近年、プログラミングを使った職の人気が高く、新たにプログラミングを始めたいという方が増えてきています。
その中で、よく耳にするのが「プログラミングって難しいの?簡単なの?」という声です。
新しく何かを始める際に、自分にできるのかどうかは不安ですよね。
そこで、この記事ではプログラミング未経験者のために、プログラミングが簡単にできるのかとその始め方について解説します。
この記事を読んでいただければ、安心してプログラミング学習に踏み出してもらえるでしょう。
プログラミングは簡単というわけではない
エンジニアやプログラマの方の中にはプログラミングは簡単だと言う方もいます。
しかし、プログラミングは簡単に身に付けられるものではないと考えるべきです。なぜなら、プログラミングの挫折率は9割近くと言われており、非常に高い数値になっているからです。
ここまで多くの挫折者を出しているプログラミング学習を簡単だと言う方は、今のプログラミングの実力を基に話をしているのでしょう。
例えば、数学が得意という人は数学が苦手な人を見て、どうしてこの簡単な計算ができないのだろうかと思うことがあるでしょう。しかし、数学が得意な人も時間をかけて勉強したことで、その計算を簡単と思えるようになったはずです。最初から何でも簡単に思える人はほとんどいないでしょう。
同じように、今プログラミングを簡単だという人も、最初はプログラミングに時間をかけて勉強していたはずです。誰しも苦労してプログラミングを学習していた時期はあります。
そして、この学習期間中にプログラミングを身に付けるのを諦めてしまう初学者が非常に多いです。これには、プログラミング特有の初心者にプログラミングを難しく感じさせる理由があるからだと考えられます。
プログラミングを難しいと感じさせる理由
それでは、初学者がプログラミング学習を諦めてしまう理由にはどのようなものがあるのかを紹介していきます。
イメージとの相違
皆さんはプログラミングにどのようなイメージをお持ちでしょうか。
一般的にプログラミングには「短期間で身につけられる」「独学でも身に付けられる」というようなイメージを持たれています。これらのイメージからプログラミングは簡単なんだと思ってしまう人もいるのかもしれません。
もちろんプログラミングは短期間で身に付けることも可能ですし、独学で身に付けることも可能です。しかし、多くのプログラミング学習の時間や疑問をすぐに解決できるような環境が必要です。
上の図はCOACHTECH受講生を対象とした週平均学習時間のアンケート結果です。週に30時間以上をプログラミング学習に充てている方が約半数もいます。これほどの時間を学校や仕事で忙しい学生や社会人の方が確保するのはそう簡単なことではありません。
また、プログラミング学習を進めていくと自分では分からない箇所が多く発生すると思います。その際に、独学の方は質問する環境を自分で構築しなければなりません。これができないと、分からない箇所に多くの時間をかけてしまい、最終的には挫折してしまうということになりかねません。
このように、イメージしていたプログラミング学習との違いに気づいたときに初学者の方は学習を諦めてしまうということが多いようです。
手を動かさない
プログラミングを独学で進めている方に多いのが、実際に手を動かさないで学習してしまうことです。
まず参考書を一通り覚えてから、実際に自分でプログラミングをやってみようと考える人が多いです。しかしこの方法で勉強していると、実際にプログラミングを始めてみた時に、何から始めればいいのか分からないという状態に陥りやすいです。
そしてそのまま、自分にはできないとプログラミング学習を諦めてしまうという方もいます。
そのため、プログラミング学習は実際に手を動かしながら進めましょう。プログラムが正しく実行できるかを自分の目で確かめることは大切です。
エラーが大量に発生する
プログラミングには大量のエラーがつきものです。
なぜなら、プログラミングでは文字を打ち間違えてしまったり、正しい順番で命令がされていなかったりするだけで、すぐにエラーとして返されてしまうためです。
そのため、プログラミング歴の長い人でもエラーの処理に多くの時間を割いています。まして、初学者の人だとかなりの時間をエラーの処理に割かなければならないでしょう。
プログラミングを続けるには、エラー処理を続けるための耐久力や継続力が必要です。プログラミングを始めたばかりの人だと、急に大量のエラーが出るとやる気をなくしてしまったり、自分には向いてないのかと感じてしまったりするでしょう。そのまま、プログラミング学習を諦めてしまうという人もいるようです。
大量のエラーの処理は誰しもが通る道なので、プログラミングを学習する意味や目標を常に意識しながら、これらのエラー処理を乗り越えて行きましょう。
コードを完璧に理解しようとする
プログラミング初学者の方の中には、参考書などに出てきたコードを完璧に理解しようとする方がいます。
コードとはプログラミング言語を使って、コンピュータにさせたい命令を記述したテキストファイルのことです。コードは数多く存在していますし、よく使うコードもあれば、馴染みのないコードもあります。
そのため、コードを初めからすべて理解していく必要はありません。プログラミング学習中に忘れたコードがあればすぐに調べれば問題ないですし、プログラミング学習を進めていくとよく使うコードは自然と覚えていきます。
コードを理解しないと先に進めないと考えている初学者の方は、学習がなかなか進まないという状況になってしまうと思います。全部を完璧にすると気負わずに、学習を進めながら理解していこうという気持ちでいると良いでしょう。
コンピュータに慣れていない
現在多くの人がコンピュータを使うようになっていますが、コンピュータ関連の知識に長けていたり、コンピュータを長時間使うという方はあまり多くありません。
プログラミングをするにはコンピュータ関連の知識を蓄えているかやコンピュータを使い慣れているかが重要です。コンピュータに詳しくないと、プログラミング学習はできても、結局自分が何をやっているのか分からないという状態に陥りかねません。
そのため、コンピュータに馴染みのない方はプログラミング学習を難しいと感じ、途中で諦めてしまうということもあります。プログラミングを始める前に、コンピュータに詳しくなることが大事でしょう。
プログラミングを続けていくには
ここまで、プログラミングは簡単に身に付けられる技術ではないという説明をしてきました。
しかし、プログラミングを身に付けて活躍している人は多くいます。そして、いくつかプログラミングを続けるポイントを守れば、誰でもプログラミングは身に付けられるはずです。
ここでは、プログラミングを始める前にやっておいた方が良いことを紹介します。
コンピュータ関連の知識を付ける
先述しましたが、プログラミングにはコンピュータ関連の知識が欠かせません。
プログラミングを身に付けようと思ったら、いきなりプログラミング学習を始めてしまうという人がほとんどだと思います。もちろん、それでもプログラミングを身に付けられれば問題ないです。
しかし、プログラミングのほかにコンピュータ関連の知識がないと、自分が何をやっているのかや自分のしているプログラミングでコンピュータがどのように動くかが分からない場面が出てくると思います。
このような理由でプログラミングを諦めてしまうという方も数多くいらっしゃいます。
そこで、プログラミングを始める前にまずコンピュータ関連の知識を付けるべきでしょう。コンピュータがどのように動いているのかやプログラムがハードウェアやOSとどのように関係しているのかなどはプログラミングだけでなく、これからの情報社会でも役立つはずです。
コンピュータ関連の知識やプログラミングの基本は独学でも十分に学習可能なので、ぜひプログラミングを始める前に学習してみてください。
目標を決める
プログラミングを続けていくために必要なのはモチベーションです。
大量のエラーを処理するのも、見たこともないコードを理解していくのも、モチベーションがあれば続けられるはずです。
そこで、プログラミングを始める前に皆さんに決めておいてほしいのが目標です。
プログラミングを身に付けて、自分が何がしたいのかやどのような仕事に就きたいのかを具体的に決めておくことは大切です。とりあえずプログラミングを始める方の多くが、途中でプログラミングに挫折してしまっています。
また、目標を決めるとそれに合わせてプログラミング言語や勉強方法を選択することができます。
プログラミングの知識が無い方だと、どの言語から始めればいいのかや独学で学習するかスクールに通うかなどでとても悩むと思います。一方、目標が決まっていればある程度はそれに合わせて選んでいけるので、スムーズに学習を始められます。
ぜひ、これからプログラミングを始めたいと考えている方はまず目標を決めるところから始めてみてください。
学習スケジュールを立てる
学習を始める前に、大雑把な学習スケジュールを決めておきましょう。
自分がいつまでにプログラミングの学習をどこまで終わらせたいかを明確にしておけば、それに合わせて勉強時間を確保したり、勉強方法を工夫したりすることができます。
例えば3か月で参考書でJavaScriptの基礎を身に付けたいと考えているなら、参考書の目次を見て、1か月ごとに何章まで終わらせるのかを決めておくのも良いかもしれません。
皆さんはとりあえず参考書を最初のページからやり始めて、最初は順調だけど、だんだんと学習のペースが落ちる。最後には学習を辞めてしまうというような経験はありませんか。
これを防ぐためにも学習スケジュールを立てて、学習の終わりを意識するようにしましょう。
自分に合った言語を選ぶ
プログラミング初心者の方だと、どの言語を選べばいいのか分からない方が多いと思います。
プログラミング言語とは、コンピュータと人間がコミュニケーションをとるために作られた言語で、プログラミングではこのプログラミング言語を使用します。
プログラミング言語は開発分野によって使われるものが違いますし、学習の難易度も言語の複雑性などから変わってきます。そこで、プログラミングをこれから始めるという人は言語選びが肝心です。
もし自分のレベルに合ってない言語を選べば、専門知識等が多すぎて自分だけでは理解できないという状況になってしまうでしょう。また、興味のない分野の言語を選んでしまえば、学習を続けるモチベーションを失ってしまいます。
この言語選びに失敗して、学習が続けられなかったという人も多いくらいです。
そのため、自分のレベルに合った言語や自分の目標に合わせた言語を選ぶようにしましょう。
初心者向けのプログラミング言語
プログラミングを始める前に、自分に合った言語を選ばなければならないという話がありました。そこで、どの言語が初心者でも始めやすいのかが気になる方もいらっしゃるはずです。
そこで、ここでは初心者のレベルに合ったオススメの言語をいくつか紹介したいと思います。
HTML&CSS
HTMLとCSSは厳密にはプログラミング言語ではありません。HTMLはマークアップ言語、CSSはスタイルシート言語と呼ばれています。
しかし、この2つの言語はプログラミング言語との共通点も多く、プログラミング言語として紹介されることも少なくありません。
HTMLは文字や見出しなどWebサイトの構造を決めるために使用され、CSSは文字の色や画像などのWebサイトのデザインを決めるために使用されます。
そのため、この2言語はWebサイト作りには欠かせず、この2言語だけで動きのないWebサイトは作成することができます。
また、この2言語は他の言語に比べれば覚えることも多くなく、言語の構造もシンプルです。
そのため、多くのプログラミング未経験の方はまずこの2言語の学習から始めることが多いです。
JavaScript
JavaScriptは、Webサイトに動きをつけたい時に使用されるプログラミング言語です。
Webサイトに動きをつけるとはどういうことか、あまりイメージつかないと思います。
例えば、Webサイトの画像が小さいなと思った時に、拡大表示できるようにしたり、Webサイトを訪れた時にアニメーションを流したりすることができます。
ほとんどの企業がWebサイトを保有するようになり、JavaScriptの需要も高まっています。HTML&CSSの学習を終えた方などはぜひ挑戦してみてください。
PHP
PHPもJavaScriptと同じくWebサイトに動きをつけるために使用されています。
PHPとJavaScriptでは使用するサーバーが違います。PHPはWebサーバーで処理されています。
PHPの大きな特徴はWordPressのカスタマイズができるようになる点です。WordPressとは、webに関する技術がない人でも簡単にwebサイトやブログが作れるソフトウェアです。多くの企業がWordPressを導入しています。
WordPressだけでもホームページやブログは作成できるのですが、より質の高いWebサイトを作りたいならPHPを使用することになります。
PHPは構文などがシンプルで学習難易度はあまり高くありません。そのため、プログラミング初心者の方でも学習しやすい言語と言えるでしょう。
この他にもプログラミング言語はたくさんあります。興味のある方はこちらの記事も参考にしてみてください。
オススメの学習方法
プログラミングを本格的に始めたい方に、オススメの勉強法を2つ紹介します。ぜひプログラミングを始める際に参考にしてください。
独学
プログラミング未経験者の方の多くがまず独学でプログラミングを始めます。
プログラミングが注目を浴び始めてから、独学でプログラミングを学習する環境が整い始めています。そこで、プログラミングを独学で学ぶ主な方法をいくつか紹介します。
参考書
独学と聞いて多くの方がまず思いつくのが参考書を使っての学習でしょう。
参考書での学習は分からない箇所を質問する相手がいなかったり、学習のペースを自分で決めなければならないので挫折しやすいとも言われてます。
しかし、プログラミングに関する参考書も数多く販売されており、自分が勉強したい言語や自分の興味のある分野についての参考書もすぐに見つけられるでしょう。
また、他の学習方法だと一定期間学習を終えると、教材を使えなくなってしまうこともあります。一方、参考書ならば一度購入してしまえばずっと使えるので、プログラミング学習期間だけでなく、実際にプログラミングを使う職に就いてからも活躍してくれます。
参考書は安価で気軽に始められるのでぜひ近くの書店などで、自分に合った参考書を探してみてください。
またどのような参考書があるのかわからないという方はこちらの記事を参考にしてみてください。
Webサイト
最近ではプログラミング学習用のWebサイトも誕生してきています。
Webサイトの特徴としては、プログラミングスクールのような質の高い講義が安価で受けられる点と時間を気にせずいつでも受講ができるという点にあると思います。そのため、学校が忙しいという学生さんや仕事が忙しいという社会人の方でも、無理せずプログラミングの実力を上げることができます。
ここでは、プログラミング学習用のWebサイトとして2つ紹介します。
まずはドットインストールです。
ドットインストールではすべての講義が3分程度の動画でまとめられていて、それを視聴して学習を進めていきます。
3分程度と短い動画なので、仕事の休憩中や通勤時の電車の中での学習も可能です。また、ドットインストールはプログラミングの環境構築も詳しく動画で解説されているので、プログラミング未経験者の方でも安心して学習を始めることができます。
ドットインストールには、いくつか無料で視聴できる講義が用意されています。興味のある方はぜひドットインストール ホームページでチェックしてみてください。
次にProgateです。
Progateはスライド式で自分でそれを読みながら学習を進めるスタイルです。
Progateのスライドは図や画像が使われていたり、説明も専門知識などをあまり使わずに書かれているので、未経験者でもあまり困ることなく学習が進められます。また学習分野ごとに章が分かれており、章末にはテストがあるので、自分の実力を確かめながら学習を進めることができます。
Progateもいくつか無料で受講できる講座が用意されているので、もし興味があればProgate ホームページで確認してみてください。
プログラミングスクール
将来、プログラミングを使った職に就きたいと考えている方はプログラミングスクールがおすすめです。
多くのプログラミングスクールが独自のカリキュラムを使って、短期間で確実にプログラミングを身に付けられるように指導しています。
また、講師や質問対応はプログラミング歴の長いエンジニアが担当していることが多く、学習中にわからない箇所が出ても、彼らが実務経験を生かして回答してくれます。
そのためスクールに通えば、プログラミング学習に途中で挫折することも少なく、実力もどんどんつけていくことができます。
就職や転職支援などのキャリアサポートが充実しているスクールも多いです。本気でエンジニアやプログラマを目指すならプログラミングスクールを是非検討してみてください。
まとめ
この記事では、プログラミングは簡単なのかという初学者によくある疑問について説明し、プログラミングを続けるためのポイントを解説してきました。
実際、プログラミングは挫折率も高く、決して簡単に身に付けられるわけではありません。しかし、学習方法を工夫したり、プログラミングを続けるためのポイントを守ることで誰でもプログラミングを身に付けられるはずです。
プログラミングはこれからますます注目される技術になっていくでしょう。
そのためこの記事でプログラミングの実態を知り、その上でプログラミング学習を始めていただければ幸いです。