インターネットの普及と比例するように、日本国内ではフリーランスとして働くことがひとつの選択肢となっています。これまでの専門的なスキル、積み重ねてきた経験を活用することで、会社員だった頃より高収入が実現できることもあります。
しかし、副業としてではなく、フリーランスとして独立するには、始め方がわからず、なかなかハードルが高いように思えるのではないでしょうか。ここでは、一人でも安心してフリーランスを始めるために必要な情報を説明します。
フリーランスとは
フリーランスとは会社、あるいは組織、団体などに所属せず、自由に契約して仕事すること、または仕事をしている人をいいます。契約した仕事に対しスキルを提供して、それに見合った報酬を受け取るため、とてもシンプルな業務形態といえるでしょう。
また、フリーランス=個人事業主といわれることがありますが、厳密にいうとイコールではありません。個人事業主は税務署に開業届を提出しているフリーランスのことだからです。したがって、個人事業主ではないフリーランスがいることになります。
ちなみに、フリーランスの語源は中世ヨーロッパにまで遡ります。当時、戦争のたびに有力者と契約した傭兵団に属していない騎士であるフリー(free=拘束されていない)ランス(lance=槍)に由来しているという説もあるのです。クラウドソーシングサービスのランサーズのロゴも騎士が槍を持ったものになっています。
フリーランスが活躍している業種・職種
業種・職種にはよりますが、インターネット環境とパソコンさえあれば、時間や場所にしばられることなく仕事ができます。このような特徴から、プログラマー、エンジニア、デザイナー、ライターなどの職種はフリーランスとして独立しやすいです。また、WEBに関わる業種・職種以外では、記者、カメラマン、レタッチャーなどのマスコミ関係、スタイリスト、メーキャップアーティストなどのファッション関係、翻訳家、通訳などもフリーランスで活躍できる業種・職種だといえるでしょう。
こちらの記事で、フリーランスの代表的な職業を紹介しています。まだ、どの職種でフリーランスになろうか迷っている方は、ぜひこちらの記事をご覧ください。
未経験からフリーランスは始められる?
結論からいうと、ある程度のスキルを身に付けてからフリーランスを始めるべきです。未経験からフリーランスを始めたとしても、最初から高単価の案件を継続して受注することはできないでしょう。つまり、フリーランスとして生計を立てるのは難しいと言わざるを得ません。
クライアントはフリーランスに対して、依頼された業務をこなせることが絶対条件です。言い換えれば、クライアントはフリーランスに対して即戦力になることを期待しているのです。もし、クライアントの要望を満たせなければ、依頼を打ち切られることもあります。
フリーランスに必要なスキルを習得しておく
フリーランスに必要なスキルを習得するためには、独学したり、スクールを利用したり、副業として未経験歓迎の案件を受注したりするなどの方法があります。最近では、オンラインスクールという選択肢もあり、会社員でも時間や場所を選ばずに、プログラミング、コーディング、デザインなどが学べるのでおすすめです。カリキュラムからフォロー体制まで整っているので、独学より続けやすいともいえるでしょう。
さらに、副業をしながらフリーランスになったときの収入源となる継続案件をいくつか見つけておくと、さらに独立しやすいです。例えば、フリーランスのプログラマーを目指すのであれば、会社員をしながらオンラインのスクールでプログラミングスキルを習得してからフリーランスとして独立するなどです。習得する言語もHTML&CSS、JavaScript、PHPなど、将来性のあるものを選ぶとよいでしょう。
フリーランスとして通用するスキルを習得するためには3ヶ月以上はかかるはずです。働きながらスキルアップするのであれば、さらに時間がかかります。そのため、フリーランスとして目指す業種・職種に転職してスキルアップすることも検討してみるといいかもしれません。契約社員として、契約期間だけ働くこともできるでしょう。
未経験でも始めやすい職種を選ぶ
フリーランスでも未経験から始めやすい職種を選ぶのも選択肢のひとつです。WEBライターであれば、基本的なパソコンスキルがあれば、クラウドソーシングサービスでも初心者歓迎の案件を狙っていけるでしょう。SEOの知識を身に付けたり、ワードプレスなどのCMS入稿ができたりすると単価アップできます。
しかし、WEBライターはスキルがないと、ライティングだけで生計を立てるのは難しいかもしれません。他にも、ブロガー、アフィリエイトなども未経験から始めやすいですが、安定した収入を得るためには時間がかかります。
未経験から始めるのにお薦めのフリーランスの職種をこちらの記事で詳しく説明しています。今すぐにでもフリーランスとしての活動を始めたい!という方はぜひ参考にしてみてください。
フリーランスの始め方
フリーランスを始めるためには、スキルだけでなく様々な準備をしておかなければいけません。フリーランスとなって契約をするまでには、すべての準備をすませておきましょう。ここでは、準備をしておくこと、準備のしかた、そしておおよそどれくらいの時間がかかるのかについて説明します。
準備しておくこと
フリーランスは請け負った業務だけではなく、自分自身で営業をしたり事務処理をしたりしないといけません。そのために必要なのが、名刺、会計ソフト、そして場合によってはクレジットカード、新規に開設した口座などです。ですが、すべて必要というわけではありません。自分にとって必要な準備を優先順位をつけて行うようにしましょう。
会計ソフト
フリーランスでは確定申告などの会計業務を自分自身で行うことがほとんどです。税理士に依頼すると10万円以上となってしまうためです。確定申告は1月1日から12月31日までの1年間の所得税を税務署に申告する手続きになります。
会社員には不要ですが、フリーランス(副業含む)にとっては法的に義務付けられているため必要不可欠です。また、確定申告によって払い過ぎた税金が戻ってくることもあります。そのために導入しておきたいのが会計ソフトです。簿記の知識がなくても帳簿できるようになっています。
特に、インストールの必要性のないクラウド会計ソフトがおすすめだといえます。クラウド会計ソフトは、勘定科目を自動的に表示したり、クレジットカードや口座を紐づけたりすることができます。クレジットカードや銀行口座の明細データがそのまま反映されるだけでなく、明細内容に応じて勘定科目を自動的に表示できるようにしておけば、確定申告をほぼ自動ですることができるでしょう。
クラウド会計ソフトでは、確定申告をデータとして保存できるため、税務署にデータで送付したり、データをプリントアウトして郵送することも可能です。
名刺
フリーランスの営業は名前を覚えてもらうことが大切です。企業名に頼ることができないからこそ、名前を覚えてもらえるかもらえないかによって仕事の受注率が変わってきます。そのために活用したいのが名刺です。
フリーランスになると、営業だけでなくクライアントとの打ち合わせにも名刺交換の機会があります。WEBライター、WEBマーケターなどは、取材時にも必要でしょう。
Adobeのphotoshopやillustratorなどのグラフィックソフトが扱えるのであれば、自分で作るのがおすすめです。WEBデザイナーやグラフィックデザイナーであれば、デザインスキルのアピールにもつながります。
印刷会社に印刷データを持ち込めば大幅にコストが削減できます。印刷会社、印刷枚数、紙の種類にはよりますが、印刷するだけであれば、1000~1500円前後で100枚の名刺ができます。グラフィックソフトのスキルがなくても、Canvaなどの名刺制作ツールを活用するといいでしょう。
もちろん、名刺のデザインをプロに依頼することもできます。業種・職種に合わせたデザインを短期間で制作してもらえます。印刷データと制作データを受け取っておけば、追加で印刷したり、内容を変更したりも可能です。
フリーランスの名刺に必要なのは、肩書き・名前・住所・連絡先です。また、Twitter、InstagramなどのSNS、ホームページなどがある場合は、アカウント情報、QRコード、URLなども宣材となるので記載しておきましょう。
また、名刺はプライベートでも持ち歩いておくことをおすすめします。旅先で利用した宿泊施設の経営者に名刺を渡しておいて、後日ホームページのリニューアルの依頼をしてもらえたなど、フリーランスでは思いもかけないところから仕事につながることもあるためです。
こちらの記事では、フリーランスエンジニアの名刺の作り方を紹介しています。違う職種でフリーランスを目指す方も共通する点が多いので、ぜひ参考にしてみてください。
クレジットカード
フリーランスは会社員のように収入の証明が難しく、カード会社に返済の信頼性がないと判断されるため、クレジットカードの契約が難しいといわれています。同様に、賃貸住宅の契約の審査や、住宅ローンの契約なども、会社員と比べてハードルが高くなります。
現在は会社員でフリーランスを目指しているのであれば、独立前にクレジットカードの契約や、引っ越しの前倒し、住宅ローンの契約などを検討しておくといいでしょう。独立後にクレジットカードを持つためには、フリーランスでも審査に通りやすいカードに限定されてしまいます。また、個人事業主となっていると、審査に通りやすいともいわれています。
フリーランスとしての実績が3年以上あり、継続して安定した収入があることを証明できれば、クレジットカードが持てるようになります。そのためには、源泉徴収票、課税証明書、確定申告書などを提示します。フリーランスとなって1年目では、収入を証明できる書類がないため、収入があったとしてもクレジットカードの発行は難しいでしょう。
口座の開設
フリーランスとして屋号のついた銀行口座を開設しておくと、会計管理がしやすい、クラウド会計ソフトで同期しやすい、税務調査で経費の証明がしやすいなどのメリットがあるため、プライベートの銀行口座を使用するよりおすすめです。また、屋号がついていることでクライアントなどからの信頼度が高まることもあります。
なお、「屋号」とは個人事業主の名前です。「○○株式会社」「有限会社△△」などと法人が名乗るように、個人事業主も本名とは別に屋号が名乗れます。個人事業の開業・廃業等届出書にも屋号欄があるため、個人事業主の届出をするまでには決めておくといいでしょう。ただし、屋号がなくてもフリーランスになれます。
屋号で口座を開設するためには、開業届を提出したうえ、必要な書類をそろえておかなければいけません。一般的な講座の開設より時間がかかることも覚えておきましょう。
手続き
フリーランスを始めるために、あらかじめ各種手続きをしておかなければいけません。企業や団体の健康保険から国民健康保険(あるいは任意継続保険)、厚生年金から国民年金に切り替えたり、確定申告の準備をしたり、税務署に開業届を提出します。特に、退職後すぐに対応しなければならないのが保険や年金の切り替えです。
任意継続保険には期限があるため気を付けなければいけません。それから、開業届の対応に移りましょう。確定申告を青色申告にする場合も期限があるため、開業届提出と同時の提出をおすすめします。
保険
フリーランスになるために企業、団体などの所属から離れるときは、所属先の健康保険から国民健康保険に切り替えなければいけません。また、条件を満たしていれば、これまでの健康保険を継続できる「任意継続」も選択肢となります。国民健康保険には市区町村が母体となっているものの他、国民健康保険組合が運営しているものがあり、それぞれの業種についている人たちを主会員としています。
フリーランスであれば、国民健康保険組合の文芸美術国民健康保険組合に該当する場合があるため、あらかじめ確認しておくといいでしょう。国民健康保険組合に加入できると、保険料が一律であるため、所得が300万円を超えていれば国民健康保険より保険料が抑えられます。また、国民健康保険の保険料は前年度の所得に応じて決まるため、任意継続で保険料を抑えられる場合もあるので比較するといいでしょう。
なお、任意継続は退職後20日以内までに申請をしなければいけません。これまでのように給与から保険が差し引かれないため、払い忘れには気を付けましょう。特に、任意継続保険は払い忘れてしまうと資格を喪失してしまうこともあるのです。
また、厚生年金から国民年金への切り替えも、退職した日から14日以内までにしておく必要があります。保険の手続きと合わせて、忘れずにすませておきましょう。
確定申告
フリーランスには年末調整がないため、確定申告をしなければなりません。給与所得者は源泉徴収によって、毎月の給与から所得税が治められていますが、払い過ぎになっていることがあり、年末調整を行うことで還付する仕組みとなっているのです。フリーランスはこの年末調整にあたる確定申告をすることで、払い過ぎた所得税が還付されます。
クライアントからフリーランスに支払われている報酬のほとんどは、源泉徴収で所得税相当額が引かれています。つまり、クライアントが納税したということです。そのため、フリーランスでは収入のうち課税対象外とならない必要経費、それから各種控除などを税務署に申告して、所得税を確定させなければいけません。
課税対象外にあたる必要経費として、家賃、光熱費、通信費などがありますが、課税対象外の控除額に対して源泉徴収がされすぎている場合、所得税の治めすぎとみなされて還付されることになります。確定申告には青色申告と白色申告があり、フリーランスはどちらかで税務署に所得税の申告をしなければいけません。青色申告はあらかじめ申請をしておかなければいけませんが、節税効果があります。
一方、白色申告は申請の必要性はないものの、青色申告程の節税効果はありません。また、白色申告に比べ、青色申告は確定申告の知識がないと難しいといわれています。副業であれば白色申告でいいかもしれませんが、フリーランスであれば、より税金が還付されるため青色申告をおすすめします。
青色申告承認申請書は開業日から2ヶ月以内に提出しないといけないため、開業届と同時に税務署に提出するといいでしょう。確定申告の義務があるのに確定申告をしないでいると、納税逃れに認定されることもあり、重加算税として、納税額の40%が追徴されることもあるのです。フリーランスにとって面倒ではあるものの、会計ソフトを活用したり税理士に相談したりしながら、確定申告の期日までに申告するようにしましょう。
開業届
開業届は個人事業主になる手続きのことです。税務署に個人事業の開業・廃業等届出書を提出します。また、個人事業主となるとき、開業届を提出することは法律でも義務付けられています。個人事業主は、確定申告によって所得税を納税しなければいけません。
フリーランスとして開業届をするのは「新たに事業を開始したとき」となります。フリーランスでいうところの「事業」とは、フリーランスとしてビジネス始めることです。したがって、会社を辞めてフリーランスを始めるときには開業届を出さなければならないことになります。
事業開始後、1ヶ月以内に税務署に開業届を提出しなければいけませんが、罰則がないこともあり、実際は開業後しばらくしてから開業届が提出されていることもあります。また、フリーランスには個人事業主となることにメリットがあります。まずは、確定申告を青色申告でできることです。
青色申告は白色申告より特別控除や損益通算などからみて節税効果があります。最大65万円の特別控除があることも、青色申告の利点でしょう。確定申告を青色申告にするつもりであれば、開業届は必須となります。
なお、年度が変わる前に開業届を提出していれば、前年度の青色申告ができ、最大65万円の控除が受けられることは覚えておくといいでしょう。また、赤字の繰り越しができたり、家族に支払った給与を経費にしたりもできます。さらに、開業届の写しは事業の証明にもなります。
特にフリーランスになったばかりで確定申告の写しがない場合には証明として重宝するでしょう。しかし、個人事業主になると失業保険が受けられません。扶養控除の対象者が開業届を提出することで、不要から外れてしまうこともあります。
個人事業の開業届出・廃業届出書は、税務署で受け取ることも国税庁のホームページからダウンロードすることもできます。ダウンロードしたものは、パソコンで入力ができる仕様です。また、開業届が作成できるオンラインサービスを活用してもいいでしょう。開業届出・廃業届出書に記載する職業欄は、記載によって税率が変わることがあるのは、あらかじめ知っておくべきです。
提出の際には、個人事業の開業届出・廃業届出書の他に、身分証明書として運転免許証、健康保険証、パスポートなどと、マイナンバーカードの裏面のコピーか通知カードのコピーが必要です。
こちらの記事では、フリーランスエンジニアの確定申告のやり方を紹介しています。他の職種のフリーランスでもやり方は変わらないので、参考になるでしょう。
仕事の受け方
フリーランスはスキルを売り込まなければ仕事をもらえません。未経験であればなおさら、積極的に営業をしなければならないでしょう。場合によっては、仕事内容に対して報酬の割りが合わなく、クライアントと交渉することもあるかもしれません。また、営業しなくても、知り合いにスキルを触れ込んでおくことで仕事を頼まれることもありえます。
副業としてであれば、スキルアップにもつながる案件をクラウドソーシングで見つけるのもおすすめです。ここでは、フリーランスの仕事の受け方について説明します。
営業
フリーランスの営業では、スキルをアピールして依頼、そして契約につなげます。そのための商材として、ポートフォリオは作り込んでおくべきです。オンラインでやりとりしているクライアントであれば、WEBで構築したポートフォリオサイトのURLやポートフォリオサイトをPDFにしたデータを送付しておきます。
また、クライアントとの面談にはプリントアウトしたものを持参するといいでしょう。同様に、TwitterやInstagramもポートフォリオのように活用することで、SNSから依頼につながることもあります。
クライアントとコンタクトがとれたら、メールでやりとりするだけでなく、場合によっては、実際に会ったり、電話で話を聞いたりすることになります。フリーランスの契約書の取り交わしは、オンラインのみ、あるいは郵送のみですむため、長期的な付き合いのクライアントとでさえ会っていないということがあります。
フリーランスの営業に慣れるまでは、契約交渉が難しく感じられるかもしれません。フリーランスだからこそ、自分自身の利益を確保するため、納得できない事項についてはきちんと話し合わなければいけません。営業力だけでなく、交渉力も必要となってきます。
知り合いの紹介
フリーランスになったら積極的にフリーランスになったことを知り合いに知らせておくといいでしょう。知り合いはもちろん、知り合いの会社であったり、知り合いの知り合いから依頼されることもあります。フリーランスになったことだけでなく、何枚か名刺を渡しておいたり、ポートフォリオサイトのURLやSNSのアカウントも知らせておくと、こんな仕事をしてもらえるとイメージでき依頼につながりやすくなります。
どのような出会いが依頼につながるかわからないのがフリーランスです。フリーランスをやっていますと、あいさつがわりに言うようにアピールするといいでしょう。
人脈を広げる
フリーランスは意識していないと同業者と話す機会がありません。積極的に勉強会や交流会に参加して、最先端の知識や技術を知る機会になります。フリーランスでは同業者からフリーランスに依頼したいクライアントを紹介してもらえることもあるため、勉強会や交流会ではできるだけ名刺と連絡先を交換しておくことをおすすめします。
また、忙しい同業者のヘルプとして仕事がもらえるだけでなく、自分が忙しいときにヘルプとなってもらうこともできるため、フリーランスの人脈はできるだけ広げておくといいでしょう。
クラウドソーシングサービス
フリーランスとしての実績がないのであれば、クラウドソーシングサービスを利用するのがおすすめです。クラウドソーシングサービスは、インターネットでクライアントが不特定多数のフリーランサーに対して業務をアウトソーシング(業務委託)できるサービスのことです。依頼者の依頼したい業務の内容に対し、業務内容に対応できる受注者がそれぞれつながりやすいよう、それぞれスキル・業務内容・単価などからピックアップできるようになっています。
クラウドソーシングには未経験歓迎の案件があるため、フリーランスビギナーにおすすめです。もちろん、未経験者歓迎の案件は単価が安価にはなりますが、その後の実績にもつながるため、フリーランスになるためのスキルを身に付けるのに活用するといいでしょう。経験のあるクライアントから適切なアドバイスをもらえることもあります。
また、経験豊富なフリーランスにとっても、高額報酬案件が狙っていけるため、定期的にチェックしておくのがおすすめです。場合によっては、クライアントから好条件でオファーされることもあります。
ただし、クラウドソーシングサービスは報酬から手数料が差し引かれます。なお、手数料は利用するクラウドソーシングサービスや案件ごとに異なるため、一概にどれくらいとは言えませんが、おおむね5~20%くらいです。また、クライアントが手数料を負担している案件もあります。
クラウドソーシングサイトが依頼者と受注者を管理しているため、フリーランスに不慣れでも安心して利用できるのもメリットではないでしょうか。
フリーランスエンジニアの実態
弊社は、フリーランスエンジニア育成特化のプログラミングスクール「COACHTECH」を運営しています。そこで、フリーランスエンジニアの実態や未経験からフリーランスエンジニアになれるのかについて詳しく紹介していこうと思います。
フリーランスエンジニアになるメリット
単価が高い
フリーランスエンジニアの特徴として、一つの案件の単価がとても高いことが挙げられます。
例えば、webライターだと1文字0.5円〜3円くらいが相場です。一方、フリーランスエンジニアの場合、webアプリ開発などに使われるプログラミング言語であるPHPの案件の平均単価は月間72万円というデータも出ています。また、一つの案件で100万円を超える案件もあります。
IT人材が不足していることやプログラミングのスキルを身に付けることが難しいことから、フリーランスエンジニアの案件の単価は、他の職種の案件の単価と比べてとても高いです。
そのため、高収入を実現したい方はフリーランスエンジニアが向いているのではないかと思います。
また、フリーランスエンジニアの単価相場は、こちらの記事にまとめていますので興味のある方はぜひご覧ください。
※参考 : 単価相場 | ITフリーエンジニアのための【レバテックフリーランス】
自由な働き方が実現できる
フリーランスエンジニア向けの案件は、場所や稼働時間の指定がないことが多いです。そのため、自分の好きなように自由に働くことが実現しやすいです。
これは、プログラミングが多くの人と同時に作業する必要がないものであることが理由です。もちろん、案件によっては出社が決められていたり、ミーティングの時間が定められている場合があったりします。
しかし、これらの案件の数の方が少ないので、自由な働き方を実現したいという方にフリーランスエンジニアはおすすめです。
収入が安定しやすい
プログラミングスキルは、簡単に落ちるものではありません。また、案件数もとても多いので、フリーランスエンジニアとして実績を積んでいけば、仕事に困ることはないでしょう。
また一部の分野を除いて、多くの分野の案件は一度発注して終わりではなく、継続して仕事が発注されることが多いです。そのため、一度案件を獲得し、ちゃんと納品していけば、仕事が無くなるという事態は防げるはずです。
ここから、フリーランスエンジニアは他の職種と比べて人材の代替性が低く、収入が安定しやすい職業といえるでしょう。
フリーランスエンジニアになるデメリット
営業が大変
案件を発注する企業は、スキルレベルの高い人を採用するために単価を引き上げています。そのため、企業は仕事を発注する際に候補者を慎重に選考します。
候補者のポートフォリオや過去の実績から、その人のプログラミングスキルレベルを把握し、その中でも特に優秀な人に仕事を発注します。そのため、他の職種と比べると案件を獲得しにくく、営業などの回数を増やすことが大切になります。
スキルを身に付けるまで時間がかかる
プログラミングスキルを身に付けるのは、難しく、とても時間がかかります。
また、小さいころからパソコンに慣れ親しんでいない人であれば、初めはパソコン操作やパソコンに関する知識を身に付けることに時間が掛かってしまうでしょう。逆に、これだけのスキルであるから、高単価の案件が多いのです。
また、プログラミング未経験だけどフリーランスエンジニアになりたいという方は、プログラミングスクールやネットの学習教材も充実しているので、これらのサービスをぜひ利用してみてください。
フリーランスエンジニアの実態については、こちらの記事で詳しく説明しているのでぜひ参考にしてみてください。
未経験からフリーランスエンジニアになれる?
未経験からフリーランスエンジニアになることは可能です。しかし、他の職種と比べるとその難易度は高いと言えます。
一方で、しっかりと学習時間を確保し、正しい学習法で学習することが出来れば、未経験からでもプログラミングスキルを確実に身に付けることができます。また、プログラミングスキルが高ければ、若くてもどんどん仕事を発注してもらえる世界です。
そのため、フリーランスエンジニアとして活動を始めたいのであれば、早ければ早い方がいいでしょう。
もし未経験からフリーランスエンジニアになりたいという方は、ぜひ弊社のフリーランスエンジニア育成特化のプログラミングスクール「COACHTECH」を一度ご覧になってみてください!
まとめ
フリーランスとして通用するスキルがあり、フリーランスとしての準備、手続きなどをきちんとすませておけば、一人でも安心してフリーランスを始められます。フリーランスとして生計を立てていくためにはスキルがなければいけません。未経験であれば、無理にフリーランスになるのではなく、まずはスキルアップがおすすめです。
また、フリーランスとして活動していくためにも、あらかじめご紹介したようなフリーランスとして必要な知識があるといいでしょう。