付けておく必要があることはお分かりいただけたかと思います。
具体的には、独立前に以下のことを行っておくと良いでしょう。
- プログラミングスキルを身に付ける
- 営業力を身に付ける
- システム開発の流れを知る
- ポートフォリオを作る
各項目の詳しい内容と、方法を説明します。
プログラミングスキルを身に付ける
フリーランスエンジニアとして1年目から稼げるようになるために、最優先事項として、プログラミングスキルを身に付けましょう。
フリーランスエンジニアとして独立したら、請け負った仕事をこなすために1人でプログラムを完成させる力が必要です。
依頼するクライアントとしても、それ位の能力はあるものとして仕事を依頼してきているでしょう。
未経験者、もしくは初心者が十分なプログラミングスキルを身に付ける方法は、書籍やインターネット、セミナー参加など、様々な方法があります。
もし、フリーランスエンジニアとして独立することを決めているならば、一番おすすめな方法が「スクールに通う」です。
スクールに通うことをおすすめする理由は、以下の通りです。
- 正しい情報を教えてくれるから
- 効率的に学習できるから
- 疑問点をすぐに解消できるから
- 人脈を作ることができるから
- 自分の実力をある程度図ることができるから
スクールの魅力は何といっても、正しいスキルを遠回りすることなく身に付けられる、ことです。
独学で学習を行っていると、自身で正しい情報や必要な情報を見つけ出す必要があります。
情報を選ぶことは、自分が習得すべき内容やレベルを知っている場合、うまくいくでしょう。
しかし未経験者や初心者の場合、世の中に溢れる多くの情報から、適切なものを見つけ出すことは難しいです。
しかしスクールであれば、プロの講師が、最適な情報を効率よく教えてくれます。
また疑問点もその場で解消できるため、知識やスキルの定着度も変わってくるでしょう。
以上の理由から、フリーランスエンジニアに必要なプログラミングスキルを身に付けたい場合、最短最速で確実な方法である「スクールに通う」ことをおすすめします。
営業力を身に付ける
フリーランスエンジニアは、プログラムさえ組めれば良いわけではありません。
仕事を得るためには、仕事獲得のために営業を行う必要があります。
そのため、営業力はフリーランスエンジニアにとって、必須能力といっても過言ではないでしょう。
そして、営業力が高ければ高いほど、フリーランスエンジニアにとって有利に働きます。
高い営業力さえあれば、高単価の案件を取ることができたり、自分に有利な条件を提示できたり、他エンジニアと同じスキルを持っていてもより良い働き方ができるのです。
システム開発の流れを知る
システム開発には、大まかな流れがあります。
要件定義→設計→開発→テスト→運用・保守
それぞれの工程は、さらに細分化されています。
設計の中には基本設計や詳細設計、テストには単体テストや結合テスト、システムテストといったものがあります。
これは基本的な開発の流れであるため、プロジェクトによっては工程が省かれたり、独自の工程が組み込まれることもあります。
しかし、基本的な流れさえ知っておけば、プロジェクトに参画して困ることはないでしょう。
各工程で行わなければならないこと、求められることは最低限抑えておいてください。
また、工程の運用方法も「ウォーターフォールモデル」や「アジャイルモデル」といったものがあります。
クライアントに運用方法を指定された際に、困らないようにこちらも勉強しておくことをおすすめします。
ポートフォリオを作る
ポートフォリオとは、エンジニアとして作った、作品集のことです。
自分が作ったシステムや参画したプロジェクトの概要をまとめることで、フリーランスエンジニアのポートフォリオとなります。
多くのフリーランスエンジニアは、ブログや自身のサイトをポートフォリオとしていることが多いです。
ポートフォリオを作ると、自身のスキルや知識を、クライアントに目に見える形で提示することができます。
そのため、ポートフォリオを使って営業をすると、案件を獲得しやすくなる場合があるのです。
しかし、独立前に何をポートフォリオにのせるのか、困ってしまいますね。
おすすめは、プログラミングを勉強する工程で作った、スマートフォンアプリやWebシステムをのせることです。
またWebサイト自体を自作し、丸ごとポートフォリオとするのも良い手です。
そうすると、ポートフォリオが作れるうえに開発の勉強となり、一石二鳥となります。
フリーランスエンジニア1年目に気を付けたいこと
必要なスキルを身に付け、無事にフリーランスエンジニアとして独立しても、気を付けたいことはまだあります。
フリーランスエンジニアとしての独立は、あくまでスタートです。
その後長く活躍できるように、1年目から以下の3つのポイントを意識してください。
- 体調管理の徹底
- プライベートも大切に
- 単価を上げるために努力する
体調管理の徹底
会社員に比べて保障の少ないフリーランスエンジニアにとって、体調管理は重要です。
体調を崩し働けなくなると、収入はもちろんなくなります。
そしてそれに対する有給制度や失業保険といったものもありません。
フリーランスエンジニアにとって、自分の体は重要な商売道具です。
長くフリーランスエンジニアとして活躍するために、体調管理は徹底しておく必要があります。
それにも関わらず、稼げない不安から案件を多く受けすぎたり、パソコンの前から動かない生活を送ってしまう方も多いです。
フリーランスエンジニアとして独立したら、意図的に健康を保つ必要があります。
例えば年に1回は実費で健康診断へ行ったり、昼夜逆転生活をしないように気を付けたり、心身共に健康に仕事をしましょう。
プライベートも大切に
プライベートを大切にすることで、人生がより豊かになります。
フリーランスエンジニアとして独立したての頃は、仕事のスケジュール調整がうまくできず時間がかかる、仕事がなくなることの不安から案件を受けすぎる、といった理由で働きづめになる方も多いです。
また、在宅ワークや完全請負仕事であると、オンとオフを切り替えることが難しくなり、常に仕事のことを考えてしまうといった方もいるかもしれません。
もちろん、仕事を頑張ることは良いですが、それによってプライベートの時間がなくなってしまうのは考え物ではないでしょうか。
企業に縛られない自由な働き方に憧れ、フリーランスエンジニアになる方は多いと思います。
せっかく自由な働き方を手に入れたのに、プライベートもなく仕事のみの毎日では、元も子もありませんよね。
フリーランスエンジニアになったからには、増えた自由な時間を趣味や家族の時間にして、充実した生活を送れると良いですね。
単価を上げるために努力する
単価を上げるための努力を怠らないようにしましょう。
自分のスキルがアップすると、それに伴い受けられる案件の質も上がっていきます。
フリーランスエンジニアは、努力次第でどんどん単価を上げることができるのです。
「これ以上お金は必要ないので、単価を上げる努力をしない」このように考える人もいますが、この考えはいかがなものでしょうか。
なぜなら単価を上げると、必要な金額を稼ぐ時間が短縮されます。
そのため、年収を上げる必要性を感じなくても、時間を生み出すために単価を上げていくと良いかもしれません。
単価を上げるために具体的に行うべきことは、次の章で解説します。
さらに稼げるフリーランスエンジニアになるために1年目に行うこと
さらに稼げるフリーランスエンジニアになるためにも、独立1年目の時に以下のようなことを意識しましょう。
- 得意分野を見つける
- 資格を取得する
- ポートフォリオを充実させる
- 馴染みのクライアントを作る
- 人脈を作る
- セミナーや勉強会に参加する
得意分野を見つける
得意分野を見つけ知識を深めることで、より需要のあるエンジニアになれます。
企業は依頼する案件に対して、深い知識やスキルを持ったエンジニアを求めています。
そういったエンジニアは、案件への理解が早く、スピード感を持ってより良いシステムを開発してくれるからです。
このような理由から、得意分野を持っているフリーランスエンジニアは、案件を獲得しやすく、また交渉次第で高単価で受注することができるでしょう。
フリーランスエンジニア1年目の方が得意分野を見つけるために行うことは、いろいろと案件を受注してみることです。
今まで挑戦したことのないことでも、案外やってみると、興味が持てたり得意であったりすることがあります。
自分ができる範囲を広げていけば、得意分野に繋がるものに当たる可能性があるということです。
そういったものを見つけられたら、より深く理解できるように、案件を絞ったり勉強を進めると良いでしょう。
資格を取得する
時間があれば、資格を取得しても良いかもしれません。
資格を取得するメリットは3つあります。
- クライアントに知識やスキルを証明できる
- 資格取得のための勉強を通して、知識やスキルが深まる
- 資格がなければ受注できない高単価案件を獲得できる
資格取得といっても、内容や難易度は様々です。
こちらの記事で、フリーランスエンジニアが取得すべき資格を紹介しているため、良かったら参考にしてみて下さい。
ポートフォリオを充実させる
ポートフォリオは最初に作りっぱなしではなく、どんどんと更新し、充実させる必要があります。
新しい案件を受注したら、それを参画したプロジェクトの欄に書き加えたり、成果物をアップロードしたりすると良いでしょう。
ポートフォリオを充実させることで、自分のスキルも更新することができ、より高単価の案件を受注しやすくなります。
また、フリーランスエンジニアとして活動していることがアピールでき、企業側から声がかかることがあるかもしれません。
馴染みのクライアントを作る
1年目のうちに、馴染みのクライアントを作ることができれば安心です。
馴染みのクライアントであれば、新たに信頼関係を構築する必要がなく、ルールや雰囲気も掴めているため、仕事がしやすいです。
また、継続して案件を受注できることもあるため、仕事がなくなるかもしれないという精神負担からある程度解放されます。
人脈を作る
フリーランスエンジニアは企業という枠組みから独立して働くため、人脈作りは意識的に行う必要があります。
そして人脈があればあるほど、フリーランスエンジニアは有利になります。
たとえば、他のエンジニアと繋がることで、IT業界の最新の知識を得られたり、困った時に助け合ったり、良いことづくめです。
ITに関係ない人脈であっても、思わぬ繋がりから仕事依頼がきたりするため、幅広い人脈を作って損はありません。
セミナーや勉強会に参加する
セミナーや勉強会は、ITに関する知識を深められたり、人脈を広げられたりと、良い効果をもたらしてくれることがあります。
世の中には、数多くのエンジニアへ向けたセミナーや勉強会が存在します。
また、オンラインで受講できて無料といったものもあります。
セミナーや勉強会に関する内容をまとめた記事もあるため、参考にしてみて下さい。
まとめ
スキルさえ持っていれば、フリーランスエンジニア1年目から、十分に稼ぐことができます。
そのため、独立前に営業力を身に付けたりポートフォリオを作ったりと、準備を行っておく必要があります。
特にプログラミングスキルは、フリーランスエンジニアの活動の土台となるため、最優先で身に付けなければなりません。
もしフリーランスエンジニアとして独立することを決めているならば、スクールに通うことで正確なスキルを最短で身に付けることができます。
しっかりと準備を行って、1年目から活躍できるフリーランスエンジニアを目指してみてはいかがでしょうか。