本でプログラミング学習は非効率・いらない?本を活用した学習の紹介

プログラミング本いらない学習方法

若者の本離れが言われて久しいですが、プログラミング学習においても、「本などいらない」という人が出てきています。

プログラミングというデジタルの世界では、本というアナログなメディアはもほや時代遅れなのでしょうか。

世間ではAIだなんだと言っているのに、本なんか読んでて大丈夫?そんな声も聞こえてきそうです。

直感的には、なんとなくそうかな、とも思えますが、果たしてどうなのでしょう。

プログラミング学習に本はいるのかいらないのか。この記事ではその辺りを考えていきます。

プログラミング学習に本は非効率?いらないと言われる理由

本棚と扉

昔から、漫画の秀才キャラといったらメガネをかけて本を読んでいるものです。勉強といったら本、と決まっていました。

ところが最近は、だいぶ事情が変わってきました。学びの方法が昔に比べて格段に広がったのです。

プログラミングという知的な行いにさえ、本はいらないという人が出始めました。彼らの根拠は、一体どこにあるのでしょうか。その理由は、次のようなものです。

読むだけではアウトプットできないから

プログラミングの学習では、自分の手を使ってキーボードからコードを打ち込むという過程が欠かせません。知識をインプットしたら、それをコードとしてアウトプットしなければならないのです。

本を読むだけでは、学習効果は高くありません。本に書いてあるコードを打ち込んで、動かしてみることが必要です。

しかし、パソコンの前で本を開いて、両手でキーボードを叩く、というのはなかなか難しいものです。プログラミングの本は分厚いものが多いので、開きっぱなしにするのに難儀します。

こういう理由から、本ではプログラミングは学べないと思っている人もいるようです。

優れたWebサービスが増えてきたから

最近は、オンラインでプログラミングを学べる学習教材やスクールが増えてきました。

動画を見るのが中心のものやブラウザに実際にコードを打ちながら学ぶもの、そしてマンツーマンでみっちり教えてくれるものなど、様々なタイプがあります。学ぶ選択肢がだいぶ広がりました。

こういうWebサービスのほうが、本よりも頭に残りやすい、という学習者は多いでしょう

ネットで情報が無料で手に入るから

インターネットが普及する前からコンピューターはありました。その時代は、プログラミングを学ぶなら本から情報を得るしかありませんでした。

本はけっこう値が張りますが、「かかるものはかかるのだ」と腹をくくって、先達たちは本に投資していました。

しかし今はどうでしょう。ネットは空気のように当たり前のものになり、体に酸素を取り込むように情報を取り込めるようになりました。

あらゆるプログラミング言語の懇切丁寧な入門サイトが世界中にあります。すべて無料で見ることができます。

どうしてわざわざ本など買う必要があるのか?と思う人が増えるのは仕方ないことなのかもしれませんね。

難しくて理解できないことがあるから

プログラミング学習用の本は、良くも悪くも内容が専門的であるものが多いです。

そのため、本にはプログラミング初心者の方には理解が難しいような内容が、詳しい説明なくさらっと書かれていることもあります。

また、プログラミングを習得するには、様々な分野の知識が必要になります。

例えば、Web系の言語を学習している場合、SEOの知識であったり、データベースの知識であったりも同時に学んでいかないといけません。従って、様々な分野の知識もきちんと身に付けている人でないと、本での学習がスムーズに進まないということもあります。

特に独学の方は、分からないことがあっても誰かに質問ができないことも多いでしょう。そのため、学習が思ったように進まず挫折してしまうという方もいます。

技術がアップデートされる場合があるから

IT業界は技術進歩がとても速いです。

そのため今日、Aという方法があったとしても、数年でAを更新したBという方法が生まれている可能性はとても高いです。この技術のアップデートに、本はリアルタイムでついていくことが難しいです。

一方で、ネットは情報の更新性が高く、新たな技術についての情報をすぐに手に入れることができます。そのため、アップデートされる可能性のある情報は、ネットで常に調べながら手に入れていくのがおすすめです。

とにかく、一度本を買っても、その本に書いてある技術は数年で使われなくなるという可能性があることを念頭に置かなければなりません。

本を使った学習のメリットは?

山積みの本

それでは、本でプログラミングを学ぶ時代は終わったのでしょうか?

そんなことはありません。

本には本の良さというものがあります。長年人々に親しまれてきた歴史の重み、のようなものがあります。

では、具体的に本のメリットとはどんなものでしょうか。

1冊でまとまった知識を得られる

本は、あるテーマに沿ってまとまった知識を提供してくれます。

それさえ読めば入門はばっちりというものから、上級者向けの内容の濃いものまで、

様々なニーズに応える本が出版されています。

特に専門性の高いテーマの場合、本でなければ学べないこともよくあります。専門的な情報はネットでも見つかるのですが、どうしても細切れになりがちで、まとまった知識にしようと思えばあちこち渡り歩いてつなぎ合わせなければならなかったりします。

信頼性がある(ネットの情報と比べて)

本がどのようにして出版されているか考えてみましょう。

学識や実務経験の豊富な著者が出版社によって選ばれ、執筆を依頼されます。

世のニーズに沿った企画・テーマを編集者が立案し、それに沿って著者が執筆します。

著者は長い時間をかけて、自分の知識や経験、そして新たに調べたことを元に、原稿を執筆します。

原稿は編集され、場合によっては査読者によって査読され、修正・校正などを経て、印刷、出版されます。

要するに、何人ものチェックを受け、いくつもの工程を経てようやく出版されるのです。

そのぶんコストはかかりますが、関わった人達が責任を持って仕事をするので、品質が上がります。内容の信頼性が上がります。

紙に印刷されて後世に残るという意味は、やはり重いのではないでしょうか。著者も出版社も、極力間違いを減らそうという努力をしていると期待できるはずです。

ネットの情報源でそこまでやっているところがどれほどあるでしょう。もちろんちゃんとしたところもありますが、玉石混淆の感は否めません。

少なくとも現状では、本のほうがネットより信頼できると言えるでしょう。

参考書になれている人は学習しやすい

学校の教科書は、いまだに紙です。デジタル教科書も取り入れられつつありますが、当面は紙と併用されるようです。

電子辞書という便利なものがあるのに、いまだに紙の辞書の良さを強調する学校の先生もたくさんいます。

紙の本という形態は、学びやすいのです。我々がそれに慣れているというのがその大きな理由です。

学校では必ず、紙の教科書や辞書に触れています。受験の参考書なども、まだまだ紙のものを使っている人が多いでしょう。それらで問題なく勉強できているのであれば、プログラミングの学習においても、紙の本でちゃんと勉強できるはずです。むしろ、慣れているぶん安心感が得られるでしょう。

手元ですぐ見れる

分からない箇所があったら、ネットで調べればいいと考える人が多いと思います。実際、エラーが発生した場合など、まずはネット検索する人がほとんどだと思います。

しかし、ネットで検索してもエラーが解決しないことが多々あります。例えば、調べて出てきた記事の内容が古くなっていたり、海外サイトにしか解決法が載っていなくて、読めないといった場合です。

このような場合に対応するために、手元に置いておける本があると安心です。直接的な解決法が載っている場合もありますし、基礎的な知識がまとまっているので、そこから問題の根本が分かることが多いです。

そのため、自分が読み慣れた本を手元に置いておくと、この先助けになるでしょう。

自分のペースで学習できる

本を使った学習であれば、自分のペースで学習できます。

普段忙しい方や必要になった時だけ学びたいといった方は、期間が決まっていたり、長時間拘束されたりするような学習方法は向かないでしょう。一方で、本であれば、自分の思い通りに学習を進めることができます。

また、プログラミングを始めよう!と思ってすぐに何十時間もプログラミング学習を始められる人は少ないと思います。そのため、まずは本を使って自分のペースで学習するのが良いのではないでしょうか。

網羅的な学習をするのであれば、本がおすすめ

英語の本

プログラミングを徹底的に学びたいのであれば、1冊も本を読まないことは考えにくいです。エキスパートを目指すなら、何冊もの本を読むことになるでしょう。

本を使った学習のよさは、網羅的に学べることです。入門から業務レベルまで、幅広い本が市場に出回っているので、本だけでプロを目指すことも可能です。

最新情報はネットで補う必要はあるものの、本で体系的な知識を身につけ、「体幹」のしっかりしたプログラマーになれば、将来困難にぶつかっても、揺るぎない仕事ができるでしょう。

コードを打ち込みながら学習しようと思っても開きっぱなしにするのが難しい、というのは実は大した問題ではありません。書見台などを使えば簡単に解決することです。モニターの横の適切な位置に立てて開けば、最小限の視線移動で打ち込むことができます。

そして今は、電子書籍という味方もできました。紙の書籍と同じ内容を、好きなデバイスで読むことができます。何冊買っても、置き場所に困ることはありません。紙の本の信頼性と電子媒体の利便性を兼ね備えた、強力な学習ツールです。

プログラミングの基礎を学べる本

開いた本からアルファベットが飛び出てきている

本で学ぶ良さを感じていただけたならば、何か1冊手にとってみてください。

数ある中から、自分に合ったものを見つけてください。

よくわからなければ、下に挙げるようなものもリストに加えてみてください。ちょっと歯ごたえがあるものもありますが、読み通せば今後長い間役に立つ知識が身につくものを選んでみました。

『独学プログラマー』

コーリー=アルソフ・著、清水貴之・監訳、新木雅也・訳
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独学で一からプログラミングを学ぼうという本です。

Pythonを使っていますが、単なるPythonnの教則本ではありません。プロのプログラマーを目指す本です。実際に手を動かしながら学んでいきます。

データ構造とアルゴリズムといった理論的な話題から、バージョン管理といった実務的な話題、さらには仕事を得る方法といったことまで、プロになるためのノウハウが詰め込まれています。

技術書であると同時に、「心得指南」の風格が漂います。

職業プログラマーを目指すなら、これを最初の1冊に選ぶのもよいでしょう。趣味程度でよいと思っているのなら、難しすぎると感じるかも知れません。

『図解まるわかり プログラミングのしくみ』

増井敏克・著、翔泳社
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プログラミングとはどういうものなのか、何ができるのか、ということを俯瞰で見ることができる本です。

内容は多岐にわたります。プログラムが動くプラットフォーム、業界の職種、開発工程、プログラミング言語の種類と特徴、文字や数字の扱い等々、プログラミングにまつわる話題がほとんど網羅されているといっても過言ではありません。

1つの見開きに1つのテーマと、コンパクトにまとまっています。タイトル通り図がふんだんに使ってあり、わかりやすくなっています。それぞれの詳細を知るというよりは、素早く概要をつかむのに適しています。それでいて情報量はしっかりあり、学び甲斐があります。

パラパラとめくって興味のあるところを読むもよし、通読して業界の全体像を知るもよし。キャリアをスタートするにあたって持っておいたほうがいい知識の宝庫です。

『プログラムはなぜ動くのか 第3版』

矢沢久雄・著、日経BP
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プログラムというもののしくみを、ハードウエアにまで踏み込んで解説した本です。

まず、CPUやメモリーといった部品がどういう働きをするのかということを、内部構造などを交えながら説明しています。その上で、ファイルをディスクに記録するしくみやOSの働きなど、だんだんとプログラム寄りの話になっていきます。どこまでいっても、ハードとの関わりという視点は失いません。

実は、ハードの知識はそんなになくてもプログラミングはできます。しかし、コンピューターのしくみを知っているのと知らないのとでは、できあがるものには自ずと違いが出てきます。プロのクオリティーを求めるなら、ハードの知識は必須です。

プログラミングを学び始めたら、早い段階で本書を読むことをお勧めします。一歩ぬきんでた学習者になってください。

HTML&CSSを学べる本

HTML

もっと今すぐ役立つような知識がほしい、という人のために、ここではHTML&CSSを学べる本を2冊紹介します。

HTML&CSSは、Webページをデザインするための言語です。比較的簡単で、しかも需要が多いので、初心者に特にお勧めです。

『初心者からちゃんとしたプロになるHTML+CSS標準入門』

おのれいこ、栗谷幸助、相原典佳、塩谷正樹、中川隼人・著、MdN
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HTML&CSSの基礎を、実際にWebページを作りながら学ぶ本です。

最初の数章は説明中心で、後半に実践演習があります。

Webデザインやブラウザがサイトを表示するしくみなど、Webサイト構築に必須の話題からはじまり、HTMLとCSSの基礎知識の説明につなげます。

実践演習では、シンプルなサイトからはじまり、だんだんと複雑なサイトを作っていきます。

各項目ごとに目安となる学習時間が書いてあるので、計画が立てやすいです。

説明の仕方も含め、とても親切な作りになっています。手堅い1冊です。

『1冊ですべて身につくHTML&CSSとWebデザイン入門講座』

Mana・著、SBクリエイティブ
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HTMLやCSSだけでなく、Webデザインの知識も身につけよう、という本です。

よいWebデザインとは、というような話もあって、HTLMとCSSのコーディングだけ学びたい、という人は戸惑うかも知れません。

しかし、HTML&CSSはWebデザインのためのものです。それらは不可分です。両方いっぺんに学ぶことは、実は効率的とも言えます。

Web制作の現場では、デザイナーとコーダーが分かれているところもありますが、両方に精通していれば、貴重な戦力となり得ます。仕事の幅が広がります。

前半で基礎知識を学んだあと、後半で実際に手を動かしながらWebサイトを作ります。おしゃれなデザインなので、作っていて楽しくなります。

これら以外にも、こちらの記事でプログラミングの独学に最適な本をまとめております。興味のある方はぜひご覧ください。

 おすすめの学習の流れ

プログラミングを効率よく習得するために、おすすめの学習の流れを紹介します。

まだ何から始めればいいのか分からないという方は、とりあえずこの順番で始めてみるのがおすすめです。

本でプログラミングの基礎を学ぶ

まずは、本でプログラミングの基礎的な部分を学びましょう。

ここを飛ばしていきなりWebサイトやより専門的な本などで学習を始めても、学習の途中で「これなんでこうなるの?」と仕組みの部分で躓いてしまうと思います。また、プログラミングの基礎的な部分を学ぶと、初心者には難しい環境構築や他の分野とのつながりなども理解しやすくなるでしょう。

そのため、先ほど紹介したようなプログラミングの基礎の部分を紹介してくれる本を一読してみるのをお勧めします。

Webサービスを使って、実際に手を動かす

次に、プログラミング学習用のWebサービスを使って実際に手を動かしながら学習していきましょう。

主なプログラミング学習サービスとして以下のようなものが挙げられます。

これらのサービスでは、安価なWebサービスでありながら、非常に質の高い学習が可能になっています。また、一部機能は無料で使えるので、プログラミング初学者にとって、プログラミングを始めるには最適なサービスと言えます。

そのため、これらのサービスを使って実際に手を動かしながら、プログラミングを学習していきましょう。

また、プログラミングを学習できるWebサービスはこれら以外にもたくさんあります。こちらのサイトで紹介しておりますので参考にしてみて下さい!

より深い知識をつけるために本を使う

Webサービスで学習しているうちに、もっと詳しく勉強したい!という気持ちが出てくることがあると思います。

そこで、専門的な知識が体系的に記載されている本を使用しましょう。この段階であればある程度プログラミングの知識が身に付いていると思うので、専門的な本を読んでも躓く可能性は低くなっているはずです。

また、Webサービスでの学習後に本を使うことで、Webサービスの学習での復習や抜け漏れていた知識などを補強できます。一方で、Webサイトでの学習同様、アウトプットしながらの学習をすることは意識しましょう。

本格的なプログラミング学習するなら

プログラミングを学習していくうちに、もっと本格的にプログラミングを学びたいという気持ちが芽生えるかもしれません。また、エンジニアとして就職や転職、副業やフリーランスとして働きたいなど新たな目標が生まれることもあるでしょう。

そこで、おすすめなのがプログラミングスクールです。

現在、プログラミングスクールは数多く存在しています。多くのプログラミングスクールでは、短期間でプログラミングを効率よく習得できるためのカリキュラムを独自に持っており、それぞれの目標に合わせたコースを用意しています。

また、挫折率が高いプログラミング学習を、挫折せずに習得するための様々なサポートも用意しています。そのため、本格的にプログラミングを習得したいという方は、ぜひプログラミングスクールも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

また、初学者におすすめのプログラミングスクールをこちらの記事で紹介しています。興味のある方はぜひご覧ください。

まとめ

プログラミングへの入り口が多様化する中で、本を使った学習はいまだにその中心にあるといってよいでしょう。今後はWebサービスなどを利用する人が増えることが予想されますが、それと平行する形で、本も残り続けていくのではないでしょうか。

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