「スキル不足だけど、独立してしまえば何とかなるだろう」そのように考えて、とりあえずフリーランスエンジニアになってしまう方がいます。
しかしこれは精神的にも肉体的にも病んでしまう可能性が高い、非常に危険な考え方なのです。
本記事ではスキル不足のままフリーランスエンジニアになるデメリット、そしてフリーランスエンジニアがスキル不足を解消する方法まで紹介していきます。
これからフリーランスエンジニアとして独立を考えている方、ぜひ参考にしてみて下さい。
スキル不足でフリーランスエンジニアになるデメリット
スキル不足のままフリーランスエンジニアになると、様々なデメリットが生じます。
そういったデメリットは負の連鎖を生みだします。
- こなせる案件がなく仕事を受けられない
- 低単価の案件しか挑戦できない
- 精神的にダメージを受ける
- 体調を崩す
- 生活が成り立たない
なぜ負の連鎖が起こるのか、順を追って各項目の詳細について説明していきます。
こなせる案件がなく仕事を受けられない
スキル不足であると、そもそもこなすことができる案件がないため、仕事を受けることができません。
会社員であればスキル不足のまま案件を受けても、先輩や同僚の助けを得て仕事をこなすことも可能でしょう。
しかしフリーランスエンジニアの場合、基本的に請け負った仕事は自分一人で完結させる必要があります。
そのため案件を一人で完結させるスキルのないフリーランスエンジニアは、仕事を受けられない、もしくは受けても完遂することができずクライアントの信頼を失ってしまいます。
低単価の案件しか挑戦できない
一般的な価格の案件をスキル不足で受けることができなければ、低単価の案件に挑戦するしかありません。
低単価の案件とは誰にでもできるため競争率が高く、そのためさらに単価が下がるという悪循環が起きがちです。
さらに低単価案件のみで生活するにはとにかく案件数をこなす必要があり、結果として勉強する時間もないほど忙殺されることになるでしょう。
そうなるとスキルアップのための勉強時間が確保できず、ずっと低単価案件を請け負う「貧乏暇なし状態のフリーランスエンジニア」が出来上がってしまいます。
また低単価案件の中には、フリーランスエンジニアの「どうしても仕事が欲しい」という気持ちにつけ込んで、人間扱いしないブラック企業のようなクライアントもいます。
そういったクライアントとの取引では「指示が曖昧なうえに修正が多い」「報酬の未払い」「作業範囲が膨大」などのトラブルが起きがちです。
精神的にダメージを受ける
スキル不足であると、精神的にもダメージを受けやすい状態になってしまいます。
スキル不足で精神的にダメージを受けるパターンは、3通りあります。
1つ目は、案件が取れないパターンです。
フリーランスエンジニアは案件が取れないと、報酬もゼロになります。
お金が無くなってくると今後の生活に対する不安が生まれ、精神的に大きなダメージを受けることとなります。
2つ目は、低単価案件のパターンです。
低単価案件しか取れないと仕事の数を多くこなさなければならないため、プライベートの時間がないわりにお金が稼げず、精神的にダメージを受けてしまうでしょう。
3つ目は、クライアントや他のエンジニアに迷惑をかけるパターンです。
スキル不足のまま良い案件を受けることができても、仕事をこなすことができず、結果的にクライアントや他のエンジニアに迷惑をかけることとなります。
そうすると「自分のせいで迷惑をかけている」と心の負担になり、精神的なダメージを受けることがあります。
同じ「スキル不足で迷惑をかける」でも、会社員であれば「会社」というフィルターを通すため、ある程度精神的ダメージを分散することができるでしょう。
一方フリーランスエンジニアは会社というフィルターがないため、迷惑をかけたことは100%自分の心の負担となってしまうのです。
体調を崩す
スキル不足からくる精神的なダメージや労働時間の多さは、体調を崩す原因となります。
会社員であれば、労働時間に対して会社が制限をかけたり、精神的なダメージがあれば休暇が取れたりと、労働者を守る様々な決まりがあります。
しかしフリーランスエンジニアには労働者を守る制度が一切ないため、体調が崩れることが多く、さらに崩れっぱなしで働き続ける方も多いです。
せっかく独立して自由な生き方を手に入れたのに、体調を崩したとあれば元も子もありませんよね。
生活が成り立たない
最終的に、スキル不足のフリーランスエンジニアは生活が成り立たなくなってきます。
精神的にも肉体的にも苦しいまま、仕事を続けていてもいずれは限界を迎えてしまいます。
そうして働くことができなくなると、保障のないフリーランスエンジニアは収入がゼロになってしまうのです。
そうすると当然生活することができず、他の仕事を探すか生活保護といった制度を利用するか、いずれにしてもフリーランスエンジニアという職業を一旦は諦める必要があるでしょう。
現在フリーランスエンジニアになりたいと思っている方は、自由なライフスタイルに憧れて独立する方が多いと思います。
しかし、スキル不足であれば自由なライフスタイル以前に生活が成り立たず、悲惨な末路を辿ってしまう可能性があるのです。
フリーランスエンジニアがスキル不足になる原因
フリーランスエンジニアがスキル不足になる原因は、3つ考えられます。
- フリーランスエンジニアとしての知識や経験不足
- 他の人に教わることがない
- 世の中の流れに取り残されている
上記に挙げたスキル不足になる原因に心当たりはないか、今一度自分を見直してみましょう。
フリーランスエンジニアとしての知識や経験不足
スキル不足になる原因として、そもそもフリーランスエンジニアとしての知識や経験が足りていない、ということが第一に挙げられます。
フリーランスエンジニアは最低でも、請け負った仕事を1人で案件をこなせるだけの力量が必要です。
さらに案件には納品期限があるため、ある程度のスピード感も求められます。
そもそも1人で案件の内容をこなすことができない、こなせてもスピードが遅すぎる、といった場合はまだフリーランスエンジニアとして独立する時ではないでしょう。
他の人に教わることがない
フリーランスエンジニアは企業勤めの会社員に比べて、他の人に教わる機会が少なくなってしまいがちです。
他の人に教わらず自分1人で完結していると、自分がエンジニアとしてどの程度能力を持っているか、世間がフリーランスエンジニアに求めているものはなにか、といったものに対し、世間とギャップが生まれてしまいます。
世間とのギャップがあるまま「自分はフリーランスエンジニアとして十分なスキルがある」と思い込んでいると、クライアントから求められないフリーランスエンジニアとなってしまうのです。
世の中の流れに取り残されている
フリーランスエンジニアは、自ら動かないと世の中の流れに取り残されていってしまいます。
特にIT業界は急速に進歩している分野のため、世の中の流れがとてつもなく速いのです。
過去の時点では十分だとしても、現在のニーズにマッチしたスキルや知識を持っていないと、容赦なく切り捨てられてしまいます。
世の中の流れから取り残されていないか、今でも自分の行っているやり方で通用するのか、フリーランスエンジニアは常に検証する必要があります。
過去に囚われず、現在進行形で、スキルがあるフリーランスエンジニアとして生きることが重要です。
フリーランスエンジニアに必要なスキルとは?
フリーランスエンジニアに必要なスキルは、主に5つあります。
- プログラミングスキル
- ITに関する知識やスキル
- 営業スキル
- コミュニケーションスキル
- 自己マネジメントスキル
必要なスキルを磨いて、必要とされるフリーランスエンジニアになりましょう。
プログラミングスキル
この記事を読んでいる方は、これからフリーランスエンジニアになろうとしている方が多いと思います。
そしてフリーランスエンジニアとして独立したての頃は、大規模開発の設計といった上流工程よりも、プログラミングでアプリやシステム、Webサイトを作る案件が多いでしょう。
そういった場合、一番大切なことは「プログラミングスキル」があることです。
プログラミングには様々な言語があります。
自分の作りたいものや興味がある分野によって言語をチョイスする必要がありますが、どの言語においても「最初から最後まで完結して行うことができる」まで、プログラミングスキルを磨きましょう。
ITに関する知識やスキル
プログラミング以外にも、ITに関する知識やスキルも必要とされます。
ITに関する知識やスキルとは、具体的に以下のようなものが挙げられます。
- PC操作全般
- 各プログラミング言語に関する知識
- 基礎的な情報処理技術
- システム開発に関する手順や工程
- アルゴリズム
- ネットワークや環境構築
- セキュリティ
- データベース
フリーランスエンジニアとして請け負う仕事内容にもよりますが、これらの知識を一通り知っておくことで、様々な案件に挑戦することができます。
営業スキル
フリーランスエンジニアにとって案件を獲得するための営業スキルは、プログラミングスキルと同じ位重要なものです。
いくらITに関するスキルがあっても、営業力がなければ仕事を受けることができません。
そして仕事がなければ、お金を稼ぐことができず生活が成り立たないのです。
自分の能力をうまく相手に提示することができるか、自分と仕事をするメリットはどんなものか、そういった材料から仕事をうまく受ける必要があります。
そして営業スキルがあれば高単価案件を獲得することができ、同じ作業量でもより多くの給与を得ることもできるのです。
そのため営業力は高ければ高いほど、フリーランスエンジニアにとって有利に働きます。
コミュニケーションスキル
フリーランスエンジニアは自らクライアントとやり取りをする必要があるため、コミュニケーションスキルが必要となります。
コミュニケーションスキルが足りずクライアントと円滑にやり取りを行えないと、スケジュールやタスクの範囲、システムの内容について相違が発生し、様々な不具合が起こります。
クライアントの言っていることを理解し、自分の言いたいことを伝える、このような必要最低限コミュニケーションスキルは身に付けておきましょう。
ここで注意点ですが「クライアントの言うことを100%聞くこと」は良いコミュニケーションとはいえません。
自分とクライアント、双方がより良く仕事ができるように調整する、これが高いコミュニケーションスキルなのです。
こちらの記事で、フリーランスエンジニアに求められる営業スキルについて詳しく説明しています。ぜひ参考にしてみてください。
自己マネジメントスキル
自己マネジメントスキルとは「目標達成のために自分を管理する能力」を指します。
自分を管理する能力のないフリーランスエンジニアは、いずれ頭打ちとなってしまうため、できれば身に付けておきたいスキルです。
自己マネジメントスキルを身に付けるためには、まずは目標を設定する必要があります。
どんなフリーランスエンジニアになりたいのか、そのためにはどんな事を行う必要があるのか設定し、それを遂行していきます。
そして一定期間で目標とタスクを見直し修正することで、高い意識を持ったフリーランスエンジニアとなることができるのです。
スキル不足を脱却する5つの方法
フリーランスエンジニアがスキル不足を脱却する方法は、5つあります。
- ポートフォリオを作成する
- スクールに通う
- 勉強会やセミナーに参加する
- SNSを活用する
- 常に学習意識を持つ
現在スキル不足と感じているフリーランスエンジニア、もしくはこれからフリーランスエンジニアになろうと考えている皆さん、ぜひこの5つの方法を試してみて下さい!
ポートフォリオを作成する
ポートフォリオとは、エンジニアとして自分が作った作品集のことを指します。
例えば、自作したシステムやアプリケーションを第三者が見ること、もしくは動かすことができるようにブログといった媒体に掲載します。
そのブログに自分の自己紹介を載せたら、立派なポートフォリオの完成です。
ポートフォリオを作成するためには、システムやアプリを作る必要があります。
そのためフリーランスエンジニアに必要な、プログラミングスキルやITに関する知識やスキルを勉強することができます。
そして作ったポートフォリオは、営業に大いに役立つことでしょう。
ポートフォリオがあると、自分の能力値やできることを視覚的に提示することができるため、案件を獲得する手助けとなります。
また、ポートフォリオを活用して単価交渉をすることも可能です。
まだフリーランスエンジニアとして独立していない方も、ポートフォリオのメリットは大きいため、勉強がてらに作成してみると良いでしょう。
スクールに通う
独学でもフリーランスエンジニアとしてのスキルを上げることは可能です。
しかし「方法が合っているのか」「もっと早くスキルを身に付ける方法はないのか」といった不安がある場合、スクールに通うことをおすすめします。
スクールはノウハウを持ったプロの講師が、カリキュラムに沿って授業を行ってくれるものです。
そのためスクールに通うことで、独学よりも早く、そして確実にスキルアップすることができます。
そしてスクールではプログラミングやITスキルはもちろんのこと、フリーランスエンジニアとしての心構えや営業の行い方といったことも学ぶことができます。
良いスクールに出会えれば、スクール代は余裕で回収することができるため、ぜひ参加を検討してみて下さい!
勉強会やセミナーに参加する
勉強会やセミナーに参加することで、ITに関するスキルを学びつつ人脈を広げることができます。
フリーランスエンジニアにとって人脈は重要です。
いざという時に助け合うことができる仲間ができたり、案件を斡旋してくれたりと、人脈は非常に役立ちます。
勉強会の種類や勉強会を探すサイトについて詳しくまとめた記事もあるため、ぜひ参考にしてみて下さい。
こちらの記事で、フリーランスエンジニアを目指す方にお薦めのプログラミングスクールを紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
SNSを活用する
SNSを活用することで、新しい刺激や知識、世の中の流れを知ることができます。
先述しましたが、時代に追いついていないフリーランスエンジニアは、いずれは必要のない人材となってしまいます。
そのためフリーランスエンジニアにとって、情報収集は必要不可欠なものです。
TwitterといったSNSは、不特定多数と交流することができるため、新しい情報を手に入れる媒体として非常に優秀といえます。
またSNSを利用することで、仕事を見つけることも可能です。
SNSで「エンジニア募集」の投稿も意外と多く、営業にも役立てることができます。
常に学習意欲を持つ
常に学習意欲を持ち、チャレンジすることができるフリーランスエンジニアは、スキル不足に陥りにくいでしょう。
そして学習し続けることで、時代に取り残されることもなく、スキルフルに活躍することができます。
学習意欲を持ち続けるためには、学習する環境を整えたうえで、学習を習慣付けてしまうと良いでしょう。
特に意識することなく、学習を生活の一部に取り入れてしまうと良いのです。
自分がスキル不足なのではないかと不安な方へ
「自分はまだまだスキル不足なのではないか」という不安から、フリーランスエンジニアになる挑戦を擦る勇気が出ないという方をよく見かけます。
そこで、自分がスキル不足かどうか、まず何をすべきかをここでは解説していきます。
フリーランスエンジニアに求められるレベルから考える
スキル不足かどうかはやはり、フリーランスエンジニアに求められるレベルと照らし合わせて判断する必要があります。
一つ明確な指標を上げるとすれば、実務経験が3年以上ある方や案件開発実績があるという方は、フリーランスとしても問題なく活動できるレベルにあると言えます。
ただ、やはりスキル不足かどうかはやってみないと分からないところもあります。そのため、ある程度の知識や経験が付いたところで、一度挑戦してみてみることをお薦めします。
エージェントを頼る
自分で考えても不安が募るばかりという方は、エージェントを頼るのがおすすめです。
エージェントは数多くのフリーランスエンジニアを見てきており、自分がフリーランスエンジニアレベルに達しているのかを判断してくれるはずです。また、自分の強みや弱みについても指摘してくれるので、今後何をすべきか明確になります。
加えて、自分に合った案件を紹介してもらえるので、比較的難易度の低い案件を紹介してもらえることもあります。そのため、不安が大きいという方はぜひエージェントに一度頼ってみるというのはお薦めです。
こちらの記事で、フリーランスエンジニアにお薦めのエージェントを紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
スキル不足のままフリーランスエンジニアになると、精神的にも肉体的にも追い詰められ、最終的に生活が成り立たなくなってしまいます。
しかし現在スキル不足であっても、正しい順序を辿ってきちんと学習すれば、必ず現状を脱却することはできます。
フリーランスエンジニアにとって大事なことは「学ぶ姿勢」です。
スキルフルで活躍できるフリーランスエンジニアを目指していきましょう!