大学でプログラミングを習得して、将来システムエンジニアやプログラマになりたいという学生の方が増えています。
しかし「どの学部でプログラミングを勉強できるのか知らない」「自分に合った大学や学部の選び方が分からない」といった悩みを持っている方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事ではどの学部でプログラミングは学べるのか、また大学や学部を選ぶ際に注意したいことを紹介します。
エンジニアになるには
大学でプログラミングを学びたいという方の多くは、将来エンジニアとして働きたいという方たちではないでしょうか。そのため、最初にどうすればエンジニアになれるのかを確認しておきましょう。
まず、エンジニアになるために必要な資格などはありません。そのため、未経験や異業種で働いている方でもエンジニアになることは非常に難しいという訳ではありません。実際に、未経験歓迎というような求人もあります。
しかし、プログラミングやITに関する知識は持っておくべきです。未経験者歓迎という企業でもプログラミング経験者の方が評価は高くなりますし、エンジニアは成果物が評価されるのでプログラミングを身に付けておけば将来の幅も広がります。
従って、エンジニアになる前にプログラミングやITに関する知識を身に付けておくことが、エンジニアになるために一番必要なことであると言えるでしょう。そのため、大学でプログラミングを学ぼうという皆さんの選択はエンジニアになるための近道とも言えます。
また、エンジニアに向いてる人や就職の方法など、エンジニアについてもっと詳しく知りたいという方はぜひこちらの記事も読んでみてください!
大学でプログラミングを学ぶメリット
大学でプログラミングを学ぶことは、エンジニアになるための近道であるということはお伝えしましたが、他のプログラミング学習方法と比べて大学で学ぶことにはどのようなメリットがるのでしょうか。
ここでは、大学でプログラミングを学ぶ3つのメリットを紹介します。
質問できる人が身近にいる
プログラミングを学んで行く中で、自分だけでは分からないところやどうしても解決できないエラーが発生するはずです。インターネットで調べたり、本を呼んだりして解決できればいいのですが、それでも解決できないことには多くの時間がかかってしまうこともあるでしょう。
その点で、大学はプログラミング学習環境に適しているといえます。大学ではプログラミングで分からない箇所を聞くことができる友達や教授がいるからです。
また、エンジニアとしてどの企業を選ぶべきかなどの就職に関するアドバイスを受けられたり、エンジニアになってからも人脈を持っておけたりと、自分の将来に関わるような人との出会いもきっとあるでしょう。
学習時間を充分に確保できる
プログラミングやITに関する知識は日々進化していきます。
そのため、その情報量は膨大で、いくら勉強しても全然足りないくらいです。そのため、社会人やプログラミングを学ばない学部に通ってる人は、なかなか充分な学習時間が確保できないということもあります。
一方、大学でプログラミングを学び始めれば、大学での4年間をそれらの学習に充てられるので、確実に知識量を蓄積していくことができます。そのため、複数のプログラミング言語の習得は多くの社会人の方が時間的に諦めてしまうのですが、それも大学生なら可能でしょう。複数のプログラミング言語を習得することができれば、将来の働き方の幅が広がります。
このように、プログラミングに大学生活の多くの時間を割くことができれば、優秀なエンジニアになれるはずです。
大卒で年収が上がる
大学でプログラミングを学んで、卒業後にIT企業に就職すれば、大学卒の扱いになるので出世が早くなり年収が高くなる傾向があります。
大学には行かずに専門学校やプログラミングスクールだけを卒業してIT企業に就職する方も確かにいますが、収入という面を見れば大学でプログラミングを学び、就職した方がいいでしょう。
また、プログラミングを学ぶメリットについてもっと知りたい!という方はこちらの記事も参考にしてみてください。
大学でプログラミングを学ぶデメリット
どんな学習方法にもメリットとデメリットがあるものです。
大学でプログラミングを学習するかを決めるための材料として、大学でプログラミングを学ぶデメリットもいくつか紹介します。
実践的なプログラミング学習はできない
大学の講義は、主にコンピュータやプログラミングの仕組みや理論などを学んでいきます。そのため、自分の手を動かして、何かものを作るという作業は思ったより少ないという可能性が高いです。
もちろん大学によりますが、早くプログラミングを身に付けて、開発に携わりたいという方は大学での学習は向いていないかもしれません。
プログラミング以外の道に進みづらい
大学生は、将来の選択に関わる経験や知識を付ける時期です。そのため、大学生になってから、プログラミング以外の道に進みたくなるという可能性があると思います。
しかし、プログラミングは学習量が多いですし、学部によっては履修できる科目がある程度制限されていることもあります。そのため、一度、プログラミングを学習する学部を選択すると、他の道に進みづらくなるということもあるでしょう。
お金がかかる
国公私立大学の授業料等の推移によると、平成30年度の国立大学の1年間の授業料は535,800円で、私立大学の授業料は904,146円です。4年制の大学であれば、この金額を4年間支払う必要があります。
大学はプログラミング学習をするためだけに入るものではないので、金額では測れないかもしれませんが、これだけの費用が掛かってしまうのは理解しておいた方が良いかもしれません。
プログラミングを学べる学部
ここでは、プログラミングを学べる主な学部と学科を紹介します。
大学を選ぶ際にこれらの学部・学科があるかどうかを確認してみてください。
また、現在プログラミングを学べる大学は増えており、新しい学部を新設しているところもあります。そのため、これらの学部以外にもプログラミングができる学部もあるでしょう。自分の行きたい大学などに新しく学部ができてないかを調べてみてください。
情報学部
情報学部とは、情報学を学ぶ学部です。
情報学とは情報伝達の仕組みや流れを研究する学問で、学ぶ範囲がとても広いのが特徴です。メディアについてや情報管理などの文系分野とデータの分析やコンピュータの計算方法論などの理系分野があります。
コンピュータを使った実習や演習が多いところもあり、その中でプログラミング言語を学習しながら、ソフトウェアなどを実際に開発することもあります。
情報学部出身の方の多くは大学時代の学びを生かして、プログラマやシステムエンジニアとして就職することが多いようです。情報学部は、このような職業を目指している方にとっては注目の学部でしょう。
また、情報学部には主に次のような学科があります。
情報システム学科
情報システム学科では、システム開発や情報デザインというような分野を学ぶことができます。
システム開発の分野では、コンピュータやインターネット、ゲーム開発、VR、医療現場などで使用されるシステムなどの幅広いIT技術を学びます。また、情報デザインの分野ではWebデザインやアニメーションというようなコンピュータを利用した創造的な技術を学習します。
情報システム学科で学習している範囲は、エンジニアが持つべき資格である基本情報技術者試験や応用情報技術者試験に通じています。そのため、大学在学中にこれらの資格が取りやすいでしょう。
基本情報技術者試験や応用情報技術者試験などのエンジニアの資格について興味のある方は次の記事を参照してみてください。
メディア情報学科
私たちの周りには映像や音楽などのメディアが多数あり、現代ではほとんどのメディアにはコンピュータが利用されています。
メディア情報学科では、これらの現代メディアを創造するための企画力や開発力を学習していきます。
そして、現代メディアの中にはWebやゲーム開発、アプリなども含まれます。これらはプログラミングと密接に関係しているので、これらを学習する場合はプログラミングも一緒に学習することになります。
情報社会学科
情報社会学科では、情報技術や情報システムと社会の関係について研究します。
情報技術の発展でプライバシーなどの様々な社会問題が生じています。情報社会学科はこれらの問題を解決するために、新たな情報技術や情報システムを在り方を提案し、実践していくことを目指します。
そのため、情報技術や情報システムを支えるプログラミングの技術も情報社会学科では学ぶことになります。
理工学部
理工学部は理工学を学ぶ学部です。
理工学とは、理学と工学が融合した学問です。理学とは、自然界がどのような仕組みで成り立っているのかや自然界にはどのような法則があるのかを研究する学問です。それに対して工学はこれらの理学の知識を応用して、新しい技術を生み出していく学問です。
理学部や工学部ではそれぞれの分野のみを学習することが多いのですが、理工学部はこれらを総合的に扱い、研究を行っていきます。そのため、どのような法則や仕組みで最新技術が誕生し、運用されているのかを知れて、その技術の深い理解へとつながります。
理工学部出身の方の多くはシステムや情報通信などに精通しているので、機械設計やその技術者、エンジニアとして働いている方が多いです。
また、理工学部には次のような学科があります。
情報工学科
情報工学科では、現実の問題を解決するために工学と数学をどう活用していくかを学んでいきます。
具体的には、コンピュータを設計してシステムを構築する「計算機工学」や情報システムの組み立てやプログラミングなどをする「ソフトウェア」というような分野があり、これらを学んで現実に起こる問題をどう解決するかを考えていきます。
情報の分野には欠かせないプログラミングを学び、問題解決にそれを生かすことが情報工学科では求められています。
電子工学科
電子工学科では、電気の性質や電子の流れについて学ぶことで情報伝達処理について学ぶことができます。
電子回路やデジタル回路、半導体の知識や技術などは、日本の産業を支えるロボットや情報通信技術には欠かせません。そのため、日本の技術開発に大きく貢献している学問であるといえます。
始めは物理や数学を学ぶことが主なのですが、次第にプログラミングなどのコンピュータに関連することも学んでいくことが多いです。
文系学部でもプログラミングは学べる
実は、多くの大学では文系学部に所属していてもプログラミングを学ぶことはできます。
近年、プログラミングのスキルやIT関連の知識は、多くのビジネスパーソンにとって必須スキルとなってきています。そこで、文系や理系など関係なく自由に取れる科目として、「プログラミング」の授業が設けられているケースが増えてきています。
この授業だけでは専門的な内容は学ぶことができないことが多いです。しかし、この授業でプログラミングを軽く学習し、もし興味があればプログラミングスクールや独学などで学習を進めるという選択もできます。
もし、自分は理系ではないから、プログラミングの学習を諦めないとと思っている方は、一度文系学部に進学してみても良いのではないでしょうか。また、文系でプログラミングを習得したい!という方にはこちらの記事もぜひ参考にしていただきたいです!
大学や学部の選び方
目標から逆算する
大学でプログラミングを学習するといっても、学部や学科によってできることは違います。そこでまずは、将来何に自分がなりたいかや何をできるようになりたいかを第一に考えて、そこから学部や学科を選びましょう。
とはいうものの、大学を決める前に将来を決められるという方は多くはないと思います。そのような時は、現時点で自分の興味のある分野を選んでみましょう。プログラミングやITの知識は分野ごとに違いはありますが、共通点も多いです。そのため、他の分野に進むと決めたからといって、今までの学びが無駄になるということはないでしょう。
また、大学は割と自由に授業が取れることがあるので、入ってから色々な分野を学習し、将来を決めていくのでも遅くはないと思います。
立地とレベルを考える
プログラミングを学ぶことができる大学は増えてきているものの、自分の通える範囲の大学かどうかは分かりません。そこで、まずは自分の通える範囲の大学に何の学部・学科があるのかを把握することは大切です。
自宅からは通えないけど、本当に通いたい大学があるという場合は一人暮らしなども視野に入れつつ選んでみてください。
また、自分のレベルにその大学が合っているのかも大事な基準だと思います。自分のレベルより下の大学だと授業の質もですが、周りの環境も想像していたのと違うということになりかねません。
そのため、自分のレベルに合った大学やそれより上だと思う大学を目指しましょう。高い環境に行けば行くほど、大変になるとは思いますが、プログラミングを思う存分学べるはずです。
就職率や就職先を見る
自分が将来どのような企業に就職したいのかや大学院に進みたいなどが決まってる方は、その大学の就職率や就職先を見るようにしましょう。
自分の目指す企業に就職している先輩がいればその人からその企業についての話が聞けるかもしれませんし、就職率が高ければその大学の就職支援が充実しているのかもしれません。
また、就職率のほかに学部ごとの大学院進学率を見ると、その学部のどのくらいの人が大学院に行くのかが分かります。理系の方で大学院まで進みたいという方は多いので、ぜひ大学選びの際に参考にしてみてください。
プログラミングは大学以外でも学べます
ここまで、大学でプログラミングを学ぶことを前提に話を進めてきました。
しかし実は、大学でプログラミングを学ぶつもりなら次のような点に注意しなければなりません。
- 理論ばかりで実践的な内容が少ないことが多い
- プログラミング以外の授業も多く、時間がとられてしまう
- 高い学費がかかってしまう
そのため、プログラミングを大学以外で学び、エンジニアやプログラマを目指す人もいます。そこで、大学で学ぶ以外の主なプログラミングの学習方法を紹介します。
Webサイト
プログラミングはWebサイトで学ぶことができます。
Webサイトには、低価格で質の高い講座や教材が用意されています。また、自分の好きな時間に学習することができるので、忙しい方でもWebサイトでの学習は続けやすいです。
代表的なプログラミングを学べるWebサイトとして、Progateとドットインストールが挙げられます。
Progateはスライド方式で学習を進めていきます。スライドは図が多く、視覚的にもとても分かりやすいです。また、学習の範囲ごとに復習テストがあるので、実際に自分の知識定着を確かめながら学習を進めていくことができます。
ドットインストールは3分程度の講義動画を見て、学習を進めていきます。動画が短いので、休憩時間や移動時間などを利用して学習を進めることができます。また、開発環境を整えるところから説明してくれているので、初心者の方でも安心です。
Progateもドットインストールも、無料でいくつかの講座が受けられるので、気になる方はぜひ受講してみてください。
またこちらの記事で、無料で気軽にプログラミングを体験できるサービスを紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
プログラミングスクール
プログラミングを身に付けたいと本気で考えているなら、プログラミングスクールがオススメです。
ほとんどのプログラミングスクールが独自のカリキュラムを持っており、短期間で高いレベルのプログラミングが身に付けられるように考えられています。また、個人のスケジュールに合わせて学習計画を立ててくれるところもあるので、忙しい方でも安心です。
学習面に関しては、現役のエンジニアが講師やサポート役になっているところが多く、分からない箇所はすぐに解決でき、キャリア設計の相談などもできます。そのため、プログラミングを途中で挫折するリスクを大幅に下げることができます。
本気でエンジニアやプログラマになるためにプログラミングを学習したいという方は、プログラミングスクールがオススメです。
まとめ
この記事では、プログラミングが学べる大学の学部について紹介してきました。
プログラミングに力を入れている大学も増えてきており、新たな学部も生まれてきています。そのため、大学のホームページや受験情報サイトで情報収集をすると良いでしょう。
また、プログラミングを学ぶ環境として大学が自分に合ってないかもしれないと感じる方は、ぜひ他の学習方法も試してみてください。
この記事が皆さんの大学や学部選びに役立つことができれば幸いです。