IT関連の国家資格として有名なのが「ITパスポート」です。あなたがもしIT関連の仕事に就こうとしているのであれば、ITパスポートの資格は取得しておいて損はないでしょう。
しかし、「ITパスポートの資格ってどれくらいの勉強時間で取れるんだろう?」と思われる方も多いです。
そこで今回の記事では、ITパスポートの取得に必要な勉強時間はどれくらいなのか?ということについて徹底解説いたします。
IT関連の企業で働きたいと考えているあなたのような人には、ITパスポートは必須の資格だと考えて良いです。
最後まで記事を読んで、ITパスポートの資格取得を目指してみましょう!
ITパスポートって何?
ITパスポートとは、「Iパス」とも呼ばれ、IT関連の資格の登竜門とされています。試験を主催しているのは、独立行政法人のIPA(情報処理推進機構)で、2009年の春から試験が行われています。
経済産業省が認めている国家資格の1つで、ITパスポートを持っているだけで、就職をする時にも大いに役に立つ資格です。もし、取得しようかどうか悩んでいるのであれば、間違いなく取得しておいた方がいいでしょう。
IT関連の知識が全くない人でも、十分に取得しやすい資格なので、取得にチャレンジしてみるのがおすすめです。
ITパスポートを取得するために必要な勉強時間
そんなITパスポートですが、取得するためにはどれくらいの勉強時間がかかるのでしょうか?これは、「元々IT関連の知識がある人」と「IT関連の知識がない人」でかなりの差があるので、それぞれに分けて解説しましょう。
IT関連の知識がある人
まずは、IT関連の知識がある人からです。IT関連の知識がある人は、おおよそ100時間程度の時間を費やせば、ITパスポートを取得することが出来るでしょう。
IT関連の知識があるというのは、情報処理系の学校に通っていたり、IT関連企業で働いた経験があるような人の事です。
1日辺り1.5時間を勉強時間に充て、90日間勉強したとして、130時間になります。100時間の詰め込み学習に自信がないと感じられる方は、130時間も勉強すれば、多少余裕を持って取得できるでしょう。
ちなみに、ITパスポートの試験ではIT関連の知識だけではなく、経営や会計の基礎知識も出題されるので、ある程度時間をかけて幅広い分野の勉強をしておいた方が、取得はスムーズです。
文系出身の方や、IT関連の知識がない人
IT関連の知識が全くない人が、ITパスポートの資格を取得したいのであれば、180時間から200時間程度は、勉強時間を確保したほうが良さそうです。
1日2時間程度を目安に勉強したとして、90日間継続すると180時間になります。その程度の時間を確保して試験に挑めば、ITパスポートの取得はグッと近づくでしょう。
ちなみに、IT関連の知識がない人や文系の学校に通っていた人は、基本的なIT用語をあまり知りません。なので、まずは基本的なIT用語を覚えることを中心に勉強するのがおすすめです。いきなり実際の問題を解こうとしても、意味が分からないため挫折してしまう可能性が高いです。
ITパスポートを取得するメリットとは?
ITパスポートを取得するとどんなメリットがあるのでしょうか?主なメリットを2点ほど挙げてみました。
- ITの基礎知識が習得できる
- 大手企業でもITパスポートの資格を評価してくれる
この2点がメリットです。それぞれのメリットについてもう少し詳しく見ていきましょう。
ITの基礎知識が習得できる
1つ目のメリットは「ITの基礎知識が習得できること」です。ITパスポートは当たり前ですが、IT関連の基礎知識をしっかりと網羅した内容になっています。そのため、曖昧に覚えていたIT関連の基礎知識を再度学び直すことが出来るのです。
その他、ITパスポートの試験には、経営全般、管理職スキル、IT関連技術のような内容の問題も出題されます。そのため、IT関連の基礎知識以外のことについても、幅広く学習できるのです。
IT関連の仕事だけをしていると、プログラミングやwebデザイン関連の知識しか必要ないと考える人もいますが、より幅広い視点で物事を理解できるようになっていた方が、仕事の幅は広がります。
ITパスポートを取得して、将来の仕事の場で困らないようにしましょう。
大手企業でもITパスポートを評価してくれる
2つ目のメリットは「大手の企業でもITパスポートを持っていることを評価してくれる」ということです。ITパスポートは経済産業省が認めている国家資格です。そのため、大手企業に就職する際もIパスを持っているだけで評価がグッと上がります。
IT関連の企業に就職するつもりがない場合でも、仕事をこなしていく上で役に立つ場合もあるので、ITパスポートは取得しておくのがおすすめです。
ITパスポートを持っているだけで、大手企業への就職が有利になるかもしれません。
ITパスポートの試験はどんな方法で行われるのか?
ITパスポートの試験は「CBT方式」という方法で行われます。
CBTとは「Computer Based Testing」の略で、パソコンの前に座って、制限時間内に問題を解いていく方法です。
制限時間は120分間で、出題される問題数は100問。つまり、1つの問題を1分以内に解いていかなければ、全問を回答することはできません。かなりのスピードで問題を解いていく必要があるのです。
全体で1000点満点となっていて、そのうち600点を獲得すれば試験には合格できます。ただし、出題分野は以下の通りとなっていて、この分野でそれぞれ300点以上を獲得していなければ、合格にはなりません。
分野 | おおよその出題数 | 特徴 |
ストラテジ系 | 35問程度 | 企業活動、経営管理などに関する分野の問題 |
マネジメント系 | 20問程度 | マネジメントスキルに関する問題 |
テクノロジ系 | 45問程度 | コンピューターのソフトウェア、ハードウェア、プログラミングなどのスキルに関しての問題 |
各分野の合計点がそのまま総合点にはなりませんが、あくまでも全ての分野を平均的に正答していかなければ、合格点はもらえないのです。幅広い分野を学習しておかなければITパスポートは取得できないでしょう。
ITエンジニアとして会社員になるのであれば、経営管理や企業活動などの知識はあまり必要ありませんが、将来的に「フリーランスエンジニア」などになりたいと考えているのであれば、「ストラテジ系」や「マネジメント系」の知識を覚えておくことは有用です。
長期的な事を考えて、幅広い分野の知識を得るための努力をしておきましょう。
ITパスポートを取得するための勉強方法とは?
では、ITパスポートを取得するためには、どんな方法で勉強をすればいいのか?おすすめの方法は、以下の通りです。
- テキストを繰り返し読んで基礎をインプットする
- 問題集を解いてアウトプットする
- 過去問を何度も解いて本番に備える
- 動画サイトなどで情報を得る
テキストを繰り返し読んで基礎をインプットする
1つ目は「テキストを読んで基礎をインプットすること」です。
本屋さんに行けば沢山の、ITパスポートに関するテキストが販売されています。そのテキストをまずは購入し、基礎的な事をインプットしていきましょう。
IT関連の単語などが理解できなければ、ITパスポートの問題を解くことは不可能です。特に、今までIT関連に携わった事のない人は、ITの用語を覚えることから始めるのがおすすめです。
ただし、始めからテキストの内容をすべて丸暗記する必要はありません。全体的な内容がうっすらと分かっていれば、出題される問題の内容を理解できます。3カ月間の学習期間を使いながら、何度も読み込んでいけば問題ないでしょう。
問題集を解いてアウトプットする
2つ目の方法は「問題集を解くこと」です。
テキストを読み込んで、基礎をインプットできたら、実際に問題を解いていくのが、最も効率的な勉強方法です。問題集に載っている問題を何度も解いていくことで、「よく出る問題」が段々と分かるようになります。
この「よく出題される問題」は必ず理解するようにしてください。ITパスポートの試験では、毎年新しい問題が少しずつ増えていきますが、よく出題される問題の割合はあまり変化がありません。
なので、問題集にたびたび出てくる問題は、必ず答えられるようにしておくのが大切なのです。
新しく登場する問題を頑張って解こうとするよりも、先ずは基本的な問題を完璧にマスターしておきましょう。
過去問を何度も解いて本番に備える
さらに、ITパスポート試験の直前になると、「過去問を何度も解いて試験に慣れる」ように準備するのが大切です。問題集を何度も解いているので、出題される問題の傾向は分かっていると思います。
あとは、数年前からの過去問を何度も繰り返し復習して、試験の環境に慣れておきましょう。前述した通り、IT関連の問題だけではなく、経営関連、マネジメント関連などの分野でも、300点以上は確保しなければいけません。
過去問を解きながら、不安な分野を見つけ出し、全体的に点数が取れるようにすることをおすすめします。
動画サイトなどで情報を得る
4つ目の勉強方法としては、YouTubeなどの動画サイトを利用して勉強するやり方があります。現在では、YouTubeはかなりメジャーになって来ていて、様々な解説動画を挙げる人が沢山います。
実際にITエンジニアになって、ITパスポートを取得している人も沢山YouTubeで動画を挙げているので、テキストを読みつつエンジニアの解説動画も参考にしてみましょう。テキストでは分からない、ITパスポート試験の裏側についても言及されているかもしれません。
その他のIT関連の資格との比較
IT関連の資格は、ITパスポート以外にもいくつかあります。ITパスポートと比較してどう違うのか?をちょっとだけ解説しておきましょう。
初級システムアドミニストレーター試験
1つ目の資格は「初級システムアドミニストレーター試験」です。こちらはITパスポート試験が始まる前の2008年まで設定されていた試験で、現在は廃止になっています。
「初級システムアドミニストレーター試験が廃止になって、ITパスポート試験が開始された」と多くの人は思っていますが、若干試験の内容が異なります。
初級システムアドミニストレーター試験は略して「初級シスアド」と呼ばれますが、初級シスアドの検定では、ITで業務に関わる人のリーダー育成を目的とされています。
つまり、ITパスポートの試験よりも多少高度な内容の出題が多いのです。
ただ、殆どのことがエンジニアのスキルに関する問題ばかりなので、かなり狭い範囲の出題になっている傾向があります。ITパスポートの試験は、「経営管理」「マネジメントスキル」「IT技術」などのように、幅広い分野から出題される試験なので、ちょっと違います。
初級シスアドの資格を取れる人が、ITパスポートの資格までとれるのか?というと、さらに幅広い分野の勉強をしなければ難しいでしょう。
ITパスポートの資格は、ITに関連する社会人全般に向けた資格なので、難易度は比較的低く、幅広い分野の問題が出題されるようになっています。
MOS
2つ目の資格は「MOS」です。
MOSとは「Microsoft Office Specialist」の略で、マイクロソフトという民間企業が独自に行っている検定になります。
Microsoft Officeとは、WordやExcel、PowerPointなどの、マイクロソフトが提供しているソフトのことで、MOSではそのMicrosoft Officeを扱う技術について出題されます。
殆どの企業では、経営管理などにMicrosoft Officeを使っているので、持っておいて損はない資格だと言えるでしょう。ただ、Officeのソフトを全く使う予定がない場合であれば、取得する必要はない資格です。
難易度も、ITパスポートよりは高くないとされているので、無理に取得する必要はないでしょう。
ITパスポートの試験とは異なり、実際にofficeのソフトを動かして問題を解いていくような内容なので、出題形式も異なります。手を動かして勉強をしていきたい人は、短期間でMOSの資格を取りやすいでしょう。
ただ、ITパスポートもMOSも「IT関連の資格の中では両方とも比較的とりやすい」ので、勉強をして両方とも取得しておくのがベストです。2つの資格を取って履歴書などに記載していると、幅広くIT分野に精通している人材だと思われるので、面接官の印象は良くなるでしょう。
ITパスポートを本気でとりたければプログラミングスクールで無料相談
ITパスポートの資格は、「独学」でも十分に取れます。
しかし、毎日本気で2時間も勉強し、それを3カ月間毎日継続することは、並大抵のことではないでしょう。そこでおすすめなのは、プログラミングスクールを使って資格を取得することです。
プログラミングスクールには、様々なコースが用意されており、IT関連のことにあまり詳しくない人でも、基礎からしっかりと学ぶことが出来ます。
また、プログラミングスクールの中には、無料でカウンセリングを行ってくれる所も沢山あります。もし、あなたが本気でITパスポートの資格を取りたいと考えるのであれば、まずはプログラミングスクールの無料カウンセリングに申し込みましょう。
経験豊富なカウンセラーが、あなたに理想の勉強方法を教えてくれるはずです。ちなみに、プログラミングスクールに通えば、MOSの資格についても効率的に勉強ができるので、おすすめです。
社会人としてIT関連分野以外の業種から転職を考えている場合にも、プログラミングスクールを活用することはかなり効率的です。
まとめ
というわけで、今回は「ITパスポートを取得するためには、どれくらいの勉強時間が必要なのか?」ということについて、詳しく解説してきました。
ITパスポートを取得するためには、IT知識がある方であれば100時間から120時間。IT知識が全くない方であれば、180時間から200時間程度の勉強時間が必要です。
ITパスポートは、経済産業省が認めている国家資格なので、取得しておいて損することはないでしょう。
履歴書にも掲載できるので、あなたの就職や転職を有利に進めてくれる資格になります。
特に、IT関連企業に入社したいと考えているのであれば、確実にあった方がいいです。
少しでも気になるのであれば、早速ITパスポート試験に向けて、勉強を開始されることをおすすめします。より稼げるITエンジニアになりましょう!