「会社を辞めてフリーランスエンジニアになるリスクは?」
「リスクに打ち勝ち、フリーランスエンジニアとして成功したい。」
「フリーランスエンジニアに向いていないタイプに当てはまらないか不安。」
本記事はこのような疑問や悩みを解決して、方向性を示す目的で執筆しています。
会社を辞めて自由に働きたい気持ちは、非常に共感できます。
ただし、フリーランスエンジニアは向き不向きがはっきりするのは確かです。
自分の適性を考慮せずリスクもほとんど理解していない状態で、決断すると痛い目にあいます。
中途半端な気持ちでフリーランスエンジニアになるのは本当におすすめしません。
本記事を読んでいただければ、自分がフリーランスエンジニアに向いているかどうかが分かるだけでなく、さまざまなリスクに打ち勝って成功するための準備も学べます。
現在の働き方に満足できず、フリーランスエンジニアに少しでも興味があればぜひ参考にしてみてください。
代表的なフリーランスエンジニアのリスク
フリーランスエンジニアは自由な働き方を実現できるメリットはありますが、それ以上にリスクが多いので注意が必要です。
リスクを把握した上で、本当に今のタイミングでフリーランスエンジニアになるのが適切なのかを検討しましょう。
ここでは、代表的なフリーランスエンジニアのリスクを紹介します。
今後の方向性を定めるためにも、ぜひ参考にしてみてください。
一般的に管理職の経験を積みづらい
総じて、フリーランスエンジニアは管理職の経験が積みづらいです。
一般的に、クライアント企業は自社にないスキルを求めて仕事を発注します。
そのため、管理的な業務は自社で行い、プログラミングや設計などの専門性がともなう仕事をフリーランスエンジニアに依頼する傾向が多いです。
例えば、クライアント企業が新規機能の一部分をC#で開発するケースがあったとします。
- 今までJavaメインで開発を行ってきたので、C#を使える人が自社にいない。
- より専門的なスキルを持っているフリーランスエンジニアに仕事を発注してみよう。
このような流れで、フリーランスエンジニアの専門性を求め、クライアント企業は仕事の募集をします。
したがって、PLやPMなど管理系の実績を積みたい場合は、仕事が見つかりづらいというリスクがあるでしょう。
病気やケガなどで稼働できないと収入がゼロになる
会社員とは違い、体調不良で稼働できなけば業務が完全にストップします。
成果物を納品できなければ収入が発生しないだけではなく、クライアントからの信用も一瞬で失うでしょう。
体調は自分が意識して注意しても急に崩れるもの。
健康管理は大切とはいえ、どうしようもないケースもあります。
普段から体調を崩しやすい方に限らず、全員が認識すべきリスクです。
案件を安定して受注できなければ生活が安定しない
フリーランスエンジニアの案件募集には、応募者が殺到します。
簡単に言えば、その中からクライアントに選ばれるだけの実績やスキルがなければ収入が発生しません。
また、クライアント企業の都合で急に案件が終了して、収入が途絶えるケースもあるので注意が必要です。
案件の受注と納品が収入に直に結びつくので、フリーランスエンジニアの実績が少ない場合は独立はリスクが大きいでしょう。
社会的信用が低下して各種審査が通りづらくなる
会社を辞めてフリーランスエンジニアになると、社会的信用が低下します。
会社員とは違い案件の有無によって収入が左右されるため、支払い能力がないと判断されるためです。
そのため、各種ローンが組みづらく、返済能力がないとみなされクレジットカードが作れないケースもあります。
会社員のうちにローンを組むなど、対策は必要でしょう。
社会保障が薄い
フリーランスエンジニアとして独立すると、老後や万が一のトラブル時に受けられる社会保障がかなり薄いです。さらに、会社員時代は給料から引かれていた医療保険や年金も全額自己負担する必要があります。
フリーランスエンジニアを目指すのであれば、社会保障の基礎知識は確実に身に付けておきましょう。
理解がないまま軽い気持ちで独立すると、将来的に生活が苦しくなる可能性があります。
ブラッククライアントが存在する
エンジニアの労働力を搾取することばかり考えているクライアントは一定数存在します。
- 何かと理由をつけて報酬を支払わない
- 契約終了間際に突然連絡が取れなくなる
- 契約内容と明らかに異なる仕事を依頼する
とくに実績がないうちは、このような悪徳なクライアントに狙われる可能性が高いです。
エンジニア案件は単価も高く期間も長いので、非常に大変です。
関わってしまったことで時間とお金すべてを無駄にして、場合によってはフリーランスエンジニアを断念しなければいけないリスクもあります。
スキルアップに充てる時間が少ない
フリーランスエンジニアは営業や事務手続きなど、全ての業務を基本的に1人で行う必要があります。そのため、新しい技術を覚えたくてもスキルアップに充てる時間が必然的に少なくなります。
したがって、スキルの幅を広げるためにフリーランスエンジニアを目指す気持ちで飛び込むと、理想と現実のギャップに戸惑うかもしれません。
一概には言えませんが「今持っている実績とスキルをいかして勝負する」という感覚が正しいでしょう。
フリーランスエンジニアとして成功するための準備
これまでの説明でフリーランスエンジニアの現実や厳しさを知り、少なからずネガティブな気持ちになったのではないでしょうか?しかし、事前にしっかり準備しておけば、ある程度はフリーランスエンジニアのリスクを軽減することができます。
ここでは、独立する前に行う準備を紹介していきます。
リスクに打ち勝って成功をつかむためにも、ぜひ参考にしてみてください。
独立を成功させるために副業で実績を作る
フリーランスエンジニアとして独立するために、まずは副業で実績を作りましょう。活躍するための土台を作るイメージです。
根本的に会社員と仕事の進め方が違うので、フリーランス(会社に所属せず)で働いた実績が少ないとクライアントは不安を感じます。会社でエンジニアの経験があっても、案件の受注が不利なケースもあるでしょう。
そのリスクを減らすために、フリーランスエンジニアと同様の働き方で案件を完了させた実績を1つでも多く積むことを意識してください。
確実にクライアントからの評価につながるので、仕事が見つからないリスクや業務が進まずに契約を解除されるリスクがかなり減ります。
独立前に案件を多くこなしていれば、先に説明したブラッククライアントを見極める能力も養えます。
1日の生活リズムを確立させるなど健康面に配慮する
就業中に体調を崩すリスクは、できる限り減らす努力をしましょう。
繰り返しますが、フリーランスの場合は健康を害してしまうと収入に直に影響が出ます。
生活リズムを整えるのは、健康管理の基本です。
夜型の場合は朝型に変えて、1日の生活リズムを整えてください。
また、定期的に健康診断を受けて健康状態を客観的に把握することも大切です。
市区町村や健康保険組合(任意継続している場合)の健康診断は、比較的安く受診できるのでおすすめです。
フリーランスエンジニアは体が資本ですので、健康面には最大限配慮しましょう。
いつでも相談できる場を作る
仕事が上手くいかない時に、いつでも相談できる環境を作りましょう。
行き詰まった時は、精神的な焦りから冷静な判断が中々できません。
状況を改善するには、周囲から客観的な意見をもらうのがもっとも有効です。
それに、何をするにも1人で常に孤独だと精神的にも限界がきます。
勉強会やセミナーで知り合った仲間でも、エージェントでもよいので、どんな悩みでも気軽に相談できる人脈は必要でしょう。
お金周りや社会保障について学んでおく
独立する前に、お金周りや社会保障に関する知識は将来のために学んでおきましょう。
知らない知識はインターネットで調べてもよいですが、前提知識がないと難しくて理解できない場合もあります。
そこでおすすめしたいのが、FP資格です。
税金や保険、年金などの基本的な知識をまとめて学べるので、何か分からないことがあっても容易に調べられるようになります。
学習難易度も低いので、気軽に学習できるでしょう。書籍を購入してもよいのですが、Youtubeの無料講義があるので念のため紹介します。
FP3級無料講義:【FP3級無料講義#09】社会保険③~労災保険、雇用保険【ファイナンシャルプランニング技能検定】 – YouTube
貯金を作る
独立前には十分に貯金を作りましょう。
フリーランスエンジニアは実業務に加え、営業や事務など全ての業務を単独で行います。その間は収入が発生しないので、ある程度の貯金がないと生活が成り立たない恐れがあるでしょう。
また、住民税は前年度の収入を基準に算出されるので、フリーランスになったばかりの頃は会社員時代の収入をもとに高額な請求がきます。その他、健康保険や年金、交通費なども自費ですので、仕事が軌道に乗るまではかなり負担に感じるでしょう。
独立前に安い賃貸に引っ越すなど、できる限り貯金を作る工夫が必要です。
フリーランスエンジニアになって失敗や後悔する人の特徴6選
ここでは、フリーランスエンジニアになって失敗や後悔する人の特徴を6つに厳選して紹介します。
結果が出せず、長続きしないタイプには特徴があります。
要するに、会社から独立して働くことに向いていないタイプです。
総じて、フリーランスエンジニアの厳しさを理解せず、現状を変えていく意思がない人は厳しいでしょう。
フリーランスは楽に稼げると考えている
「フリーランスエンジニアは楽に稼げる。」そんな軽い気持ちで飛び込むと間違いなく失敗します。理由としては、スキル一本で勝負しなくてはいけないので、むしろ会社員より厳しい世界だからです。
経歴やスキルがクライアントに認められなければ仕事が見つかりませんし、結果が出せなければ契約を解除されます。プロスポーツ選手と何となく似ていますよね。
会社員とは違い仕事内容を選べるので自由度は高そうに思えますが、非常に厳しい働き方です。
SNSなどで「今月は月収〇万円達成」など希望を抱かせる書き込みが目立ちますが、現実はそんなに甘くありません。失敗を繰り返しながら血のにじむような努力をしたからこそ到達できています。
1つの情報を真に受けて、後先考えずに決断してしまう下手に楽観的なタイプは、フリーランスエンジニアに向かないでしょう。
自分の力量を把握できない
自分の力量を把握できず、自信過剰になりやすいタイプは危険です。
フリーランスエンジニアは自分の市場価値を正確に判断して行動しないと、仕事が見つかりません。
長期間仕事が見つからなければ、撤退も視野に入れる必要があります。
- 仕事はそのうち見つかると楽観的に考えて無理に続けようとする
- スキルレベルに合わない高単価の案件に応募
- 経験がない仕事ばかりに挑戦しようする
このように安全志向がなく、計画性もない挑戦ばかりを繰り返して失敗するパターンは多いです。
仕事に対するモチベーションを維持できない
仕事に対するモチベーションを一定に保てないタイプは、フリーランスエンジニアに向かないでしょう。
フリーランスエンジニアが忙しいのは確かですが、自由に使える時間は確実に増えます。会社員時代より休暇もとりやすく、自分の予定を優先させやすいです。
そのため、精神的に余裕ができ、どうしても仕事のモチベーションを維持できない場合も多いです。とくに、気分によって仕事を後回しにするクセがある人は、モチベーションを一定に保てない傾向があります。
孤独に負けてしまうタイプ
孤独に耐えられないタイプは、精神的につらく挫折する可能性が高いです。
フリーランスエンジニアは会社に常駐して働くケースも多いですが、クライアント企業の社員と精神的な距離を感じやすく孤独を感じやすいです。
フリーランスである以上、自分で考え自分の意志で行動する機会が圧倒的に多いので、ある程度は孤独に耐えられないと厳しいでしょう。
他責思考で自分から改善しようという意思がない
フリーランスエンジニアは何かしらのトラブルがあっても、全ての責任を自分で背負わなければいけません。
成果を出せずクライアントの信頼を失っても、収入が安定しなくても全て自分の責任として受け入れる覚悟が必要です。上手くいかないことを受け入れずに他人のせいにして改善する意思がなければ、フリーランスエンジニアは続けられません。
フリーランスエンジニアの厳しさを認識して、危機感を持って取り組める人だけが成功できます。
誰にも相談しないで自分だけで物事を進めようとする
仕事で成果が出せない時に、素直に悩みを相談できるタイプは大きな失敗が少ないでしょう。
上手くいかないのは、自分の状況を客観的に把握できていない場合が圧倒的に多いです。悪い状況を解決するためには、1人で思い悩むよりも他人からアドバイスをもらうのが解決への近道です。
余計なプライドが邪魔して、誰にも相談せずに主観的に物事をすすめようとする人ほど失敗する可能性が高いでしょう。
まとめ
フリーランスエンジニアは技術のエキスパートという立ち位置で仕事を依頼されるので、成果を出せなければ信頼を失うのも早いでしょう。
そうならないためにも、常に現実と向き合いながら自分が活躍できるフィールドを見つけていくのが長く活躍するポイントです。
上手くいかない時は自分1人でかかえこまずに、できるだけ早く相談して軌道修正をはかりましょう。現段階でフリーランスエンジニアとして活躍するのが厳しければ、やり直しもできます。
取り返しがつかなくなる場合もあるので、とにかく自己判断で行動するのだけはおすすめしません。
本記事が皆さまのお役に立てば幸いです。