ゲーム開発に憧れを抱いている人も多いのではないでしょうか?そんな人におすすめの職種が「フリーランスUnityエンジニア」です。フリーランスUnityエンジニアは、スマホゲームやVRゲームの開発などゲーム業界で幅広く活躍しています。
この記事では、未経験からフリーランスUnityエンジニアを目指すための4つのステップについて解説します。フリーランスUnityエンジニアの仕事内容や年収なども紹介するため、フリーランスUnityuエンジニアが気になる人はぜひ最後までご覧ください。
フリーランスUnityエンジニアの基礎知識
仕事内容や働き方、年収といったフリーランスUnityエンジニアに関する基礎知識を紹介します。
そもそもUnityとは?
Unityは、Unity Technologies(ユニティ・テクノロジーズ)が開発・販売しているゲームエンジンです。国内・国外で圧倒的なシェア数を誇り、ゲームに限らず幅広い業界で利用されています。
Unityにはゲーム作りで役立つ、様々な処理がパッケージ化されています。そのためUnityを使うことで、一から処理を記述するより簡単にゲーム作成が可能です。
またUnityにはIDE(統合開発環境)が内蔵されています。そのため、Unityだけでソースの記述からデバッグ、コンパイルまで可能です。
IDE(統合開発環境)を知らない!という方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
フリーランスUnityエンジニアの仕事内容
フリーランスUnityエンジニアの仕事の多くは、ゲーム開発に関するものです。ゲーム開発においてフリーランスUnityエンジニアが行う仕事は、以下のような内容です。
- ゲーム開発:ゲームシナリオに合わせてゲーム開発を行います
- サーバーサイド開発:サーバーサイドの開発を行います
- フロントエンド開発:フロントエンドの開発を行います
- 行動ロジックの調整:ゲーム内のAIの行動ロジックを調整します
- 独自処理の実装:プログラミング言語を使って独自処理を追加します
- ゲームのテスト:開発したゲームのテストをします
- ゲームの保守:リリース後に見つかったバグの処理やアップデートを行います
フリーランスUnityエンジニアの仕事は、ゲーム開発に留まりません。ほかにも、下記のような案件もあります。
- VRのシミュレータ開発
- 3Dモデルを駆使したデザイン設計
このように、フリーランスUnityエンジニアの仕事内容は多岐にわたります。
フリーランスUnityエンジニアの働き方
フリーランスUnityエンジニアの働き方は、常駐型と在宅型にわけられます。しかし現状、フリーランスUnityエンジニアの案件の多くは常駐型です。
実際に、フリーランスITエンジニア専門の求人・案件サイト「フリーランススタート」に掲載されているUnityに関する案件数は6,102件ですが、そのうちリモートワークの案件は858件と少ないです。
しかし今後、フリーランスUnityエンジニアのリモート案件は増えていくと予想されます。働き方の改革や仮想デスクトップサービスの発展といった理由から、IT業界はリモートへとシフトチェンジしていっています。そのため、Unityを取り巻く環境もリモートや在宅へと変化していくでしょう。
フリーランスUnityエンジニアの具体的な案件
フリーランスITエンジニア専門の求人・案件サイト「フリーランススタート」に掲載されている、Unityに関する実際の案件を紹介します。
- VRライブアプリ関連開発支援:月額51~56万円(開発環境:Unity、C#、Windows、GitHub、iOS、Android)
- iOS/Android/Windows向けのゲームアプリケーションの開発・運用:月額80万円(開発環境:Unity、iOS、Android、C#、Windows、Xcode、Kotlin、Objective-C、Swift)
- ネイティブアプリの開発/設計/テスト/リリース/運用:月額130万円(開発環境:Unity、Cocos2d-x、MVC、iOS、Android)
上記の案件例からわかるとおり、フリーランスUnityエンジニアの案件単価は幅広いです。実際にフリーランススタートに掲載されている案件の月額は、最低単価25万円、最高単価150万円となっています。
フリーランスUnityエンジニアの年収
フリーランスITエンジニア専門の求人・案件サイト「フリーランススタート」でUnityに関する案件募集を調べたところ、案件の中央値単価は「60万円」です。これを年収換算すると「720万円」ほど稼げることがわかります。
国税庁が行った令和二年の「民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の1人当たりの平均給与は433万円です。つまりフリーランスUnityエンジニアは、平均より200万円以上も年収が高いことがわかります。
フリーランスUnityエンジニアの需要と将来性
フリーランスUnityエンジニアの需要は高いです。
Facebookがメタに社名を変更し、VR事業に力を入れ始めたことを知っている人も多いでしょう。そんな背景からもわかるとおり、VR事業は今後さらに発展していくと考えられます。
UnityはVRにも強いゲームエンジンです。そのためVRの広がりとともに、フリーランスUnityエンジニアの需要はさらに高まっていくといえるでしょう。
フリーランスUnityエンジニアになるメリット
将来性が高い
先述したとおり、フリーランスUnityエンジニアの将来性は高いです。そのため、将来的にも仕事に困ることは少ないでしょう。
しかし、惰性でフリーランスUnityエンジニアを続けていても、必ずしも活躍し続けられるわけではありません。Unityに関する技術に限らず、IT業界は早いスピードで進化していっています。スキルアップをして時代についていくことが重要です。
好きな仕事を選べる
フリーランスUnityエンジニアであれば、好きな仕事を選べます。VRゲームの開発案件を選んだり、週4日だけ働いたり、案件や条件を自由に提示できます。
また好きな仕事を選べるため、ライフワークバランスを実現することも可能です。働き方に対する意識変化によって、プライベートを大事にしたいと考える人が増えてきました。そんな人にも、フリーランスUnityエンジニアはおすすめの職種です。
収入アップが見込める
フリーランスUnityエンジニアになることで、収入アップも見込めます。先述したとおりフリーランスUnityエンジニアの年収は「720万円」ほどと高く、一般的な会社員よりも稼ぐことが可能です。
さらにフリーランスという働き方の特性上、努力次第でより稼ぐこともできます。3Dの技術を磨いたりVRに関する知識を深めたりして、年収1000万円以上稼ぐフリーランスUnityエンジニアも多くいます。
フリーランスUnityエンジニアになるデメリット
フリーランスUnityエンジニアになるデメリットは、3つあります。
- 雑務をこなさなければいけない
- 会社員より社会的信用が低い
- 福利厚生がない
それぞれのデメリットについて、詳しく解説します。
雑務をこなさなければいけない
フリーランスUnityエンジニアになると、エンジニア業務以外の業務もこなさなければなりません。営業活動や確定申告など、様々な作業が増えます。
上記のような作業は、様々なサービスを利用することで負担を減らせます。フリーランスITエンジニア専門のエージェント「レバテックフリーランス」やクラウド会計ソフトの「freee会計」など、うまく活用するといいでしょう。
会社員より社会的信用が低い
フリーランスは安定した収入がないため、会社員に比べて社会的信用が低いと判断されることが多いです。社会的信用とは、経済力や社会的地位などに裏付けされた信用力を指します。社会的信用が低いと、ローンが組めなかったり賃貸が借りられなかったりといったデメリットが生じる可能性があります。
フリーランスが社会的信用を上げるためには、預金額を増やしたり確定申告を慎重に行ったりといった方法があります。社会的信用は上げられるものの、時間がかかることが多いです。
福利厚生がない
会社員であれば享受できる福利厚生は、フリーランスにはありません。そのため年金や保険などを全額自分で支払わなければならないほか、補償も少ないです。フリーランス向けの休業補償や有給手当といった制度もまだまだ整備されていません。
福利厚生がないため、フリーランスは将来設計を徹底する必要があります。いざというときのために預貯金をつくっておく、身体を壊さないように仕事量を調整するなど、様々な事態に対処できるように備えることが重要です。
フリーランスUnityエンジニアに必要なスキル
フリーランスUnityエンジニアに必要なスキルを、Unityエンジニアとフリーランスにわけて紹介します。
Unityエンジニアに必要なスキル
Unityエンジニアに必要なスキルは、以下のとおりです。
- Unityに関するスキル
- 3Dモデリングに関するスキル
- プログラミングスキル
それぞれのスキルについて、解説します。
Unityに関するスキル
フリーランスUnityエンジニアを名乗るからには、Unityに関するスキルは必要不可欠です。Unityに標準搭載されている機能はどんなものか、どのような処理ができるのかを熟知しておく必要があります。
Unityに関するスキルを身に付けるためには、実際に手を動かしてみることが重要です。Unityは公式サイトから簡単にダウンロードできます。無料版も用意されているため、いろいろと作ってみるといいでしょう。
3Dモデリングに関するスキル
フリーランスUnityエンジニアには、3Dモデリング技術も求められる場合があります。3Dモデリングとは、その名の通り3Dのモデルを組み立てる作業を指します。
また3Dモデリング技術があれば案件の幅が広がり、より高収入を目指すことも可能です。モデラーにも転向でき将来性が広がるため、3Dモデリングに関するスキルは身に付けて損はないでしょう。
プログラミングスキル
Unity関連の案件は、Unityに加えてプログラミングスキルが必要なことがほとんどです。Unityだけでもゲーム作成は可能ですが、独自のゲームを作成するためにはプログラミングで追加処理を行わなければならないためです。
Unityと相性のいいプログラミング言語として「C#」や「JavaScript」が挙げられます。プログラミングスキルも磨いて、より良いゲームを作れるエンジニアになることがフリーランスUnityエンジニアとして成功するポイントです。
フリーランスに必要なスキル
フリーランスに必要なスキルは、以下のとおりです。
- コミュニケーション能力
- セルフマネジメント能力
- スキルを向上させる力
- 営業力
なぜ上記のようなスキルが必要なのか、理由を紹介します。
コミュニケーション能力
フリーランスUnityエンジニアは、クライアントの意向を汲み取り仕事を進める必要があります。そのため、コミュニケーション能力が必要です。
コミュニケーション能力には、相手の意図を図る力・論理的に思考を組み立てる力・提案する力と、複数の要素があります。コミュニケーション能力を高めるためにも、人脈づくりをして積極的に人と関わることをおすすめします。
セルフマネジメント能力
セルフマネジメント能力とは、自分自身をコントロールする能力です。フリーランスは自分でスケジュールや仕事量を管理する必要があります。
もし自分自身をうまくマネジメントできなければ、仕事がうまくまわりません。そのためフリーランスUnityエンジニアに限らず、全てのフリーランスにとってセルフマネジメント能力は必要なスキルといえます。
スキルを向上させる力
スキルを向上させる力のあるフリーランスUnityエンジニアは、長く活躍できます。逆にスキルを向上させずに古いスキルだけにしがみついていては、いずれ淘汰されてしまうでしょう。
現在、IT業界は早いスピードで進化を続けています。そのため次々に新しい技術が生まれ、廃れていく技術も多いです。会社員であれば、ある程度新しい情報が入ってきますが、フリーランスの場合は自ら新しい技術を獲得しなければなりません。
勉強会やセミナーに参加する、ほかのエンジニアと交流をするなど、スキルを獲得する方法はたくさんあります。大事なことは、向上心を持ってそれらの情報と触れ合うことです。
営業力
フリーランスであれば、自身で営業して案件を獲得する必要があります。営業ができなければ収入が途絶えてしまうため、ある程度の営業力が必要です。
営業力を増すためにおすすめな方法は、ポートフォリオ作成や資格取得です。客観的にスキルを証明できる材料ができるため、営業に説得力が増します。
未経験者がフリーランスUnityエンジニアを目指すステップ
IT業界未経験からフリーランスUnityエンジニアを目指すための、4つのステップを紹介します。
- プログラミングスクールに通う
- ポートフォリオを作成する
- 案件を獲得する
- スキルアップさせポートフォリオをブラッシュアップする
それぞれのステップで行うことを、解説します。
ステップ1:プログラミングスクールに通う
まずはプログラミングスクールに通いましょう。先述したとおり、フリーランスUnityエンジニアにはプログラミングスキルが必要です。
プログラミングは独学でも学習可能ですが、時間がかかるうえ挫折する可能性が高いです。プログラミングスクールであればプロの講師のサポートのもと学習を進められるため、独学に比べて効率よく挫折せずにプログラミングを習得できます。
さらにプログラミングスクールと並行して、Unityの勉強も行いましょう。Unityには無料版も公開されているため、インストールして簡単なゲームを作ってみてください。
ステップ2:ポートフォリオを作る
ポートフォリオを作成します。ポートフォリオとは作品集のようなもので、フリーランスUnityエンジニアであれば自作のゲームを載せることがおすすめです。
ポートフォリオがあれば、自身のスキルを客観的に証明できます。営業活動をスムーズに行えるため、必ず作成しておきましょう。
ステップ3:案件を獲得する
自作したポートフォリオを提示しながら、営業活動を行います。フリーランスUnityエンジニアが案件を獲得する方法として、以下のようなものが挙げられます。
- 案件・求人サイトを利用する
- ITエンジニア専門のエージェントを利用する
- クラウドソーシングサイトを利用する
- SNSで案件を見つける
- 自分でゲームを公開する
インターネットが発達した現代、様々な方法で案件を探せます。いろいろと試してみて、自分にあった方法を見つけてみてください。
ステップ4:スキルアップさせポートフォリオをブラッシュアップする
案件が獲得できるようになっても気は抜けません。スキルアップをしたりポートフォリオをブラッシュアップしたりして、より高単価な案件に挑戦できるようにしましょう。
先述したとおり、フリーランスUnityエンジニアの案件相場は幅広いです。そのため自分の努力次第で、より年収を増やすこともできます。
まとめ
フリーランスUnityエンジニアは年収も高く、需要が高い人気の職業です。またVRの発展が見込まれることから、フリーランスUnityエンジニアの将来性は高いと考えられます。
IT業界未経験者がフリーランスUnityエンジニアになる方法は「プログラミングスクールに通う」→「ポートフォリオを作成する」→「案件を獲得する」→「スキルアップさせポートフォリオをブラッシュアップする」の4ステップです。未経験者でも十分フリーランスUnityエンジニアを目指せるため、興味がある人は1歩踏み出してみてはいかがでしょうか。