IT化が進み、耳にすることも増えた「プログラミング」という言葉。しかし、プログラミングについて詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。
小学校ではプログラミング教育が必修となったこともあり、ますます目にする機会も増えていくことが予想されます。
この記事ではプログラミングとは何かということに加えて、プログラミングスキルを習得するメリットやおすすめのプログラミング言語、誰でも習得することは可能なのかについても紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
プログラミングとは
それでは早速、プログラミングとは何かについて解説していきます。
プログラミングとは、コンピュータに出す指示を記述することです。コンピュータは記述された指示に従って順番に処理を実行します。
人間は「考えること」ができるため、曖昧な指示でも意図を汲み取ることができますが、コンピュータはそうはいきません。コンピュータは一つ一つ厳密に指示されてやっと指示通りに動きます。
その厳密な指示を作ることをプログラミングと言います。
プログラミング言語とは
コンピュータは人間の言語(日本語や英語)が理解できないので、プログラミング(コンピュータへの指示出し)にはコンピュータが理解できる言語を使う必要があります。
それがプログラミング言語です。有名なプログラミング言語としてはRuby、PHP、Java等があげられます。
プログラミング言語について詳しく知りたい方はこちらの記事をご確認ください。
プログラムとプログラミングの違い
プログラムとプログラミングを混合してしまう人が多いですが、プログラムとはコンピュータへ出す指示を書き起こしたもので、プログラミングはそのプログラムを作ることを言います。
プログラムは作成物、プログラミングはプログラムを作る行為です。
プログラムの語尾に英語のingを足した言葉がプログラミングと考えるとよいでしょう。モニター(商品について意見する人)とモニタリング(モニターを調査する行為)と同じですね。
プログラミングの実用例
プログラミングで作られたものは、世の中にあふれています。
具体的には以下のものが挙げられます。
- スマホやパソコンのアプリ
- ゲーム
- AmazonやメルカリなどのWebサービス
- 銀行のシステム
- 電化製品など
このように、私たちの生活はプログラミングで作られたもので支えられています。
プログラミング学習のメリット
小学校で必修化されるなどプログラミングが近年注目を集めていますが、プログラミングを学習するメリットは何でしょうか。多くのメリットがありますが、今回は代表例3つを紹介します。
論理的思考力が身につく
プログラミングは、一つ一つの処理を適切に組み立てる論理性が求められます。
プログラミングは処理の組み立てが少し間違っているだけでうまく動かないこともあります(エラーと呼ばれます)。
もちろん、エラーを解決するには処理の流れが論理的に正しいかどうか判断する必要があり、ここでも論理性が求められます。
論理的に処理を組み立て、その中で生じるエラーを解決することにより論理的思考が養われます。
もはやプログラミングを学習する=論理的思考力を鍛えると言っても過言ではありません。
自分が思い描いたサービスを実現できる
普段スマホやパソコンで見るWebサイトやWebサービスは、すべてプログラミングで作ることができます。
AmazonもLINEもTwitterもすべてプログラミングで作られています。より快適な生活を実現するために、このようなサービスは必要不可欠です。
ふと「こんなサービスがあればいいな」と思っても普通の人なら想像で終わりますが、プログラミングスキルがあれば自分が思い描いたサービスを自分の手で作ることができます。
将来性がある
経済産業省の発表(「IT 人材需給に関する調査」)によると、2030年にはIT人材が約79万人不足すると予測されています。
小学校でのプログラミング必修化など対策が講じられていますが、IT関連市場の急速な拡大に追いつくことは難しく、人材不足は解消されないでしょう。
そのため転職や就職に非常に有利で、プログラマーやエンジニアは将来的にも安定して仕事がある職業と言えます。
プログラミングは誰でもできるのか
プログラミングのイメージとして「高学歴の人しかできない」「理系っぽい」「パソコンが得意な人しかできない」ということを想像する人も多いのではないでしょうか。
そんなイメージを持っていると、自分でもプログラミングは習得できるの?と不安になりますよね。
実際、プログラミングは誰でも習得可能なのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
高学歴の人しかできないのか
プログラミングスキルは高学歴でなくても習得できます。高学歴の人しか習得できなかったのは、インターネットが普及する前の話です。
当時は書籍だけの独学でプログラミングを習得する必要があり、書籍で勉強するのが得意な高学歴の人の方が習得しやすかったのでしょう。
現代では書籍以外の学習法も充実しており、学習時間を確保できれば誰でもプログラミングを習得できる環境が整っています。
理系の人しかできないのか
プログラミングスキルは理系でなくても習得できます。ただ、AIや機械学習を扱う場合は高度な数学的知識が必要不可欠なため、文系の人が学習するのは難しいでしょう。
しかし、それ以外のWebサイトやWebアプリ開発では高度な数学的知識は不要で、算数がわかれば十分なので、文系の方でも習得可能です。
ではなぜ、プログラミング=理系のようなイメージがあるのでしょうか。
考えられる原因としては、
- 大学の情報系学部が理系であること
- 論理的思考が必要であること
が考えられます。
情報系学部が理系であることは、前述したAIや機械学習を扱うためです。
また、プログラミングに論理的思考が必要であることは確かで、数学や物理を通してその力が鍛えられることも事実です。しかし、論理的思考は国語でも養われるため、文系と理系で論理的思考力に大きな差異はありません。
パソコンが得意な人しかできないのか
パソコン苦手だからプログラミングなんて無理」ってイメージありますよね。しかし、実はプログラミングスキルはパソコンが苦手な人でも習得できます。そもそもパソコンが苦手な原因として、単純にパソコンに触れる時間が短いことが大きいです。
そのため、今まであまりパソコンに触れたことがないことで苦手意識がある人でも、プログラミング学習を機にパソコンに長い時間触れるようになった結果パソコンが得意になる、なんてことも多いです。
また後述するProgateというWebサービスを使えば、プログラミングを始めるための面倒な環境構築をせずにプログラミング学習を始めることもできます。
ただ、パソコンをある程度使えるがそもそもパソコンが嫌いという人はやめたほうが良いかもしれません。
プログラミングの学習方法とおすすめロードマップ
ここまでプログラミングを解説してきて、やってみたい!と思った方もいると思います。
そのため、ここからはプログラミングの学習方法について解説します。
プログラミングの学習方法は、大きく分けて3つあります。
- 書籍
- Webサービス
- スクール
これら3つの学習方法に加えて、それらをどう活用するかについても紹介します。
書籍で学ぶ方法
一つ目の学習方法は、書籍です。書籍で学ぶメリットは、一冊で体系的な知識を得ることができる点です。
インターネット上の情報は質、量ともに充実していますが、バラバラの情報ばかりです。
例えば英語を学習する際、インターネットでは現在進行形や仮定法など項目ごとに別々で調べなければいけません。一方、書籍では一冊に基本的な文法が全て載っていて分かりやすいです。
ただ注意点として、昔の書籍だと情報が古く、書いてある通りにコードを書いてもうまくいかない点があげられます。書籍が発行された時期はしっかり確認するようにしましょう。
また、書籍によって難易度にばらつきがあり、最初に上級者向けの本を買ってしまい挫折してしまうこともあるので注意しましょう。
以上2点に注意したうえで書籍で学べば言語の全体像を把握しやすいため、初心者におすすめの学習方法です。
Webサービスで学ぶ方法
2つ目の学習方法は、Webサービスです。Webサービスで学ぶメリットは、書籍より実践的に学習できる点です。
ここでは代表的なWebサービスのProgateとドットインストールを紹介します。
Progate
Progateは、初心者向けのプログラミング学習サイトです。
無料版と有料版があり、無料版で試してみて、さらに学習したい場合は有料版(月額980円)を検討するとよいでしょう。本来は、書いたコードを自分のパソコンで実行するには環境構築と呼ばれる準備が必要ですが、Progateではそれが事前に用意されているため、すぐにプログラミング学習を始めることができます。
ドットインストール
Progate同様、無料版と有料版があります。こちらも無料版を試したうえで、さらに学習したい場合は有料版(月額1,080円)を検討しましょう。
ドットインストールは約3分の動画を見て、自分のパソコンで実行しながら学習するのが特徴です。Progateと違い自分で環境構築を行わなければいけませんが、動画通りに進めればよいので躓きにくいです。
言語の文法を一通り解説する動画だけでなく、ToDoアプリやブログ機能のアプリを作るなど非常に豊富な種類の動画があります。
有料版を使用している人は動画内でわからない所を質問でき、ほかのユーザーの質問と回答も見ることができるのもポイントの一つです。
スクールで学ぶ方法
3つ目の学習方法は、スクールです。スクールで学ぶメリットは、手厚いサポートで挫折しにくい点です。
書籍やWebサービスで学習する方法はいわゆる独学と呼ばれる学習法ですが、独学で限界を感じたらスクールを検討するのも手でしょう。
ただスクールは独学と比べてお金がかかるため、本当にプログラミングを学びたい方や最短でエンジニアになりたい方以外がスクールで学ぶのはおすすめしません。
3つの学習方法をあげましたが、どういった手順で学習を進めてよいかわからない方も多いでしょう。
おすすめとしては、まず1つの言語をProgateやドットインストールなどのWebサービスで学習します。その後、言語の全体像がよくわからず理解があいまいだと感じれば、その言語の初心者向け書籍を使って学習します。
Webサービスと書籍を活用し、わからない部分があれば適宜インターネットで検索して自力で問題を解決できるような検索力も養います。
それでも学習が難しい、もっと効率的に学習を進めたいと思った方は、スクールで手厚いサポートを受けながら学習するとよいでしょう。
おすすめのプログラミングの学習方法とロードマップについては下記記事をご覧ください。
初心者におすすめのプログラミング言語
プログラミング言語は非常に数が多く、メジャーなものだけでも20種類以上あります。
初心者の方はどれを選べば良いか悩むと思いますが、具体的な目標がない方は難易度の低いHTMLかRubyがおすすめです(厳密にはHTMLはマークアップ言語と呼ばれますが、ここではプログラミング言語とします)。
プログラミングは誰でもできるとは言いましたが、わからないところで詰まってモチベーションが下がり、学習を辞めてしまう人が多いのも事実です。
その点難易度の低いHTMLやRubyは、ほかの言語と比べてどこかで詰まることも少なくモチベーションを維持して学習できます。
他のプログラミング言語についても知りたい方は、別記事で求人数の多さや年収の高さなどに焦点を当てたおすすめ言語について解説しておりますので、ぜひご覧ください。
まとめ
今回は、プログラミングの概要に加えてなれる職業やおすすめ言語、学習方法についても解説してきました。
どの企業でもIT化が進んでおり、プログラミングについて知っておくだけでも周囲の人と差をつけることができるでしょう。
また、本記事を読んでプログラミングに興味を持った人は、ぜひ今回紹介した学習法や言語を参考にしてください。